第11話 戦士職と一人前と転職
主人公は初めての転職もして、始まりのダンジョン初級の地下二階へと向かっています。
着実に強くなっているようですが。
初めての転職を行い、戦士職のLV1になった事により幾つかのスキルから取得するスキルを選ぶ事になった。
なので、剣技スキルを取得し近接戦闘の力を手に入れる。
後は、最低限のレベル上げと言う自分の強化を終え、地下二階へと向かっている。
階段も到着した地下二階も薄っすら明るく、明かりの心配が無いのは助かる。
さて。
ここにいる敵は、Fランクのゴブリンとスケルトンだった筈。
地下一階の魔物からワンランク強くなっているから慎重に行くべきだけど、俺も強くなっているから大丈夫かな。
一匹ずつしか居ない筈だし
だけど、やっぱり慎重に行こうと気を引き締めつつ、今度は左の壁に沿ってダンジョンを進む。
すると居たのはゴブリン。
小鬼と言うか、何というか。
汚い緑色の肌に、醜悪な顔と小柄な体格。
そいつに近づいていくと、ふと俺に気が付いた感じになり、「ギィ」と訳の分からない鳴き声をあげ、殺意を持った目で俺を睨みながらこちらに向かってくるゴブリン。
なので、身の危険を感じ直ぐに火弾を撃ち込むと、ギリギリ避けやがった。
クソ。
まあ、まだ距離があったと言うのもあるか。
ならば、と火弾をもう一度発生させ、ある程度引き付け、もっと早くとイメージし撃ち込むと、スピードが上がった感じで飛んでいく火弾。
ゴブリンは避けようとはした様だけど失敗し、そのまま命中。
一発で戦利品の魔石に。
ジグザグに動いて狙いをつけさせない知能・知識があれば、危なかったかな。
まあ、俊敏ステータスを高く設定してあるお陰か奴の動きは遅く見えたから、近づけば火弾を当てられる気がするし、それが外れてもあの程度の動きなら剣で戦っても大丈夫そうか。
と言う事は、安全を重視するなら俊敏に職業補正のある斥候で地下二階に来た方が良かったのかな。
そんな事も考えつつ、ステータスウィンドウのログで獲得した職業経験値を確認すると600だ。
うん。
これなら直ぐにレベル11になれるな。
何故レベル11に拘るかだけど、2級職の場合レベル20がレベル上限。
レベル上限がその職業を極めた状態なので、そのレベル上限の半分を超えると、その職業で一人前と言う事になり転職が可能になる、と言う仕様だったから。
まあ、転職可能職があればだけど。
そして、俺は既に信者、魔法使い、斥候の転職条件を得ているから、レベル11になりさえすればこれらの職業に就ける。
まあ、レベル上限になってから転職すれば、戦士の上位職の重戦士への転職条件が得られたりするからLV20にしたいところだけど。
でも必要な経験値が、LV11なら1万1千ちょっとだけど、LV20となると44万とか必要だから。
そして、2級職だとLV1、11、20でスキルを取得出来るから、戦士、信者、魔法使い、斥候でLV11になり各2種ずつスキルを手に入れると、それにより素早く戦闘力をあげられ、結果早く3級職になれると攻略情報にあったんだよね。
まあ、その程度は攻略情報に頼らなくても分かる事だろうけど。
なので、今は戦士でLV11になる事を目指す。
次に見つけたのもゴブリン。
今度は、剣で戦ってみる。
と言うのも、ここに居るゴブリンはスピードが遅そうだし、剣技スキルを手に入れて近接戦闘にもスキルの支援があるし、試したい事があるので。
次に発見したゴブリンに近づいていくと、こちらに気が付き「ギェャ」と鳴きつつ向かって来る。
この個体は棍棒と言った武器を持っていないので、噛みつき・引っかき攻撃をしてくるのだろう。
その攻撃を避けながら、胴体に一撃。
胴体から血を吹き出しながらもそれで倒れなかったので、もう2回ほど体に切りつけると致命傷になった様で、ゴブリンは倒れながら掻き消えて魔石だけが残った。
次も、ゴブリン。
