第125話 上位ゴブリンと女性達の戦い
主人公達は、始まりのダンジョン上級地下2階で上位ゴブリン達を倒しまくっている様です。
その際、主人公には気になってしまった事があるようです。
始まりのダンジョン上級地下二階での戦闘。
過保護すぎるかなと思いつつも事前に色々と説明し、隠れたままの攻撃で殲滅していく。
すると、その殲滅の気配を感じたゴブリンアサシン達が、俺達に気が付いて向かって来たので、彼女達にも戦わせてみる。
勿論、俺も手助けしながら。
それで、問題なく上位ゴブリン達を倒せたのだけど。
「ヨシマサちゃんが居れば、多少イレギュラーがあっても勝てそうだけど、私達だけだとどうなのかな?」と、マドリーンが不満そうに言ってくる。
ここでも戦闘を経験しておきたい。
そういう事なんだろうな。
そう思いつつ「どうだろうね。3人だけで戦ってみたいって事?」とストレートに聞いてみたのだけど。
「……、そうだね」と、少し迷っている感じだけど、覚悟を決めた感じだ。
だけど……。
俺達を感知したゴブリンアサシンの雰囲気は、何時もと違った。
正確には俺一人の時と雰囲気が違い、興奮状態だった。
あれって、女性の気配を感じて発情していたんじゃないよな。
だけど、ゴブリンナイトと言ったアサシン以外の上位ゴブリンも皆を視界に入れた途端、雰囲気が変わったんだよな。
あれも発情だった気がする。
この世界のゴブリンは、異種族の女性に自分達の子供を産ませる事が可能だ。
単純に玩具にすると言うのもあったか。
なのに、彼女達を前面に押し出して戦わせても良いのか。
だけど、今ここで皆にそれを言うのも。
いや。
言った方が良いのかな。
まあ、ここにいる上位ゴブリン位ならもう俺一人でも対処できる。
その上、それなりの戦闘力になった3人が居るから大丈夫か。
俺がしっかり守れば何とかなる。
と言うか、ゴブリン系の魔物は世界中に腐るほどいるから、戦闘を避けるなんて出来ないだろうしな。
ここでも、ゴブリン戦を経験をさせておいた方が良いだろう。
そう決断し、皆の意見を尊重する。
「じゃあ、俺は隠形で姿も存在も隠しているから、頑張って。
ああ。聖魔障壁をクラリッサが張るのか、アリーサが張るのか、臨機応変に行くのかくらいは考えておいた方が良いのかも」
「うん。その辺は、マサヨシ君にフォローしてもらいながら、私達だけで戦ってみるよ」とアリーサがやる気になっている。
その返事を聞いて、マドリーンとアリーサの武器を魔法戦闘の為にミスリルの槌からミスリルの杖に交換。
「皆を隠すのは止めたから注意してね」と忠告してから全員に掛けてあった偽装スキルの隠形を解除し、俺だけ隠形で皆の前から消える。
いや。
マドリーンの風探知魔法からは逃れられていないかも。
そう思いつつ、マドリーンを見ると目があってニッコリ笑っているし。
やっぱり、感知されている状況から消えると言うのは難易度が高そうだ。
次の角を曲がると、ゴブリンナイト9、ゴブリンアサシン3、ゴブリンハイメイジ4,ゴブリンハイプーリストが居る。
そう思いつつ、先に進んでいると、ゴブリンアサシンが反応。
周りの上位ゴブリンと情報を共有し、隠形で隠れながら、こちらに突っ込んでくる。
やっぱり、発情している気がするけど、風探知をしているマドリーンは気が付いていないか。
隠形で隠れているつもりのゴブリンアサシンが、曲がり角から飛び出してくる前に風槍を発生させて撃ち込み、マドリーンがアッサリ倒す。
風槍は、スピードも速いし臨機応変に軌道をかえられるから、ゴブリンアサシンに対し相性がいい様だ。
