第13話 魔力操作スキルと斥候系スキル
主人公は効率よく強くなる為に、基本4職全てでLV11になる事を目指すようです。
その過程で手に入れた火矢と言う魔法。
便利な力なので、それに頼る様です。
新たに得た火矢と言う魔法をメインにして、始まりのダンジョン初級地下二階に居るゴブリンとスケルトンを倒していく。
魔物の弱点と思われる場所に自動でロックオンしてくれるし、ロックオンした場所の変更も念じる事で簡単にできるし、撃ち出した後は自動追尾してくれるから楽だ。
あっという間に魔法使いでLV11になり、更に火魔法の取得を選択し、火魔法スキルをランク3にする。
それで、信者に転職。
すると、次のメッセージが目の前に表示される。
『スキルを取得します。
取得可能スキルは、傷治療魔法、異常治療魔法、杖技です。
一つ選択してください』
『ゲーム通りだ』と異常治療魔法をまずは選択。
異常治療魔法Ⅰを取得した。
これで、自分で治療が可能な状態なら、精神異常状態も状態異常状態も治療できる。
まあ、ランクが低いので強い異常には効果が無いけど、始まりのダンジョンの初級であう異常状態なら大丈夫だろう。
傷治療の方にしなかったのは、今の処傷を負っていないから。
火矢を使いながら、ダンジョンを回っていると、横長の宝箱。
槍でふたを開けると、鋼鉄の斧Ⅱだ。
それを格納箱に入れ、更に火矢でスケルトンとゴブリンを倒していくと、今度は小さめの宝箱。
これはあれだな、と槍で宝箱を開けると、やっぱり宝玉。
直ぐに使うと、魔力操作の宝玉だった。
これで、魔力の操作が上手になり、魔法を大きく変質させられる。
なので、火矢を粘着燃焼タイプにしたり、爆発タイプに変えたりも出来る様に。
魔力操作スキルが無くても、思念により強い魔法をと指定すると多めにMPを消費する事で威力やスピードをあげられるのだけど、爆発とか、粘着とか、高温化と言った明確なカスタマイズが出来る様になったのは大きいだろう。
まあ、強化・変質させると使用するMPが増えるから、この辺の魔物には使わないだろうけどね。
でも、と『爆発』とイメージしてゴブリンに撃ち込むと、頭が吹っ飛んだ。
うん。
怖いね。
しかも、やっぱりMPの消費が多い。
これをメインにすると、8時間で0から最大MPまで回復する設定又は世界の理であるMPの自然回復では、MPが不足するかもしれないし使用は控えようかな。
グロイし。
まあ、今の戦闘の頻度だと大丈夫だとは思うし、グロさにも慣れないと駄目だけどね。
そう言えば、ゲームはただのVRゲームだったから、思念操作とかは無かった。
だから、事前に各魔法のメニューから強化した魔法を設定し、それを攻撃時に選択して使用していた。
思念・イメージによる変更により魔法を変化させられるのもゲームと現実の大きな違いかも。
遅ればせながら、そんな事にも気が付きつつ、信者でLV11になりスキル取得の選択を迫られたので、傷治療魔法の取得を選択。
これで、軽い怪我なら即時の治療が可能だ。
軽い怪我を心配する必要はなくなったから、また近接戦闘も練習するか。
そう思いつつ、斥候に転職。
『スキルを取得します。
取得可能スキルは、感知、偽装、罠解除です。
一つ選択してください』
とのメッセージ。
遂にここまで来たか。
と、感知スキルを選択する。
感知スキルは、複合能力系のスキルだ。
待ちに待ったスキルだけど、焦らずスキルを教育モードにして一通り説明を受ける事にする。
すると、やはりゲームとは違う点がありそうか。
そう思いつつ、感知スキルに付いて細かい点を確認していく。
感知の魔力を使いこちらから調べに行く『探索』。
相手から向けられているモノを感知する『察知』。
そして、周りの地形を感知しそれを2D又は3Dで表示できる『マップ』機能を持つ超便利なスキル。
しかも、一度通った事のある場所については、それを記録し保存もしてくれるマップ作成・保存機能も。
なお、ランク1で詳細に感知出来るのは、気配、罠。
半径1メートルから最大1キロまで。
マップ作成については、地下とか、水中とか、森の中とかだと、能力は下がるし、ランク1では範囲数メートル程度しか自動作成されるマップに記載されない等、マダマダだけどね。
まずは常設の『察知』と『探索』の力を起動し、3Dマップを目の端に表示させる。
3Dマップと言っても表示してくれるのは既に把握している場所だけ。
だけど、マップを把握していない地点の敵についても気配の感知によりおおよその位置は把握できるし、マップに調べ漏れがない事も確認できるし、迷子になる事も無くなるか。
もっとも、感知スキルの探索で使われる感知の魔力は、マップの自動作成と同様に水や土を透過しづらく水の中や地中のモノは極近くのモノしか感知出来ない。
木なんかも感知対象なので、森の様に沢山木がある所は感知漏れもある。
また、複雑な地形とかだと意識して感知の魔力を操作しないと、地形に邪魔された結果、感知漏れが多く出る。
他にも、家の中とか地下室とかは、意識しておくか余程強く感知の魔力を送り出さないと感知出来ないんだけど、まあ、感知される方からすれば、それでも嫌な力かもね。
ゲームだと、マップの自動作成と一定範囲内の2D又は3Dマップ表示をし、そこに『漏れなく』敵や味方を表示してくれるスキルだったんだけどね。
そうゲームとは違うスキルの力についてスキルに教わりながら、感知メニューを起動し、常設の探索範囲を50メートルに設定してMPを消費し過ぎない様に調整し、感知した魔物の討伐に向かう。
ちなみに、スケルトンに槍の打ち下ろしを試してみた処、魔石を直接破壊しなくても、致命傷と言うか破壊状態に出来る様で、魔石のランクや質を下げない形でスケルトンを倒せることも判明。
それを確認した後は、作業と言う感じで火矢や槍の打ち下ろしによってゴブリンとスケルトンを順次倒していく。
感知スキルの探索とマップ機能は魔物の討伐のスピードが上がる能力で、本当にありがたい。
なので、直ぐに斥候LV11になる事ができ、次は偽装スキルを取得する。
このスキルも複合能力系のスキルで、偽る、紛らわせる、隠すの3つの機能が一つになっている。
ゲームだと、イベント時に別人になる事が出来るスキル、称号なんかを隠すスキル、世界に紛れたまま移動する事により魔物に出会い難くするスキル、世界に紛れたまま移動する事で敵とのエンカウント時に必ず先手を取れる様になるスキルだったんだけど。
現実だと、結構怖いスキルなのかな。
この世界だとありふれている力の一つである筈なんだけど。
そう思いつつ、スキルから力の詳細な説明を受け、自分のステータスウィンドウを偽装し、他人からは未だに初心者のLV8に見える様に。
始まりのダンジョンでは、宝箱やダンジョンに罠が出て来るのは上級からだったので、罠解除はまだ取得しなくて大丈夫のはず。
さて、準備は完了かな。
主人公はダンジョンのボスを倒し、始まりのダンジョン初級をクリアする準備を終えた様です。