「キシィ」と鳴き声をあげ歯を剥き向かって来るのを冷静に見ながら、鋼鉄の剣Ⅱを横に振るう。
それは見事に首をはねられた。
そして、ステータスウィンドウのログを確認。
首は人型の魔物にとっての弱点の一つ。
それを狙いすまして攻撃した場合、本来なら数回攻撃しないと倒せない様な魔物でも一度の攻撃で倒せる筈。
それをステータスウィンドウのログをみて確認したかったのだけど。
やっぱり、クリティカルヒット扱いになるのか。
数回攻撃しないと倒せない魔物に対し弱点を正確に攻撃する事で、一度で致命傷を与えられる。
これは、ありがたい事だけど、逆も言える。
俺たち人にも弱点があるから。
急所にキツイ一撃を貰うと一撃で死ぬ可能性もあるから注意しないと駄目だな、と思いつつ更にゴブリンを倒していく。
次に見つけた小さな宝箱からは鑑定スキルの宝玉が得られ、直ぐに使用した。
これがあるって知っていたから、地下二階は左側の壁沿いに探索したのだから。
鑑定スキルからの教育を受けながら、鑑定Ⅰの使い勝手を確認。
うん。
これで宝玉とか手に入れた後、名前を確認する事は出来る様になった。
でも、鑑定スキルランク1では自分や自分の物しかちゃんと鑑定出来ないな。
と言うのも、鑑定スキルは鑑定スキルを使う者と鑑定するモノとの関係性等で難易度が変わるから。
具体的には、自分、パーティメンバー、第三者、敵対するモノ、戦闘中のモノといった感じで難易度が変わる。
その上、距離に影響を受けるのもあるのだけど、一番ランクの低い1では敵とか戦闘中のモノとかについては鑑定不可で名称も分からないから、まだ距離による難易度変化はあまり関係がないだろうけど。
ちなみに、解析鑑定、詳細鑑定、通常鑑定、簡易鑑定、名称確認、鑑定不可といった風に鑑定にも種類がある。
ランク1では、自分及び自分のモノを鑑定すると通常鑑定に、パーティメンバー及びそのパーティメンバーのモノを鑑定すると簡易鑑定、第三者及び第三者のモノを鑑定すると名称確認となる。
ちなみに、ランク2だと、自分及び自分のモノに詳細鑑定、と言った感じでよりランクが上がるとより詳細に鑑定できるようになって行く。
鑑定スキルも必要なスキルだろうから早くランクを上げないと、と思っていると現れたのはスケルトン。
斬撃ダメージがメインの剣だと、ダメージがあまり与えられない設定だったはず。
そんな事も思い出しつつ、ただ突っ込んでくるだけのスケルトンに火弾を撃ち込む。
『骨が燃えるかな?』と言う疑問もあるので、先ずは火弾による攻撃を試したのだけど。
最初狙いをつけたのは頭部だった。
火弾が頭蓋骨に命中すると動きが止まり、頭蓋骨が燃えて穴があいたけど、直ぐにまたこちらに向かって走ってくる。
後は、魔石のある辺りが弱点かな。
そう思って、心臓の辺りにある白い塊に向けて火弾を撃ち込むと、スケルトンが掻き消えて魔石だけが残る。
うん。
動きが直線的だし遅いから狙った処に火弾を命中させられるけど、接近戦で倒せる様になる為に剣以外も欲しいな。
いや。
剣で心臓辺りに斬りつければ、それで倒せるのか。
そう剣技スキルに聞いてみると、それで倒せるそうだ。
だけど、それが致命傷になる理由は剣で魔石を壊すからで、その壊れた魔石は世界の理で戦利品として再作成はされるけど、魔石のランクが下がったり、同じランクでも質が下がるんだって。
ちなみに、それは火魔法で攻撃しても、同じらしい。
はあ。
現実は面倒だ。
そう思いつつ戦っていると、戦士職がLV11になり、スキルの選択メッセージが表示される。
スケルトン相手だと槌とかが良いんだろうけど、今持っているのは剣と槍だ。
槍は、突いたり切ったりするのではなく上から打ち下ろすと、打撃ダメージだったかな。
動く相手に打ち下ろすのは難しそうだけど、それはスキルを手に入れられれば。
と、槍技スキルの取得を選択し、武器を鋼鉄の剣Ⅱから、鋼鉄の槍Ⅱにかえてみる事にした。
主人公は、次は槍を武器にするようです。