第118話 料理神の祠についての考察と説明
主人公は、今日は料理神の祠にやって来ました。
料理神の像まで辿り着き、そこで寄進をして祈りを捧げれば料理士に転職可能になる祠。
ちょっと特殊な構造の為にゲームでは難易度が高かったので、様子見と戦利品集め、と言う感じの様ですが。
とりあえず「余裕をもって戦う為に、最初は基本俺が倒す」等と言うと「私達は戦わなくて良いの?」と、マドリーンは少し納得できないと言う感じで聞いて来る。
「切り札と言うか、もしもの時に対処してもらう形かな」
マドリーンは「分かった」と口では言っているが、あまり納得していない感じ。
だけど、現場を見れば納得するだろうと階段を降り続け、地下一階への入り口に到着し、ダンジョンに入る前に立ち止まる。
ここは特殊なダンジョン。
細かく説明するより実際に見てもらった方が良いだろうと連れて来たのだし、ダンジョンの様子が分かるここで色々と説明しておいた方がいいのだろう。
そう考えつつ、ゲームでの状況を思い出しつつ、感知スキルでの感知結果と照らし合わせていく。
やっぱりか。
この祠は、転職条件を得られる神像があると言う以外にも、明るいし、天上が高く鳥の魔物は飛んでいるし、壁と言った仕切るモノが無く、広い平原の様になっている。
つまり、見晴らしの良い地形だ。
だから、あの魔物に見つかると、この数キロ四方のダンジョン全てから、魔物が襲って来る事になるんだよな。
ゲームの時は千数百匹って表示されていたけど。
異世界の現実では、多分数が決まっていたゲームとは違っていて、倒したとしても時間が経てばダンジョンに満ちる魔素からまた発生し、無限に湧き続ける敵と戦う事になりそうなのかな。
それ以前の話として、ゲームでは、情報を確認しないまま侵入。
実は、会敵したホーンチキンに行動順が回ってくる前に倒さないと『ホーンチキンが魔物を呼び寄せた』ってメッセージが出て、強制的に超巨大な戦闘マップの中心へと強制移動させられると言う罠と言うか仕様。
そのマップでは四方八方から大量の魔物が湧き続け、延々戦い続ける事になり回復アイテム及びMPが枯渇。
一度に多数を攻撃する手段及び回復手段がなくなり、小さなダメージが累積し全滅又はリセットボタンを選択だったんだよな。
そこで、『偽装スキルの隠形により会敵する数を減らしつつ、奇襲の形でホーンチキンを優先的に倒せば大丈夫だろう』、なんて考えて挑戦。
魔物単体で考えると弱いから。
でも、神像に祈ったら魔物に発見された事になり、やっぱり超巨大な戦闘マップの中央に立たされ、結局MPP枯渇で全滅又はリセットボタンを選択、ってパターンだった。
せめてもの救いは、魔物の残りが993匹とか表示されていて増えなかった事だけど、さっきも考えた通りゲームと違って異世界の現実だと無限に魔物が湧き続け、戦い続ける事になるかもしれないからな。
まあ、ゲーム同様、マップの外に逃げ出せる状況を造れるだけの戦力を用意するか、全滅させられるだけの準備をしてくれば良かったのだろうけど、ゲームと異世界の現実と違いでどの程度難易度が変わるか分からないし、微妙なんだよな。
貯め込んでいる回復アイテムを大量に使えば現状でも行ける気もするけど、ひょっとしたら未だ無理かもしれないし。
と言う事で、ゲームと異世界の現実の違いを考察し、先ずは逃げ出す事が簡単な入り口付近での戦闘を試してみようと思っているのだけど、3人も不安そうか。
なので、逃げる方法なんかを説明する事に。
「ここに居る魔物は、ボスがCランクのビッククイーンビーで、そのボスにEランクのビックビーが護衛として付いている」
「数は多いの?」とマドリーンは真剣な表情で聞いて来る。
俺がとりあえず一人で戦う事にしている理由を説明し始めたと分かっているのだろう。
