第160話 薬師になった注意点
主人公達は、薬神の祠の神像の間に到着し、無事薬師への転職条件を得ました。
でも、追加サービスを行う様です。
薬神の祠に護衛しながら連れて来た4人は、無事、薬師への転職条件を得て、転職した。
後は、レベルを上げて行けば、スキルを取得出来る。
しかし、3級職の薬師だとレベル上限はLV30。
それには2556万もの職業経験値が必要。
勇者・勇者候補しか持たない『成長の加護』を隠す為にその力を封印している状態で、且つ弱い職業に就いていると偽装している状態で、それだけの職業経験値を得るのは難しい。
だけどLV21以上にはしてあげたいかな。
それで、ラファエラの心象も良くなるかもしれないし、俺達と共に旅立ち易くなるかもしれないし。
そう思ったので、地下3階で魔物を狩りレベル上げをする事を4人に提案すると、了承を得られた。
なので、『ゲームだとこんな細かな配慮必要なかったんだけど、まあ現実だとしょうがないよな』なんて思いつつ、神像の間から地下3階への階段へと移動する。
地下3階への階段に到達するまでの戦闘で、薬師に転職したばかりの4人をレベル11以上に出来たので、安心かなと思いつつ、階段を下りている。
「はあ。あたしが3級職の薬師で既にレベルが15とはね」と、村長の奥さんのフレデリカさんは複雑そうだ。
その発言で注意事項を思い出したので「ああ。注意しておいた方が良いのかな」と説明をしておく事にする。
すると、フレデリカさんは「何をだい?」と反応してくれたので、説明を始める事にする。
「旦那が浮気した~って、顔を全力で叩いたら、今までだと顔が張れる程度だったけど、今後は死ぬ可能性もありますからね」
「ああ。ステータスが全然違うから」
「ええ。いくら頭に来ても加減しないと危ないですからね。
ざっと計算すると、今までだと1級職のレベル10の平均ステータスは290くらいだったでしょ。
でも、3級職のレベル1で平均が400。レベル11で600。レベル21になると800ですからね。
薬師の場合、職業の恩恵でステータスが上がるのはMPと耐久と精神で、それに300プラスされますけど、それは殴る事には影響ないんですけど、それでもね」
「あ~。それでも既に以前の倍以上の腕力なんだ。
全力で殴れないのは頭に来るけど、しかたないか」
そうフレデリカさんは複雑そう。
経験があるのかな。
「まあ、頭に来ている状態で、そんな冷静にはなれないでしょうけど、頭の片隅には置いておいてくださいね。制裁のつもりが殺してしまったなんて嫌でしょうし」
「わかったよ。で、地下三階はどうなんだい」とフレデリカさんはきっちり思考を切り替えてきた。
「今までのキラーグラス、キラーローズ、キラープラントに、トレントと言う魔物が追加されます。
まあ、キラープラントと似た木の魔物なんですけど、Dランクの魔物ですから動きが速くなる上に、擬態が見破り難くなるんですよ」
「そっか。見破れなければ危ない目にあうんだったね」と宿屋の経営者のシーリスさんが前に説明した事を復唱してくれる。
「そうです。後は、地下二階までは多くの人が来て討伐しているから、あまり居ないんですが、地下3階からは討伐が不十分になり同じ魔物でもレベルが上がり強くなった個体が多くなると言う事があるので危険度が高くなるって聞いています」
「同じ魔物でも油断すると強くなっていて、危ないのか」とフレデリカさんは理解してくれたので、説明を続ける。
「ええ。擬態が上手くなっているパターンもあるので、魔法で手あたり次第攻撃したくなるんですが、そうするとMPが足りなくなりますからね。
階段近辺で、迂闊に植物に近づかない様にしながら、見破れた魔物を倒し、薬草の採取に邪魔な場所にある植物を攻撃してみます。
本当は、皆さんをレベル上限の30にして5級職の魔法薬師への転職まで面倒見られれば、かなり安心なんですけど」
「まあ、私達も、そこまでは期待していないよ」とフレデリカさんからの返事があった頃に、地下3階への入り口が見えてきた。
主人公達は薬神の祠地下3階へと到着したようです。




