第124話 始まりのダンジョン上級地下二階と錬金術スキル
主人公達は、始まりのダンジョン上級地下二階へと移動。
ここは、苦戦した事もあるゴブリンアサシンが居る階層です。
皆と一緒に来て大丈夫なのでしょうか。
始まりのダンジョン上級地下2階。
地下1階で戦うか地下2階で戦うか迷ったが、まだ宝箱を回収していない地下2階へと行く事にした。
そこに居るのは、上位ゴブリン達。
ゴブリンアサシンには、注意すべきだし、と皆に色々と説明をする。
そこで、感知スキルに敵に感知している事を気付かれない様にと指示し、更に偽装スキルの隠形を感知スキルに掛けて、感知の為の魔力を二重に隠していると言うと、マドリーンが偽装スキルに強い関心を抱いた感じ。
マドリーンも、風魔法の風探知で索敵をする予定だから。
なので「まあ、俺が偽装スキルの宝玉を造れる様になったら良いんだけど、あれは原料もなかなか手に入らないからな」と言うと、「原料って何なの?」とマドリーンが聞いて来る。
「Sランク以上の魔石か魔晶石」
「……、駄目じゃん」とマドリーンはアッサリ諦めた感じ。
Sランクの魔物となると、代表的なのは成竜。
まあ、危険無く倒せる人なんて、この異世界にも何人いる事やら。
ゲームだと、セーブ・ロードで死んだ事を無い事に出来たから、気にせず戦えたけど、現実となるとな。
だけど、Sランクの魔物を倒して魔石を手に入れると言う方法以外の方法もある、とゲームでも行った方法をマドリーンに教えておく。
「錬金術スキルをランク5にすると、Aランクの魔石10個でSランクに出来るよ。5.5にするとBランクの魔晶石100個をSランクの魔晶石に。5.99と最大まで鍛えると、Cランクの魔晶石1000個でSランクの魔晶石が造れるらしいし」
そう言うと、その辺の知識が無かったマドリーンが驚いた上で、次の様に言って来る。
「そ、そうなんだ。マサちゃんが錬金術スキルとスキル追加の宝玉に拘っているのが良く分かったよ」と、成程ねと言う感じ。
「ただ、あれはランクBの神像の祠の神像の元に行く必要があるからね」
「そっか。先は長いと言うか、大変そうだね」と、なんか遠い目をしているマドリーン。
そんなに先の話しじゃないんだけど、と思いつつ「そうだね」とマドリーンに同調しておく。
だけど真面目な話、俺が死んでも彼女達に残せるモノとして、彼女達が錬金術師へ転職出来る様にしておくべきだろうな、とも思った。
始まりのダンジョン上級の地下2階を皆と進む。
始まりのダンジョンは、魔物同士の殺し合いでレベルの上がった個体は居ないから、異常に成長し俺達が苦戦するような魔物は居ない筈。
だけど、油断せずに。
と言っても、マドリーンの風探知を感知するゴブリンアサシンも居なかったので、偽装スキルの隠形で隠れたまま、数匹から数十匹の上位ゴブリンの集団に隠れたまま接近し、槍系の魔法を撃ち込み倒す事の繰り返しだ。
まあ、宝箱を回収しながら、だけど。
すると、残念ながら懸念の通りになってしまった。
近くの上位ゴブリンの集団を倒された事に気が付いたゴブリンアサシンが、周りに知らせ、更に隠形で姿を隠す。
「マドリーン分かったよね」
「うん。3Dマップ上の点が半透明になっていると言う事は、隠れていると言う状態も感知出来ているんだよね」
「まあ、マドリーンの風魔法のランクは4.5だからね」
「でも、感知出来ない事を考えると怖いよ」と、マドリーンはまだ攻撃も受けていないのに、こういう敵と戦うと危険な事態になりかねないと実感したようだ。
まあ、俺と同じ様に感知の力を高めるか、常に全方位を守れる防御魔法を掛けられる様になれば良いんだけど、他に手段があるかな。
そう思いつつも、初めての事なので、混乱して不味い事にならない様に指示をしておく。
「ゴブリンアサシンは9匹いる。アリーサは認識できないからマドリーン一人で最初攻撃してみて。撃ちもらしたら俺が撃つから。
アリーサは、それ以外の上位ゴブリンを狙って」
「分かった」
そう2人の声が重なったかと思うと、マドリーンは、風の槍を9本発生させ、ゴブリンアサシンが、迷宮の角から現れると同時に撃ち込む。
ゴブリンアサシンは防御力が弱い。
代わりに、動きが素早いが、それは攻撃力が弱めだけど速く機敏に追撃する風槍とは相性が良かったようだ。
9匹は戦利品に代わる。
その後、迷宮から現れるゴブリンナイト18匹、ゴブリンハイメイジ8匹、ゴブリンハイプーリスト7匹。
アリーサが事前に発生させていた石槍を撃ち込み、その多くが戦利品に。
石槍は、スピードが遅いけど質量攻撃の要素が強く殺傷力が高いからね。
倒される前にゴブリンハイメイジから撃ち込まれてきた石矢や火矢は、俺がこちらの攻撃を通す設定の聖魔障壁で防ぐ。
まあ、過保護かもしれないけど、3人は頭も良いし、経験さえしておけば次からは自分達で対処するだろうし。
残念ながら、ゴブリンナイトは盾で防いだり防具で致命傷にならなかったりと半分程度しか倒せていないけど、腕が折れ曲がっていたり、頭に受けたダメージでふらついたりはしている。
指示しようかなと思った時には、マドリーンが水槍を発生させ全てに止めを刺そうとしていた。
上位ゴブリンが居る地下二階での戦闘も、主人公の事前説明により順調に行けそうです。




