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異世界とゲームは違う様です。~やり込んだゲームに似た異世界で生き残りたいのだけど、ゲームと違う事が多過ぎて困っています~  作者: 下見野大
第3章 二つ目の致命的な違い編

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第142話 皆への質問

 主人公は4つ目の始まりのダンジョンへと行きました。

 そこで自分と同じ勇者候補が死んでいた事実と向き合う事になります。

 4つ目の始まりのダンジョン中級のボスを倒し、戦利品を回収し皆の処にいったん戻る事にする。


 借りている宿の地下倉庫へと簡易転移すると、3人が居る。


 まあ、転移前の安全確認でも居るのは確認していたんだけど。


 「どうしたの?」


 そう俺が聞くと「ヨシマサちゃんが遅いからでしょ」と、また怒られる。


 まあ、そうだよね。


 でも、聡いマドリーンは俺の表情を見て何かあったと悟った感じで「話はあとにして、食事にしようか」と、直ぐに機嫌は直ったけどね。



 彼女達が、食堂から持ち帰りで宿に持って来ていた食事を4人で食べる。


 メルも影から出て来てもらった処、今日はクラリッサに捕まり、その膝の上で食事中だ。


 食事を食べながら「何かあったの?」とアリーサの方が聞いて来た。


 心配そうな顔で聞かれると、話さなければならない気がしてくるが、話して良いのだろうか。


 いや。


 彼女達に聞きたい事もあるし、話すしかないか。


 「早朝のマラソンでワニス王国の始まりのダンジョンへ行ったのだけど、その前にその近くのソリア村を感知スキルで探索したんだ。勇者候補がいるかどうかを確かめる為に。

  そうしたら、勇者候補の居る筈の家の畑で、心配そうな気配を纏った人が畑の水やりをしていてね。

  これは、この村には勇者候補が生まれているって確信したんだけど。でも、調べた限りだと勇者候補が村を出立したって感じではないな、と思ったんだ。

  だから、慎重に始まりのダンジョンへ行くと、俺がしていたように通路に布団とか食料が置いてあってね」


 「そ。それじゃあ、勇者候補と戦ったの?」と、マドリーンは不安そうに眉をひそめながら言って来る。


 「いや。幼馴染が心配そうにしていたから、まだ中級がクリアできずにいるか、それともどこかで魔物にやられたか、って感じだったから、まず確認の為上級の地下一階へ行くと、まだ宝箱があってね。

  これなら、現状俺の方が強いと確信してから、中級へ行ったんだ。

  すると地下1階及び2階には宝箱が無くて、3階に行くと半分程度宝箱が残っていてね」


 そう言いながら3人を見ると不安そうにしているし、アリーサは緊張し唾まで飲み込んでいる。


 俺がここに居るんだから、そんなに不安に思わなくてもいいのにとも思うが、俺が善良な人を殺した可能性がある事が不安なのか。


 なら、早く安心させないと、と思いつつ話を続ける。


 「その3階の通路の途中に不自然に宝箱があって、その近くに強くなったゴブリンナイトとゴブリンアサシンの気配があってね」


 そう言うと、眉を顰める3人。


 ゴブリンアサシンは厄介だって、もう知っているしね。


 「そいつらを倒す前に、幾つか宝玉を使わせてもらって、万全の態勢でと思いつつ戦ったけど、結構苦戦した。

  簡単に言うと、レベルが上がっていたゴブリンナイトの方が、剣や盾でこちらの槍系攻撃魔法をはじき返す上に、魔物や魔族が使える邪魔法の邪魔障壁を使える様で、こちらの魔法攻撃は防がれ、ゴブリンアサシンの方は、俺の感知からも隠れられる隠形の力を持っていた」


 「そ。それって。でも無事に帰ってきているんだから」とマドリーンは少し青い顔になったかと思うと、状況を理解し目で早く先を話せと言う感じの圧力をかけて来る。


 「聖魔障壁と風の護りで自分の身を守りながら、火魔法ランク5の業火インフェルノでゴブリンナイトを攻撃すると2匹とも邪魔障壁で業火はダメージを与えられない。

  でも、業火により見えなかったゴブリンアサシンをあぶりだせたんだけど、なら、邪魔障壁を破壊しようと爆裂火槍を撃ち込んでも破壊出来なくてね。

  そんな風に、意識が別の方へ行ったタイミングでまたゴブリンアサシンは見えなくなったんだ。

  だから、防御をシッカリしながらゴブリンナイトの方を先に倒そうと意識をそっちに持っていくと、俺の風の護りを剣で破壊しようとゴブリンナイトがしてきたから、風の護りとその内側に張っていた聖魔障壁ごとぶつかって吹っ飛ばしたら、奴の邪魔障壁が消えたと感知出来たので、火槍を撃ち込んで倒した。

  後は、邪魔障壁が亡くなった筈のゴブリンアサシンは見えないままだったから、その直後に強化した業火で倒して勝つことが出来たんだ」


 「そっか。風の護りも使ったって事は、風魔法の宝玉を使ったんだね」


 「ああ。2個ね。他にも、剣技を2個、土魔法と光魔法の宝玉を1個使ったんだったかな。それで、あのゴブリン達が強くなった理由だけど」と言いつつ、3人の表情を確認していると。


 「始まりのダンジョンでは、レベル1の魔物だけと言う話でしたよね」と、クラリッサが始まりのダンジョンでの前提を言ってくれたので話を続ける。


 「そう。あのイレギュラーは、勇者候補を倒し経験値を得て強くなった個体、と言う事だと思う」


 「そ。そんな」とマドリーンは知らない勇者候補の話しなのに辛そうな表情をしている。


 そして、何も発言しないアリーサもクラリッサも、複雑そうな表情になっている。


 ただ単にマドリーン達が優しいと言うだけでなく、俺以外の勇者候補も彼女達にとっては世界を救ってくれる希望と言う事なのだろうか。


 そう思うと寂しくもあるが、俺が死んだ後まで彼女達の人生を俺が拘束してはならないから、それには触れずに話を進める。


 「で、不自然に通路にあった宝箱を空けると、成長の宝玉、簡易転移の宝玉、神酒、ミスリルの剣、ミスリルの盾、魔獣の革鎧がワンセット入っていた」


 「そ。それって……。そっか。そうなるのか」と、マドリーンはその戦利品になる状況を理解したようだ。


 「多分ね」と勇者候補が死んだ場合に発生する宝箱だろうとはハッキリ言わなかったけど、皆はそう理解しているだろう。


 そして「それで、残っていた宝箱を回収し、中級のボスを倒して帰って来た。念の為に初級のボスも倒して宝箱が発生するかどうか確認したけど、出なかったね。

  それで、皆に聞きたいんだけど、勇者候補を待っている人に死んだって伝えた方が良いかな?」と、本題の一つを聞くことにした。

 主人公は、何故死んだ勇者候補の事を待っている人達に伝えようと思ったのでしょうか。

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