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第16話 従魔のメル

 主人公は、従魔の卵と言う特殊なマジックアイテムを使い、従魔を手に入れたのですが。

 始まりのダンジョン初級のボスを倒し、手に入れた宝箱から得た従魔の卵。


 それを使用すると、スモールシープと言う小型の羊の魔物が従魔となってくれた。


 まあ、期待したのとは少し違ったけどね。


 そう思っていると「メェ~」と悲しそうに泣かれてしまう。


 あれ?


 従魔呼出って従魔と意思疎通が出来るスキルが無くても、この特別な従魔だとある程度意思疎通が出来るんだっけ?


 そんな仕様ゲームには無かった気がするが。


 と言うか、ゲームだと進化させるまで主人公の周りを走り回ったり、頭を撫でられたり、出来る事を御願いするとそれをしてくれるだけで、向こうから意思表示してくる事なんて無かったか。


 ただ可愛がったり、見て癒されたりする為のペット的なモノだったし。


 だから、異世界の現実とゲームでは違う仕様になるのが当然なのかも。


 そう思っていると、もう一度「メェ~」と悲しそうに泣く従魔。


 なんか、『僕じゃ駄目なの?』、『期待外れでごめんなさい』って言われた気がする。


 目を見ると涙ぐんでいる様に見えるし。


 「ごめん、ごめん。想定していたのと違ったけど、羊系は万能タイプだし、鍛えれば俺好みの従魔になれるから、そんな弱気にならないで」


 「メェ~」


 う~ん。


 『本当?』って聞かれた気がする。


 「ああ。君は羊毛技って特別なスキルが使えるから、俺の好みのタイプの従魔なんだよ。

  見た目も、蝙蝠系とか骸骨系より可愛いし。

  ただ、君を鍛える為には、君をレベル上限にするだけでなく、俺が魔物使いになり魔物使い学をランク4にして従魔進化と言う力を使う必要があるんだけど、それは現状だとハードルが高くてね。

