第121話 魔物の大量討伐と戦利品
主人公は、特殊な構造の料理神の祠で戦っています。
食べられる戦利品を大量に得られるようですが、その数は千を超える様で、大丈夫なのでしょうか。
料理神の祠に入り、空を飛んでいたホーンチキンを攻撃すると、魔法の射程外に居たホーンチキンが鳴いた。
すると、祠全体の魔物が、こちらに向かって来る。
それを矢系攻撃魔法を使って倒し、世界の理により戦利品となった物を回収する事を続けている。
しかし、ゲームとは違って、地響きとか匂いとか空気の流れとか殺気とかにより、少しビビり気味になる。
まあ、後ろに皆が居るから逃げ出したりはしないけどね。
そんな事を考えつつ、ミスをしない様に気を付けながら、迫りくる魔物達を倒し続ける。
でも、目に見えてステータスウィンドウ内に表示されたMPの数値が減っていく。
ノーマルの矢系攻撃魔法や強化した矢系攻撃魔法で戦利品となってくれない個体も増え始めた。
何より、魔物が数百匹固まった集団が、こちらに到着しそうだ。
と言う事で「一度階段に下がるよ」と皆に声を掛けながら、可能な限り戦利品を回収し、階段へと戻る。
そして、階段を上り、階段まで追って来た魔物を根こそぎ倒しながら、偽装スキルの隠形を使用する。
ホーンチキンが俺達を感知しているのが、視覚によるモノなのか、臭覚によるモノなのか、聴覚によるモノなのか、探索スキルや探知魔法の様なモノかは、はっきりしていない。
だけど、自分の感知の力に置き換えると、祠の中から階段の方を感知するのは、少し面倒。
後は、前世の鶏は確か目が悪かったはずだけど、この異世界の鶏の魔物は、空を飛ぶ事もあり目が良い様な気がする。
他にも、匂いと音にも敏感そうだけど、階段まで戻れば感知しずらい筈。
だから、階段に入って来た魔物を倒せば、視線から外れるし、音等も伝わり難いし隠れられる筈、と階段まで後退し隠形を使ってみた訳だ。
すると、それが成功した様で、突然敵を見失ったと言う感じの魔物達の動きが止まり、しばらく佇んだ後、自分の縄張りに戻って行っている。
「何が起こったの?」とマドリーンが聞いて来るので。
「ああ。こういった相手の感知が及びにくい場所で、再度偽装スキルの隠形を使えば、敵である俺達を見失うと言うか、存在がどうでもいい感じになるのかな」
「そうなの?」
「多分、ホーンチキンの目視から外れ静かにしておかないと失敗するだろうけど、認識しずらい場所に行った存在がその気配を世界に紛らわせてしまうと、分からなくなるようだね」
そう説明すると「ふ~ん。それで、この後どうするの?」と、マドリーンの関心は次何をするかに移動したようだ。
「折角時間をかけて料理神の祠に来てみたんだし、3人で戦ってみる?」
「3人で?」と、マドリーンが驚いている。
そんなに意外だったのかな。
「そう。マドリーンとアリーサが魔法を使い、クラリッサがその魔法で倒せなかった魔物に止めを刺すって戦い」
「ヨシマサちゃんは?」
「俺はMPが3分の1以下になったからね。それを回復させながら戦利品を回収しながら、もしもの時に3人の援護かな」
「そっか。ならやってみたいかな。で、それは何」と格納箱スキルにより発生させた目の前にある黒い箱に手を突っ込んだままの俺に言って来る。
「ああ。格納箱から亜空間収納に物を移動させているんだよ。あれだけ倒せば800個なんてあっという間だからね」
「亜空間収納は、数の制限がないからか。ちなみに、亜空間収納の最大容量ってどのくらいなの?」
「え~と、ランク2だから縦50メートル横50メートル奥行100メートルの容量だったかな」
「……。何それ」
「それでも、油断すると一杯になりそうかな。
亜空間収納は、ランク2から時間経過による劣化が無いからね。
今日獲った肉とか、売らない限り当分亜空間収納に入ったままになりそうだし」
「それは、そうなんだろうけど。ちゃんと整理しなさいよ」と、マドリーンがお姉さんモードになり説教してくる。
「いや。今している様なもんだけどね」
そんな会話の後、階段内の傷んでいない戦利品を回収し、傷んだ物は生活魔法の洗浄で消滅させ、風魔法の風操作で換気をして臭いも消してから、皆と食事をして3人に戦ってもらう事にした。
主人公は、この場所での戦闘をマドリーン達にも経験してもらう事としたようです。




