第128話 2つ目の始まりのダンジョン
主人公は、転移で移動できる場所を増やす為、他の国の状況や他の転生者の状況を確認する為、深夜から朝にかけて走り回っています。
それで、隣の国の始まりの村には転生者が居なさそうと確認し、その村近郊の始まりのダンジョンがある筈の場所に行ったのですが。
まさかな。
ゲームだと始まりのダンジョンは、スタート地点とした国にあるモノしか入れなかった。
攻略情報でもそうだったし、俺自身も試した事があるけど、入れなかったのに。
なのに、この異世界の現実では、入れてしまった。
入れるだけなら、大した差は無いか。
でも、もし、この国の始まりのダンジョンでも、宝箱から各種マジックアイテムが手に入るのだとしたら。
難易度と言うか、強くなる為の道筋と言うか、勇者候補同士の殺し合いで生き残るためにすべき事の優先順位が、全然変わってくるんだけど。
そう思いつつ、始まりのダンジョンに繋がる通路から始まりのダンジョン初級に向かう。
この国の始まりのダンジョン初級地下一階に居るのは、Gランクの魔物のファングマウスとビッググラスホッパー。
大ネズミと大バッタの魔物。
ネズミの場合、素早いイメージもあるが、このネズミの魔物はのそのそと動くタイプだから、楽勝。
まあ、Gランクの魔物だし。
そんな事を思い出しながら地下一階の宝箱を回収。
魔物は、道中で手間なく狩れる奴だけ狩った。
この階層で回収できた宝玉は、格納箱、火魔法スキルの宝玉。
他の宝箱は、鋼鉄製の武具を2種と、ゲームと同じだ。
それを確認し、直ぐに地下二階に降りる。
この階層の魔物は、Fランクのビッグリザードとゾンビ。
大トカゲの魔物と、弱めの人型死体の魔物だ。
ここでも宝箱を回収する道中に居る魔物を隠れたまま倒す。
この階層で手に入る宝箱から手に入れた宝玉は、鑑定、魔力操作、生活魔法スキルの宝玉だ。
……。
あのゲームには、色々なチートスキルがあったが、魔力操作スキルもその内の一つだ。
ゲームの時は、始まりのダンジョンで1個手に入れ、錬金術をきわめてスキル追加の宝玉を造り、その宝玉によりランク5以上にするのが、俺にとっては前提のスキルだった。
と言うのも、MPの管理の楽さが全然違ったし、ゲームでのフラグの一つでもあったし。
その上、仲間の強化アイテムでもあったか。
魔力操作スキルは、ランク1で魔法のカスタマイズの幅を広げ、単純に『強く』と言った強化だけでなく『爆裂』とか『発生高速化』と言った設定が出来る様になる。
なので、初期の頃のゲームキャラと仲間のNPCキャラとの差別化を図るスキルでもあったか。
ランク2で、魔力を有効的に使える様になり、魔力節減の効果が得られる。
ランク3で、更に魔力節減の効果が上がるだけでなく、自分の周りにある誰にも制御されていない魔力である魔素を支配し、自分のスキルに必要な魔力にする事が出来る。
つまり、魔力操作スキルのランクが上がると、スキル使用に必要な俺の支配下にあり貯めてある魔力であるMPの使用量を減らす事が可能となり、長く戦闘・狩りを続ける事や強力な魔法等の連発が可能となる。
まあ、流石に周りの魔素を自分のMPとして貯めると言った能力は無かったけど、それは魔力回復スキルがあるからだろう。
そしてランク4で、更に魔素を利用できる範囲が広まるし、魔力の節減効果も上がる。
それだけでなく、他人の支配している魔力にまで干渉が出来る様になる。
それは、他人や魔族や魔物のスキルを使用不可にも出来ると言う事だ。
まあ、勿論相手に抵抗されるから、魔力を感知出来ない相手にしか効果はない。
だけど、魔力が空気や筋肉の様に当たり前にあるこの世界では皆が認識しているから、ランク4ではほぼ無意味な力だと言う設定だった。
