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第15話 ボス戦の戦利品

 主人公は、ボス戦を呆気なくクリアし、その戦利品を得ました。

 その中身は。

 初めてのボス戦を終えた。


 ゲームではなく現実だから、と言う事で十分に準備していたから楽勝だ。


 始まりのダンジョンでは、他のダンジョンと異なりボスや中ボスを倒すと、そのボスの死骸が世界の理により宝箱になり、多くの戦利品が手に入る。


 プレイヤー一人の為の世界であったゲームと、異世界の現実が同じかどうかは不安だったけど、ここは同じだった。


 その事にホッとしつつ、今後の運命を決めそうな事を確認する事にする。


 と言うのも、ボス等を倒した後に発生する宝箱の中にはとても重要なモノが入っている事があり、特に始まりのダンジョン初級では成長の宝玉と言う成長の加護が取得出来る最重要マジックアイテムが手に入る。


 その力は獲得経験値2倍から10倍と幅があり、ゲームだとこの数値次第で初めからやり直していたんだけど。


 ステータスウィンドウを開き、スキル一覧の欄にある成長の加護を凝視すると、取得する経験値を10倍にするとの効果が表示される。


 ……。


 あれ?


 そうなんだ。


 と言うか、これも現実とゲームの違いなのかもな。


 やり直しが出来ない現実だから、10倍にしてくれているのかも。


 だとしたら、これからも一気に行けそうだ。


 そう考えつつ、次の宝玉も使う。


 簡易転移の宝玉。


 転移スキルの宝玉ではない。


 これもスキルではなく、加護になる。


 これを一個取得すると最大10か所に『場所指定』が可能となり10か所にパーティで転移が可能となるゲームの為の力とも言って良い加護なんだけど。


 これも重要な力だ。


 すると、成長の加護の時は無かった、使い方の説明メッセージが目の前に表示されたり脳内へ音声の様に情報を伝えてきたりする。


 ゲームとの違いは、簡易転移と念じると表示されるマップから場所指定をしてある場所を選び簡易転移ではなく、確認又は簡易転移を選択し、確認の場合は場所指定をしている場所が安全かどうかと言った状況を視覚で確認できると言う点か。


 この簡易転移の宝玉は、成長の宝玉とは異なり、中級や上級のボス戦の後に発生する宝箱からも入手でき、それを使用すれば場所指定の上限がその度に10か所ずつ増える。


 なので、早く中級も攻略したいところだ。


 次は、神酒か。


 これを武の神、魔法の神、聖なる神又は全知の神の神像に捧げると、捧げた人にその神に対応する才能が付与され、捧げるまでは転職出来なかった基本4職に転職出来る様になる。


 つまり、俺ではなく、仲間の強化の為のアイテム。


 中級で2個、上級で3個手に入るけど、他では手に入り辛いアイテムだからな。


 よく考えて使わないと。


 次は、魔晶石。


 Cランクが2個と言う事は、60000GAZUのお金になる。


 錬金術師になり錬金術スキルを取得すると、魔物が落す魔石から不純物を取り去り、純粋な魔力の結晶とする事で造れるのだけど、これは換金性の高いと言うか通貨代わりにも使えるアイテムになる。


 と言うのも、魔石と違って内包する魔力が一定である為か値段が一定であるから。


 更に、魔石同様に各種魔道具の燃料になるし、高性能の魔道具だと魔晶石でないとその魔道具の寿命を縮めるので、必要とされることの多い資源なので。


 しかし、あのボスを倒して60000GAZU。


 約60万円相当か。


 命が掛かっているから、安いのか高いのか良く分からないな。


 最後に、エリクサーⅢ(グレード3)が3本か。


 エリクサーは、HP,MPを回復させ、各種異常を治療し、体の欠損まで再生してくれる、神の薬と言ってもいい魔法の薬。


 ゲームだと、HPとMPと各種異常ステータスを回復出来る魔法薬で、体の欠損の再生についてはイベント・クエストで他人に使った時だけ、と言う風に表現されていたか。


 小さめの透明な強化ガラスのビンに入っているが、グレード3だから、これ一本で腕の肘から先程度が再生できる筈だ。


 現実であるこの異世界では、非常に有難い消費マジックアイテムだろう。


 まあ、魔法薬師になれば造れる様になるが、それは先の話だしね。


 そして、最後が従魔の卵。


 この世界には、魔物使いと言う職業があり、それに転職すると魔物使い学と言うスキルが取得出来る。


 そのスキルにより魔物に対し従魔化が行え、魔物を支配下に置く事が出来る。


 まあ、ゲームだと決まった魔物だけだったけどね。


 しかも、竜だと竜使い学と言う別のスキルが必要だし。


 しかし、従魔に乗って移動とか可能だし、欲しい力ではある。


 でも、魔物使いへの転職はそれなりにハードルが高いので、中盤以降にならないと魔物使いになる事が出来なかった。


 しかし、それだとペット好きのユーザーを確保しにくいとの意見からペットとしての従魔を実装と言う事で作った、と設定集に解説されていたマジックアイテム。


 この卵を使用すると念じると、従魔が生まれ魔物使い学と言うスキルが無くても、その魔物が従魔となる。


 しかも、本来なら魔物使い学がランク3にならないと出来ない従魔影収納に代わる、従魔影侵入と言うスキルが使える特別な従魔なんだよな。


 ……、使ってみるか。


 でも、村での生活だと従魔って殆ど見た事ないんだよね。


 ゲーム内だと、王都まで行けば冒険者ギルドに居るNPCキャラが従魔を引き連れていたりしたか。


 でも、ゲームでも特別な従魔は主人公しか引き連れていなかったし。


 ……、まあ、従魔影侵入があるから大丈夫か。


 異世界の現実とゲームとの違いが怖くはあるが。


 でも、成長させれば役には立つし。


 まあ、魔物使い学のランクを上げないと進化は出来ないから、当分強くは出来ないだろうけどね。


 と色々な事が頭をよぎったが、思い切って従魔の卵を使ってみる。


 『従魔の卵を使い、従魔を生まれさせ従魔契約をしますか? はい/いいえ』


 と目の前に表示されるので『はい』を選択と意識する。


 すると手に持っていた卵は光はじめる。


 さて。


 ゴースト系なら壁ぬけが出来る斥候系の魔物が、フクロウ系なら感知能力の高く移動力のある魔物が、スライム系なら変幻自在に変形し多くの物を溶かし吸収する魔物が従魔となる。


 そう期待しながら光が収まるのを待つの、目の前に居るのは。


 「メェ~」


 あ~。


 スモールシープ。


 小型の羊の魔物。


 期待したのと違ったか。


 そう少しガッカリしていると「メェ~」と悲しそうに泣かれてしまった。

 主人公は、羊系の従魔を手に入れた様ですが。

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