第114話 ボス戦後に手に入る宝箱
主人公は、ボス戦を一人で行いたいとマドリーン達に提案し拒否されました。
そのやり取りの間に、ボスに気が付かれ戦闘に突入し撃退しました。
でも、女性3人は複雑な心境の様で。
強敵に勝ったのに、何でこんな目にあうのだろう。
そんな風に思いつつ、3人から傷治療魔法を受けている。
もう必要ないんだけどな。
そう思っていると、彼女達もスキルにもう傷治療魔法は効果が無いと何度か警告されて納得したのだろう。
「エリクサーを使って」と恨めしそうな表情のマドリーンに言われる。
う~ん。
今は逆らわない方が良いのだろう。
エリクサーⅠを一つ飲んで、傷痕すら残らない状況になると、少し落ち着いたようだ。
『戦う事になれて行けば、こんなやり取りも無くなるのだろう』と思うと感慨深いし、『今だけの事だ』と思うと寂しい気もするが、泣かれると俺が悪い気がするので勘弁してほしいとも思う。
よし。
気持ちを切り替える為に「宝箱を取りに行こう」と皆を誘導する事にする。
ボスを倒すとボス戦の御褒美って感じで宝箱が発生する始まりのダンジョンとは異なり、王都近くの隠されたダンジョンでは、ボス部屋に繋がっている小部屋にボス戦の御褒美って感じの宝箱があるから。
と言う事でボス部屋の後ろにある小部屋の大き目の宝箱に向かうと罠があったので、罠解除スキルを使い解除してから宝箱を空ける。
中身は、明鏡止水の宝玉、影魔法の宝玉、睡眠の宝玉、522343GAZU、エリクサーⅣ5本、魔晶石A4個だった。
このうち、宝珠1個は、何度ゲームをやり直しても固定の物だった。
なので、これを取りに来たとも言える。
その宝珠から得られる明鏡止水スキルは、心を落ち着かせ且つ集中する事によりスキルの効果を高めてくれるスキル。
まあ、単純に言えばMPを消費しスキルの力を強化してくれるスキルだ。
ランク1だとデフォルトで1分間1割各種スキルの効果が上がるとの事。
攻撃魔法や偽装スキルなんかの効果も上がるから必須と思ったのだけど、偽装スキルの隠形の効果が1割上がるって、どんな感じなのだろう。
まあ、隠形を見抜かれにくくなるのは間違いないのだろうから、それで良いのかな。
次の睡眠のスキルは、ゲームだと死にスキルだった。
なんせ、ゲームのキャラは最悪寝なくてもいいからね。
まあ、あのゲームだと『一緒に寝る』は好感度を上げるイベントではあったが、寝る事が必須では無かった。
だけど、現実になると短い睡眠時間で体や精神が回復するのは大きい。
睡眠を制御できるのも大きいか。
ランク1では、大した効果はないけどね。
それでも寝起きが良くなるだろうし。
影魔法はランク1だと影隠と言う魔法が使える。
何かしらの影の中でこの魔法を使うと、影に紛れて認識し辛くなるそうだ。
当然、この星の影である夜に認識され辛くなる訳だから、夜に街道を走る時にこの魔法をかけておけば、偽装スキルの隠形の効果との合わせ技で敵との戦闘をより避けられる様になる。
と言っても、影魔法はゲームの時はほぼ使わなかったけどね。
まあ、ランクが高くなると使える力なんだけど、スキルの取得については取捨選択が必要で、俺は捨ている方のスキルだったから。
でも、ゲームの時に使えなかったからと言って、異世界の現実で使えないとは限らないよな。
既に確認した睡眠スキルの様に。
そう思ったので、3人に断りを入れて3つの宝玉はここで使わせてもらった。
これで多少は強化が出来たな。
そう確認し、ダンジョンに来る途中にしておいた場所指定を選んで簡易転移した。
主人公は、宝箱から得たスキル追加の宝玉を使い、力を得たようです。