だけど、それがランク5になるとEランク以下の魔物及び3級職の人、ランク5.2でDランク及び4級職、ランク5.4でCランク及び5級職、ランク5.6でBランク及び6級職、ランク5.8でAランク及び7級職に、ランク5.99でSランクにまで干渉できる。
干渉と言うか操作と言うか魔力支配だね。
勿論、上のデータは目安。
と言うか、支配できる可能性がある、程度かな。
魔力操作スキルのランク及びグレードが5.99になってもDランクの魔物のスキル使用すら妨害できないと言う事もあるからだ。
他にも、ヒロインを通じて敵対する人族のNPCキャラも、相手のステータスが高いからか魔力操作スキルとかを持っているのからか全く妨害できないしね。
と言うか、ダンジョンのボスとかイベントの敵とかには、100%効果が無かったかな。
だから、戦闘画面でスキル使用の選択肢に出て来る魔力操作の魔力支配の選択肢は殆ど使わなかったな。
異世界の現実だとどうなんだろう、とは思うが。
また、魔力操作スキルはゲームにおけるフラグの一つになっていて、依頼によってはある程度高くないと失敗とかあった。
なんでも、魔力操作スキルのランクが低いと、敵にスキルの使用を封じられて逃げ帰る事になり、依頼失敗となる、だったかな。
でも、必須のクエストとかイベントではランク1あれば問題なかったし、ランク2以上必要なクエストなんて、無視していい十数個程度のクエストだったか。
まあ、ゲームでの俺としては、魔力操作スキルのランクを上げると、スキル使用に必要なMPをどんどん減らしてくれるので、そう言う意味で必須の力と言う方が、俺の実感なんだけどね。
極端な話、利用できる魔素の多いダンジョンとかでMPをあまり使わないスキルの場合、自分のMPを全く消費しないでスキルを使用出来たりするから。
まあ、人によって意見が違うかもしれないけど、俺から見ればそれは必ず手に入れたいチートな力。
そう言えば、ゲームのイベントで魔力操作スキルを持っていない仲間のキャラが魔力阻害装置の影響下でスキルが使えない状況でも、魔力操作スキルのお陰でスキルが使えたりとかもあったか。
そんな力ではあるんだけど、拘ってと言うか手間が面倒で、ランク1のままクリアする人も居るって話だった。
そんな事を思い出しつつ、魔力操作スキルの宝玉を使う。
勿論、3人に使ってもらう事も考えたが、成長の加護を持つ俺が使い、魔力操作スキルの効果により多くの魔物を倒せるようにすべきとの判断だ。
と言うか、他の勇者候補との戦いの時に、切り札の一つになるかもしれないし、そうなると死を回避できる力になるかもしれないから。
そして、始まりのダンジョン初級のボス。
オークも火弾で瞬殺。
さて、宝箱は出るのだろうか。
出たとして、その中には成長の宝玉は有るのだろうか。
あれば、今後の方針は全然変わる。
勇者候補同士で、殺し合いをしなくても強くなる方法があるんだから。
そんな事を考えながら、また『ドクン、ドクン』と緊張から聞こえる様になった心臓の音を聞きながら待っていると、宝箱が発生。
罠の有無を一応罠解除スキルで確認して開けると中には成長の宝玉、簡易転移の宝玉、神酒、42323GAZU、エリクサーⅡ8個、従魔の卵だ。
成長の宝玉をユックリ手にして『使う』と念じると、確認メッセージが出るので『はい』を選択すると俺が光に包まれる。
『使用できないのでは』とか心配したが、俺の力になってくれた。
ステータスウィンドウを開き、スキル一覧の中にある『成長の加護』を注視すると表示される説明文には、経験値の取得を14倍にしてくれるとの文字が。
……。
これは、方針をかえないと駄目かも。
そう思いつつ、簡易転移の宝玉も使い簡易転移先として指定できる場所指定の最大数を20から30に増やし、他の宝は亜空間収納に入れて、先を急ぐことにした。
主人公は、ゲームと異世界で決定的に違う点に気が付いた様です。
これにより、今後の主人公達の行動が変わりそうですね。