「お告げだと、護衛のビッグビーは、数十匹だったと思う。
感知スキルの探索結果だと114匹の様だね。
それ以外の魔物が、Eランクのホーンブル(角牡牛)、ホーンカウ(角牝牛)、ホーンチキン(角鶏)、Fランクのファングボア(牙イノシシ)、ホーンビッグ(角豚)だね」
「ここはCランクのダンジョンと言うか神像の祠ですよね。ならDランクの魔物とか居そうですが」
そう不思議そうにクラリッサが聞いて来る。
「Eランクでも数百匹集まればDランクどころかBランクの難易度になるって事。甘く見ていると死ぬよ」
そう言うと、皆不安になった様なので、対処の仕方を教えておく。
「この階段、広いけど魔物が数百匹突入してくるとどうなる」
「この広さの階段で魔法を使って倒していれば、対処できるって事」とアリーサが首を傾げながら確認してくる。
「そういう事。押し合いへし合いで、勝手に死んで戦利品になるのも居るだろうし、ワザと戦利品にしないで、足だけを破壊してバリケードにするとかね」とゲーム知識ではなく、俺自身の考えた戦法を言っておく。
「階段の途中まで引き付けて、マドリーンの風魔法の『竜巻』や水魔法の『水金槌』で一気に倒してもらったり、アリーサの土魔法の『土の壁』に硬質化を掛けて階段の入り口に壁をつくったり、俺とクラリッサで近接戦闘職の壁をつくりながら後退したり。
今の自分の力で何が出来るか考えておいた方が良いと思うよ。
まあ、階段で大きな音を立てていると、上で祠の入り口を監視している人達が見に来るとかは想定しておいた方が良いだろうけど」
「そっか。逃げるだけなら方法はあるんだね」と、マドリーンは緊張した感じからホッとした感じに変わる。
「でなければ来ないよ」
そう言うと、3人とも安心したみたいなので「昨日手に入った格納箱の宝玉を使っても良いかな?」と皆に聞いてみる。
「格納箱をランクアップさせるのは、やっぱり戦利品の確保の為?」と、マドリーンが不思議そうに聞いて来る。
「そうだよ。まあ、格納箱の方は保険だけどね」
「そうなの?」と言いつつ、マドリーンは、保険と言う意味を聞いてくる感じ。
「ああ。格納箱は個数と容量に限度があるでしょ。
それに対し、亜空間収納の方は、容量のみ限度があるんだ。
例えば、ホーンブルとかだと、足毎に分かれた肉4個に、皮に、魔石が戦利品になるから1頭で6個枠を使う。だから、まとめて一個に出来ないような状況だと格納箱はあっという間にイッパイだろうから」
「そっか。でも、格納箱はランクが幾つになるの?」と、魔法の事ではないけどアリーサが興味を持ったようで聞いて来る。
「ランク4だね。グレードは全く上がっていないだろうから一辺が16メートルの正方形の格納箱が800個用意されているって形になるのか」
「……、それって倉庫が800個もある状態ですよね」とクラリッサは絶句気味に言ってくる。
「まあね。それだけでなく、格納箱の入り口である黒い箱を16メートルまで俺から離せるようになるし、戦いながらの戦利品の確保に役立ちそうでしょ」
「そっか。それも変わるのか」と言って来るクラリッサだけでなく、マドリーンもアリーサも『なるほどね』と言う感じになったので、このタイミングで格納箱の宝玉を使う意味を理解してもらえたようだ。
「それに、これで大き目の馬車とかゴーレムとかが格納できるようになるから。まあ、格納箱スキルはその内全員に取得してもらうだろうけど、今は俺に使わせて」
「うん。それに不満はないよ」と言ってマドリーンがアリーサとクラリッサを意思をその表情で確認している様だが、全員異論は無さそうか。
「そっか。準備は終わったから、ダンジョンに入って見よう。まずは、俺一人で、だけどね」
そう言って地下一階に入って見る事にした。
主人公は、特殊な構造の為にゲームでは全滅した事のある料理神の祠に入るようです。