  そこまでになるのに、しばらく掛かる事を忘れて君を呼び出して、呼び出した直後にそれを思い出したから、落ち込んだように見えただけだよ。

  俺の我が儘だから気にしないで」


 「メェ~」


 もう一度『本当?』って聞かれた気がする。


 「本当だよ」と言うと俺に近寄って来て、更に「メェ~」と。


 『良かった。なら、僕に名前を付けてね』って言われた気がする。


 と言うか、名前を付けるのか。


 名前考えるんの苦手なんだけど。


 泣き声が「メェ~」だから、「め」って文字がある方が良いかな。


 後は、戦闘の指示とかを考えると、名前は短い方が良いのかな。


 「君はオスかな、メスかな?」


 「メェ~」


 「性別は無いのか。魔物の種類によっては有ったと思ったけど。

  よし。君の名前はメルだ。

  良いかな?」


 「メェ~」


 『喜んで』って言ってくれた気がするから大丈夫そうだな。


 改めて見ると、角は巻き角って言うのが付いているタイプか。


 体はスモールだから、中型犬程度。


 確か、元の世界のオリジナルの羊が頭をぶつけて喧嘩しあう習性を元にし、頭突きが攻撃手段なんだけど。


 従魔メニューと意識すると表示される従魔メニューの中からステータス表示を選ぶとメルのステータスウィンドウが表示される。


 HPやMPなんかのステータスは、全て200か。


 万能タイプだからな。


 持っているスキルは、やっぱり羊毛技スキルと従魔影侵入スキルか。


 と言うか、従魔念話と従魔サイズ変更ってスキルまで持っている。


 従魔念話が、薄っすら意思を伝えて来るスキルなんだろうな。


 従魔サイズ変更スキルって、システムにあった従魔の表示サイズの変更の事か。


 後、気になったのは普通に俺の言葉を理解しているけど、それは従魔念話の力なのか。


 従魔念話の力なら、仲間や他人との意思疎通は出来るのだろうか。


 そんな風に色々と考えていると、そばに寄って来たので撫でる。


 うん。


 毛に油が。


 モフモフが良いんだけどな。


 そう思っていると、メルは首をかしげている。


 羊毛技スキルのランク1で使用できる羊毛操作は、何が出来るんだったかな。


 高ランクになると羊毛で感知とか敵の拘束とかが出来たのは覚えているけど。


 そう思い出しつつ「羊毛操作って何が出来るの?」とメルに聞いてみる。


 「メェ~」


 ふ~ん。


 『大した事は出来ません』って言われた気がする。


 「なら、出来る事を一通りやってみて」


 そう言うと、羊毛を直毛にしたり、羊毛を伸ばしたり、途中で切ったり。


 あれ。


 羊毛がサラサラになっている。


 これは、憧れのモフモフでは。


 「ひょっとして、毛に付いている油とか汚れを取れるんだ」


 「メェ~」


 『洗浄が出来るから』って言っている気がする。


 恐る恐る触れると、やっぱりモフモフになっている。


 まあ、これじゃあ防御力が下がっている気もするが、こっちがいいよな。


 モフモフを楽しみながら、ここでのすべき事は一通りやったかなと、一応マップを確認。


 さて、これでやっと休める。


 ステータスウィンドウ内の時計を確認すると、もう深夜の1時33分だ。


 まあ、耐久ステータスが上がったから、徹夜もそれ程苦では無い筈だけど、やっぱり戦闘で体も精神の疲れているだろうからな。


 ゲームでは、従魔影侵入で影の中に入っていても、従魔と経験値は共有できた。


 まあ、俺の経験値の10分の1しか取得出来ないけど。


 逆に、俺の取得経験値は減らないんだけどね。


 従魔が増えると、その頭数で割られるけど、今は一頭……、1人だし。


 だから、10分の1でも直ぐにスモールシープのレベル上限であるLV10にはなりそうだけど。


 メルに従魔影侵入で俺の影に入ってもらい、マップを確認しながら、始まりのダンジョンへと繋がる通路へと戻る為に地下2階と地下1階を進む。


 その途中で魔物を倒し、取得経験値が10倍になっているのも確認。


 従魔影侵入で影に入っているスモールシープのメルを呼び出して、メルのステータスウィンドウの経験値を見ると、ゲームと同じく取得経験値は俺の10分の1みたいだ。


 それらを確認後、始まりのダンジョンへと繋がる通路へと戻り、通路に置いてあった寝袋や食料を確認すると、ちゃんとそこにある。


 ここなら魔物が来ない筈だから、ここで寝よう。


 でも、異世界の現実がゲームと違う事も心配ではあるか。


 感知スキルに察知は寝てても機能するか、と聞くと寝ている時の方が、悪意・殺意・害意を感じての警鐘は大きくなるそうだ。


 なら、寝ている間の警戒はスキルに任せておけば問題は無いか。


 まあ、感知スキルの察知に引っ掛からない隠形に長けた魔物が来たら駄目なんだけど、そこまで考え始めたら村に帰って寝ても駄目だろうし気にしてもしょうがない。


 そんな風に寝ている間の警戒方法を確認しながら食事をとり、生活魔法の『洗浄』で体を洗浄。


 メルに「食事は草かな」と聞くと『そうです』と言われた気がするので、安全を確認後通路の外に草を狩りに行く。


 簡易転移の加護も手に入れたし村まで帰ってもいいが、それだとイベントが起こらないからな。


 俺が一日以上村を留守にする事が、イベントの発生条件だから。


 でも、ゲームでは描写は無かったけど、あの危険な事を現実でしなければならないのかな。


 振られると地獄を見るあの事を。


 いや。


 無理にしなくてもいいんだけどさ。


 まあ、まだ数日先の話だ。


 メルを抱きしめて寝ようかと思ったが、癖になると後々面倒かもと抱きしめて寝るのは諦め、外に出て刈って来た草を置いておく。


 これで、メルの食事も寝床も大丈夫かな。


 「メルも寝るよね」


 「メェ~」


 『はい。寝ますよ』と言われた気がする。


 「まあ、俺より先に魔物が来たのに気が付いたら教えてね」と一応お願いもしておく。


 さて。


 明日もダンジョン探索だ。


 その為に今は寝よう。


 「メル。お休み」と言ってから寝袋で寝る事にした。

 主人公は、無事に一日を終えた様です。

 メルと言う仲間も手に入ったし順調なのかな。

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