第146話 地下三階
主人公達は、聖魔法の浄化の使い勝手を試したりして、地下2階の探索を終え、地下3階へと向かっています。
聖魔法の浄化や範囲浄化は、純粋な攻撃魔法である火魔法とかに比べると、マルチロックオン自動追尾と言った機能が無い。
使い勝手は悪いが、使う人次第ではあるか。
少なくともゾンビ系や死霊系の魔物には、馬鹿みたいに効果がありそうだし。
そんな確認をしながら地下2階の宝箱を全て回収し終えた。
次はと地下3階に向かいながら、3人に魔物の説明をする。
「地下3階に居るのは、ワイトとマミー。
死霊と死体の魔物と言うのはファントムとグールの居た地下2階と同じなんだけど、EランクからDランクになっている事からも分かる通り、強くなっている。
死霊系の魔物について一度一通り説明すると、Gランクのレッサーゴーストが、白っぽくて胸から上かなって感じの半透明の魔物。
Fランクのゴーストが、白っぽくて半透明で人かなと言う形の魔物。
Eランクファントムが、白っぽくて半透明でマントを纏った感じの人型の魔物なんだけど、Dランクのワイトになると黒っぽくて半透明でマントを纏った感じの魔物になる。
ちなみに、ワイトの上にCランクのレイスと言う死霊系の魔物も居るけど、黒っぽいのは同じだけど、ほぼ実体に見える程の存在になっている。ちなみに、ここのボスはレイスだから。
また、これまでは、実体化した爪や最低ランクの魔法で攻撃して来ていたけど、ワイトになるとLV1でもランク2から3の魔法を使う様になる」
この階層に大量に居るワイトはDランクの魔物だし、Cランクの死霊系ボスも居るから長文での説明になった。
「と言う事は、ワイトは誘導が可能な矢系や攻撃力の高い槍系の魔法も使えるんですか?」と、クラリッサが起こりうる危機を予想したのか、険し目の表情で確認してくる。
「そう。魔法を使う系統のDランクの魔物だからね」
「死体系魔物でDランクのマミーも厄介なんですか?」とクラリッサが引き続き聞いて来るので説明する。
「ああ。素早さがそれなりに高くなり、相変わらずの丈夫さでダメージを問題にしない魔物として厄介になる」
「浄化は効きますよね」とクラリッサが念の為と言う感じで聞いて来る。
「効くよ。でも、大量に全方位から襲われたらどうする?」
そうクラリッサに質問をすると「範囲浄化を上手く使うのでは、失敗があったら対処しきれないかもしれない。と言う事は、槍系の魔法で魔石を破壊するんですね。それで、魔石のランクが下がるとしても」と的確に正解の一つを言ってくれた。
「まあ、そんな感じ。勿論、数が少ない時や接近されるまでとかなら、浄化で倒せばいいんだけど」
「そうなんですね」と言いつつ、クラリッサは状況を想定している様だ。
「後は、ワイトもマミーも動きは今までと比べて動きが速いから、混乱せずにキッチリ対応してって感じかな」
「敵の事を知るって大事よね」と、今度はマドリーンがしみじみと言う感じで言って来る。
その発言で、俺も知っておきたい事と言うか知っておくべき事があったと思い出し「ああ。そう言えば勇者候補と魔王の狂乱について書いてある本については進展があった?」と三人に聞いたのだけど。
「昨日は時間が無かったから。次の自由時間に探してみるね」とのマドリーンからの返答。
取り敢えずこの大陸の国々をまわる事を優先しなければならない俺は「お願い」と、マドリーンにお願いしておいた。
地下3階に到着し、先ずは隠れたまま、ワイトやマミーに攻撃してみる。
浄化や範囲浄化は一撃で。
火槍、氷槍、石槍は、マミーの魔石を狙うと一撃だ。
ワイトも、胸の辺りの魔力が濃くなっている部分を狙うと一撃で倒せる様だ。
火矢、氷矢、石矢は、マミーの丈夫さに負ける様で一撃で魔石を破壊できず、数発撃ち込む必要が。
ワイトも、一撃では倒し切れない様で、数発魔力の濃くなっている処を攻撃して、倒せると言う感じだ。
接近戦も試すかと、魔法武器スキルを使い、浄化の魔法を剣に宿らせて切ると、やはり効果が高い。
マミーは簡単に一刀両断に出来る上に、切った部分から更に浄化の力が侵食していく感じで、攻撃力がかなり高くななっている様だ。
ワイトは魔力の濃くなっている弱点かなって所を攻撃すると、あっさりと戦利品になってくれるし、同じように浄化が侵食していくから、多少急所を外しても一撃で倒せる様だ。
試しに火槍もミスリルの剣に宿らせてみたが、マミーは多少切り易くなったかな、程度。
ワイトは、弱点を正確に斬りつけても数回切らないと駄目だった。
火魔法スキルランク4で使えるようになる火嵐での広範囲攻撃は、マミーに対しては威力不足で燃えながら襲って来るのを聖魔障壁で防ぐことになったが、ワイトは倒せている。
ランク5の業火を使用すると、マミーも超高熱で灰になり、全滅させられたが。
主人公は、Dランクのゾンビ系及び死霊系の魔物をキッチリ倒している様です。
残ったのはボス戦でしょうか。




