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異世界とゲームは違う様です。~やり込んだゲームに似た異世界で生き残りたいのだけど、ゲームと違う事が多過ぎて困っています~  作者: 下見野大
第2章 3人目の仲間と王都編

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第116話 お互いに

 主人公は、自分が毒を浴びての戦いの検証をしたり、ボス戦に失敗したりしました。

 その翌朝は。

 3人で寝ていた処を睡眠スキルに起こされる。


 睡眠スキルによると『寝不足による弊害が出始めるので寝る必要がある』と言う事なので、今日は体調を維持する為に必要な時間寝させてもらった。


 すると、もう朝日が昇る時間だ。


 昨日は、そもそも寝るのが遅かったから。


 でも、今は無理してでも強くなるのを急ぐべきなんだけどな。


 まあ、今日は『朝のマラソンが出来なかったけど仕方がない』と反省は止めて、皆を起こす事にした。



 今日は、皆早めの起床。


 隣の市の近くにある神像の祠である料理神の祠に行くからだ。


 食堂に行くと「食事の準備は未だだ」とか「働き者なんだね」とか言われつつ、そのまま出立。


 王都から出て、北へ向かいトーラル市へと走る。


 暗い内から出かけたが、道中に明るくなってきている。


 クラリッサも4級職になりステータスが上がっているので、全員で走り移動する速度は早くなった。


 だけど、あまり速いとステータスが高い事がバレてしまうと、それなりにユックリ走っているので、それなりに時間が掛かるだろう。


 そう思っていると、意を決した感じでマドリーンが謝ってきた。



 「昨日はごめんなさい」


 そう落ち込んだ感じで言われるが、何を謝っているのか、良く分からない。


 なので「ん。何が?」と聞き返すと。


 「ボスの前で大声上げて。あれのせいで隠形が解かれたんだよね」


 「多分ね」


 ゲームでは無かった仕様だけど、スキルや五感で気配を感知しているのなら、大声を出した場合と静かにしている場合で、どちらの気配が感知しやすいかと考えれば、まあ結論は出るか。


 でも、攻撃を仕掛けた時と同等なのか、攻撃が当たった時と同等なのか、敵によって違うのかとか、分からない事も多いけど、ワーウルフが半分は狼だとしたら耳は良く音に関する感知力は高いだろうからな。


 そんな事も考えつつ「ああ。俺も御免なさいだね」と言うと「何で?」と不思議そうにマドリーンに聞かれる。


 「あんな所でする話じゃなかった。

  お告げで、あのボスが速くて感知力が高いと言うのは解っていたんだから、早めに話しておけばよかったんだよね」


 「でも、1人で戦おうとするのは止めて」とマドリーンは言って来るが。


 「それが合理的だし、俺の感情的にも一番だったんだけどな」


 「どうしてよ」と、マドリーンは納得できないと言う感じで聞いて来る。


 「あいつは動きが速い。そして今、職業補正で俊敏が上がっているのは俺だけ。つまり、彼奴のスピードに余裕をもって対処できるのは俺だけだったんだ。

  となると、他の3人は危険な目にあうだけでしょ。いや、経験値は得られたんだろうけど、危険の対価としては少なすぎるよ」


 「……、マサちゃんの言う通りにしておけば良かったんだよね」と、マドリーンは申し訳なさそうに言ってくる。


 だけど「その辺も良く分からないよ。お告げは完ぺきでは無いしね」と言うしかない。


 正確にはお告げではなくゲームと異世界の現実の齟齬が問題だったんだから。


 俺はゲームの早解きとかした事が無い。


 ジックリとレベルを上げて確実に勝つタイプのプレイスタイルが基本だったから。


 しかも、あのゲームには時間制限なんて無かった。


 なので、今の俺達の様な低いステータスでワーウルフと戦った事が無かったんだよな。


 ボスだから当然雑魚より強い魔物だと覚えているし、遠くからの感知でも強さは把握していた。


 しかし、近づいてよりその力を感じ、現実とゲームとの違いについても思い出して、ビビったんだよな。

 

 それで言い争いになったんだから、俺のミスだ。


 すんなり俺の言う事を聞いてくれていれば、ああいう風にはならなかったんだろうけど、俺もマドリーン達も愛する人と共に戦うと言う事になれていないのだから、しょうがない。


 と言うか、実戦自体にマダマダ慣れていないんだけど。


 それなのにゲームみたいな感覚も残っているから、下手をするとそれで死んだりする事になるのかもしれない。


 気を付けないと。


 そう思いつつ「次からは早めに相談しよう」と言うと、マドリーンの表情は落ち込んだモノから何時ものちょっと生意気で心配性で優しい感じに戻ってくれた。

 主人公と、マドリーンはお互いに謝ったようです。

 今更ながら、異世界の現実に主人公はビビっている様です。

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