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異世界とゲームは違う様です。~やり込んだゲームに似た異世界で生き残りたいのだけど、ゲームと違う事が多過ぎて困っています~  作者: 下見野大
第4章 4人目の仲間編

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第153話 診断結果は

 主人公は、ラファエラを仲間にする為のイベントを開始しました。

 初っ端でミスがあったようですが、大丈夫なのでしょうか。

 俺が好きだった及び優秀だったキャラのラファエラを仲間に加えるイベントを開始した。


 まあ、これはゲームではないから、仲間になってもらう為の交渉と言った方が良いのかもしれないが。


 しかし、ゲームの通り発言したら、思いっきり引かれたけど、どうすれば良かったのかね。


 オブラートに包むか、ラファエラを引かせない会話の流れを作りゲーム通りの発言に持ち込むとかか。


 でも、ラファエラは必死の様で、不審者である俺を祖母のもとに連れて行く様だ。


 まあ、ゲームでは主人公が助けないと、何とかしようとして行方不明になるくらいだからな。


 ゲームでも見た奇麗な木造の大き目の家に入り、親族と思われる女性二人と男性一人に事情を説明した後、家の奥に案内されると、ベッドに寝ている顔色が悪く弱っている感じの60歳くらいの女性。


 「おばあちゃんです」と、本人を目の前にしたからか祖母からおばあちゃんに呼び方が変わった。


 「ああ。鑑定をしてみる」


 そう言って、薬学スキルの限定鑑定を使用しようとしたんだけど。


 ああ。


 薬学スキルによる病気等の限定鑑定はランク2からなのね。


 ゲームだと直ぐにランク3とかにしていたから、気が付かなかったよ。


 と言うか、薬学スキルの宝玉を使ってランク2にしておけばよかったんだけど、今さらか。


 とういう事でランク1から病気等についても限定鑑定が出来る魔法薬学スキルにより限定鑑定。


 うん。


 魔法薬学で造った毒消し薬、又は薬学スキルで造った毒治療薬を適量飲ませてエリクサーで肝臓を再生か。


 まあ、中級エリクサーを飲ませたら、それだけで完治するらしいが。


 次は、鑑定スキルにより鑑定。


 鑑定ウィンドウに表示される状態欄は、空欄。


 つまり通常状態なんだ。


 だけど、次は詳細鑑定と念じ出て来た鑑定ウィンドウの状態欄を見ると、微弱な毒状態と表示されている。


 鑑定スキルはランク5にしてきたので、第三者でも解析鑑定は可能だ。


 なので、その微弱な毒状態の文字を解析鑑定と念じて確認すると、肝臓が弱り、毒に対して弱くなっている、そうだ。


 う~ん。


 そう言えば、これから薬神の祠に向かい転職条件を得ると言う設定なのに、薬学や魔法薬学の限定鑑定が出来ると言うのは矛盾しないのかな。


 まあ、俺以外の3人に転職条件を得てもらうでも良いのかもしれないけど。


 ランク4の鑑定スキルで詳細に鑑定したで良いのか。


 しかし、確かゲームではこの場に居なかった叔父の村長と、その妻の叔母と従弟の女性まで居るけど、またなんか変な違いとか出て来ないだろうか。


 ゲームではデータの圧縮の為に居ない事にされたとかだったら良いんだけど、それは分からないし。


 発言に注意した方が良いのかもしれない。


 そんな事を考えていると、俺の様子から誤解したのだろう。


 ラファエラが心配そうにこちらを伺っている。


 「ああ。ごめん。さっきも言ったけど、とりあえず毒治療薬か毒消し薬を適量飲ませればいいよ。

  ただ、完治するにはエリクサーが必要だね」


 「えつ。そんな。何故」と、村長が聞いて来るのでもう一度説明する。


 「人の体には、弱い毒なら分解して無害にする臓器があるんです。

  でも、それが長い間続き酷使され、年齢により弱ってくると毒に弱くなったり臓器の機能不全から体調不良を起こしたりするそうです。

  赤ん坊の場合は、まだその解毒の能力が育ち切っていないからですね。

  だから、鑑定でも現状だと毒状態とは出ないんだけど」


 「そんな。本当なんですか。でも、エリクサーが必要だなんて」と、今度は村長の奥さんと言う人が言って来るが。


 「おばあさんの解毒の為の臓器がもう傷んでいて、その治療には再生の力が必要なので、最低でも下級エリクサーが必要になってきます。

  まあ、今日初めて会った俺の発言ですから、信頼できないと言うのは分ります。

  なので、信頼できる薬学又は魔法薬学スキル持ちの人に限定鑑定を行ってもらうと良いんですけど。

  エリクサーなんて、と言うのであれば、薬学スキルを持った人に定期的に見てもらって、適量の解毒系の薬を飲み続ければ、ある程度改善すると思いますけど」


 「……。この村には、現在魔法薬学どころか薬学スキル持ちすらいません」


 そう必死な感じで言われるが「貴方が村長ですよね。何でこんな事に」と冷静に聞いておく。


 「私の妹、この子の母親であるクラリスと言う薬師が居たのですが、薬草を採りに行った処を魔物に襲われて」


 「いや。薬草採取の依頼を冒険者に出すか、護衛を付けるかしないと」と突っ込むと「それが、薬代が高くなるからと、自分で採取に行っていたので」と村長に申し訳なさそうに言われてもね。


 「それでも、村で護衛をつけないと」と今後の為にももう一度言ったんだけど。


 「……、護衛は居たんです。薬草の採取の依頼を受けていた冒険者と一緒に森に行ったんですけど、守り切れなかったと、自分達も大怪我をしていた冒険者達に言われてしまいました」と言い難そうに言ってくる。


 「なるほどね。だけど、直ぐに薬師を村で用意すべきでしたね」と話題を進める。


 「それが、安く毒治療薬を売ってもらいたいと言うと、人口が200人も居ない村でそれでは商売にならないと皆に断られて」


 「何でそんな事に。ああ。森に居るポイズンモスやポイズンバタフライの討伐で儲けが出るようにか」


 「はい。冒険者にポイズンモスとかの間引きを御願いしたい時に、安く毒治療薬を提供する必要があって」


 「だったら、クラリスさんは村にとって重要な人だと過剰なくらいに護衛を付けるべきだったのに。

  薬師が居なくなった結果、毒の鱗粉をまき散らす魔物の数を減らせず、村人の内、弱い赤ちゃんや老人が毒状態になるまで悪化する事になってしまった、と言う事みたいですし」


 そう言うと村長の一派は黙り込んでしまった。


 なので「なら彼女からの依頼は、この村の人に薬学スキルを取得させるって事になるのかな」と先程ラファエラに提示した依頼内容をもう一度提案する事にした。

 主人公は、順調にイベントを進めている様です。

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