その上、ゴブリンの弱点を認識し、そこにキッチリ魔法が撃ち込まれている。
俺も高ランクの風魔法欲しいかも、と思いつつ隠れて見ていると、ゴブリン達が曲がり角から現れた処で、アリーサが石槍を打ち込む。
それで半数以上の上位ゴブリン達が戦利品に代わる。
感知スキルによると、今回は魔力操作スキル無しでも出来る強化である、MPを余分に消費して威力アップをした石槍の様だ。
アリーサと撃ち合う形になったハイメイジからの火矢と言った攻撃は、クラリッサが聖魔障壁で防いでいる。
残ったのを、またマドリーンが水槍で倒して、戦闘終了。
「なんか、さっきとほぼ同じになったね」とマドリーンが俺に声を掛けてきたので隠形を解除し、戦闘についての意見交換を始める。
「さっきよりは、少し進歩したけどね。
後、このダンジョンは、絶対と言えるかどうか分からないけど、魔物同士の殺し合いでレベルアップとかが無いから、ここ以外のダンジョンだとそこは注意した方が良いけどね。
特に大量に人を殺している個体とか、どれだけレベルが上がっているか、わからないしね」
「それって、そんなに違うの?」と、マドリーンはその辺の注意を受けた事が無い様だ。
「ああ。レベルアップした個体が居ると、風槍や石槍を避けられたり、耐えられたりするね」
そうゲームでも居た、レベルアップにより異常に強くなり、強化種と名称に追加された倒すのが面倒だった個体について思い出しながら言っておく。
「……、全然違うじゃん」
「他にも、アサシンだと風探索では感知出来なくなる可能性もあるし、ハイプーリストが魔法に対する障壁を張りこちらの攻撃を防いでくる可能性も出て来るし、ハイメイジが広範囲攻撃で攻撃してくるかもしれないし、ナイトが武器で魔法を撃ち落したりするかもしれない」
と、こちらはゲームでの情報だけでなく、俺なりの異世界の現実でならありそうな推測も言っておく。
「……、油断できないんだね」と、マドリーンはうんざりした感じ。
「そうだね。MPに余裕があるなら、ダンジョンに入ってからずっと聖魔障壁とか風の護りとかで自分達を護り続ける必要が有ったりするかもね」
「そう言うのは、冒険者ギルドとかで事前に勉強しておくのでしょうか?」とクラリッサが聞いて来る。
俺は、他にも何か良い方法が無いかなと思いつつも「そうだろうね」と返事をする。
俺も初心者冒険者として、先輩冒険者と一緒に任務を受ける等した方が良いんだろうな。
だけど、どのタイミングで、何処で教えをこうのが良いんだろう。
そう考えつつ「後はMPがどのくらい減っているかも、常に注意しておいた方が良いのかな」と、思い付いた注意点を言うと、3人は難しい顔をして考え込んでいる。
だけど「今は、このダンジョンの地下2階を制覇しながら、職業経験値を貯めよう」と言って、俺中心の狩りとマップ探索及び宝箱の回収を再開した。
俺が、ゴブリンナイト112匹、アサシン34匹,ハイメイジ28匹、ハイプーリスト31匹。
3人が、ゴブリンナイト34匹,アサシン16匹,ハイメイジ8匹、ハイプーリストを13匹倒した処で、全ての宝箱を回収。
得られた宝箱の中身は、アダマンタイトの槍Ⅳ、アダマンタイトの槌Ⅳ、ミスリルの杖Ⅳ、MP回復薬Ⅳ17個、エリクサーⅢ5本、魔晶石B24個、925323GAZU、土魔法の宝玉、風魔法の宝玉、剣技スキルの宝玉、槍技スキルの宝玉、鞭技スキルの宝玉、飛撃スキルの宝玉。
今日も無事に強くなれたか。
そう思いつつ、王都へと帰還する事にした。
主人公達は、今日はレベルの上がっていない上位ゴブリン達との戦闘だった事もあり、無事にダンジョン探索を終えた様です。




