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異世界とゲームは違う様です。~やり込んだゲームに似た異世界で生き残りたいのだけど、ゲームと違う事が多過ぎて困っています~  作者: 下見野大
第2章 3人目の仲間と王都編

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第104話 クラリッサとの夜

 主人公は、心配になった事をマドリーン達に話しました。

 どうなると、人類の希望は死んで人族は滅びるのか。

 まあ、分からないと言う結論になるしかないのでしょうけど。

 クラリッサは、勇者候補か勇者が村に来て、クラリッサを求めたら、その求めに応じろと言われていた様だ。


 マドリーンも、アリーサも、少しずつ事情は違うが似たような事を言われていた様なのだけど。


 でも、俺はそんな事言われた事なんだよな。


 まあ、求められても困るんだけどさ。


 「俺の知らない処で、そんな話になっているとは」


 「いや。ヨシマサちゃんだって女性の勇者候補に気にいられたら、当然言われた事だし。

  そう言えば、父が兄に女性の勇者候補が妊娠した場合は、村の女性が妊娠した場合と違って国が管理するから、メリットが無いって言っていたし、男性と女性で違いもあるみたいよ。

  勿論、兄が妊娠させたって確実に分かる場合は国から補助金が降りるから、もしそういう事になったら女性の勇者候補を独占できるように頑張れとか言っていたけど。

  それに、勇者候補として王国に援助を求めたら、女性も好きなだけって話したでしょ。

  子供に才能がもらえるからって、進んで勇者候補に抱かれようとする人だっているし。

  でも、それは必要ないってヨシマサちゃんが言ったんだよ」


 そうマドリーンは早口で言って来る。


 「必要ないとは言っていないけどね。

  勇者候補だと名乗ると、その情報が元で俺の居場所や強さなんかがバレて、他の勇者候補に狙われるかもしれないから、王国の支援は受けないで強くなろう、って話だったかな」


 「そうなんですか。勿体ない気もしますが」と、クラリッサは少し意見が違うのかもしれないのでマドリーンとアリーサに言った事を言っておく。


 「具体例は、他の勇者候補が、アリーサの御両親を人質に取り俺に死ねと言ってきたら、だったかな」


 「そう言う勇者候補も居るかもしれないんですね」と、クラリッサも俺が勇者候補と名乗り出ない理由を理解してくれたようだけど。


 「その辺は、俺も良く分からないけどね。お告げには、勇者候補同士で殺し合ったり助け合ったりすると言う情報が一つも無かったから」


 「なんて言うか、大変ですね」と、クラリッサも困り顔で言って来る。


 「そうだね。だから、皆で強くなっていくしかないって結論なんだよ」


 考えても分からない事が多いので、取り敢えず今日はそう結論を出して休む事にした。



 昨日はマドリーンとアリーサだったので、今日はクラリッサの手を引き俺の寝室へ。


 ベッドに座りクラリッサにキスをするが、表情が暗い。


 「どうしたの?」


 「何がですか?」


 「暗い表情しているし」


 「先ほども言いましたけど、勇者候補の仲間になる。それは吟遊詩人に歌ってもらえる様な人になる事だって、安易に思っていたんですけど。

  当事者になると、大変なんですね」


 「ああ。逃げ出したいんだけど、それも出来そうに無いと言うか、してはならないかもしれないと言うか、出来ないかもしれないし。

  そう言う意味だと、クラリッサには申し訳なかったかな」


 「申し訳ない?」


 「マドリーンとアリーサは、勇者候補同士で殺し合いになるって話を知る前に仲間にしたんだ。

  でも、クラリッサは知ってから仲間にした。

  まあ、どちらも申し訳ないんだけど、知っていて大変な道に引きずり込んだから」


 「でも、私はマサヨシさんに救ってもらわなければ死んでいましたから」と、首を傾げながら、少し微笑みながら言ってくれるクラリッサ。


 「それでも、申し訳ないけどね」


 「気にする必要はないと思いますけど」とクラリッサは明るく言ってくれる。


 「正直、どうなるか分からないからね」


 「それは、魔王の狂乱の時代に生きる皆がそうだと思います。私は、両親の敵を討てたし、強くしてもらえるのなら」と、クラリッサは覚悟している感じだけど。


 「他の勇者候補が真面な人なら良いんだけど、強盗の様な連中だったら、とか考えるとね」


 「人から理不尽に奪い、人を残酷に殺して快楽を得る様な人の可能性はあるんですね」と、クラリッサの表情が硬くなる。


 具体例を強盗にしない方が良かったかな、と思いつつ「そう言う勇者を歌っている吟遊詩人は居ないんだよね?」と聞いておく。


 「私の知る限りでは」


 「……、結局、自分を信じて自分を鍛えていくしかないのか」


 「はい。お供します」


 そう言っている彼女を見ると本気の様だ。


 俺は、まだ決断しきれていないのに。


 女性は強いのか。


 それともクラリッサが強いのか。


 彼女の人生が、そう直ぐに決断出来るような厳しいモノだったのか。


 俺はマダマダだ。


 そう改めて認識しながら、彼女とキスをする。


 すると「私は昨日酷い表情をしていましたか?」とクラリッサが恐る恐る聞いて来る。


 「酷い表情?」


 「今日街道に出た強盗を見て、私が前に出ようとすると、ヨシマサさんが討伐しましたよね。

  そして、あんな表情はもう見たくないって」


 「ああ」

 

 「そんなに酷い表情でしたか」と俯き小声で聞いて来る。


 「いや。酷い表情と言う訳では。

  でも、愛する人があんな表情をするのを見たくない。

  あんな気持ちになる事を、二度と起こしたくない。

  そう思ったんだ。

  ご両親を助けられなかった、不甲斐ない俺なのにね」


 「……、でも時間的にどうしようもなかったって」


 「俺が勇者候補になった日の翌日か、その翌々日くらいにご両親は亡くなられていた様だから。

  まだ、俺は初心者職か2級職でしかない時だからね」


 「なら、そんな事に責任を感じる必要はないと思いますけど」


 「……、勇者候補として目覚める前も鍛えておけばよかった、とか思う事はあるよ。クラリッサの大切な人達の事だから」


 「そんな事を言ったら、私だってもっと強くなっていて、両親と一緒に魔物を狩りに行けていたら、あんな事は……」


 「ごめんね。俺が変な事を言ったから」


 「違います。ヨシマサさんには責任が無い事だって言いたいだけです」


 「だけど。クラリッサには幸せになってもらいたいのに」


 「……、今更私が幸せになれるのでしょうか?

  両親を無残に失い、生贄になれと身近な人達に言われ、無残に辱められ死ぬしかなかった私が」


 「でも、今でもクラリッサは生きている。それに奴らも全滅させた。後は、俺が幸せにしてあげるって言えれば良かったんだけど、所詮俺は生存率が低い勇者候補なんだよね。殺し合って奪い合う」


 そう言うとクラリッサは複雑そうに、そして悲しそうに黙り込んでしまう。


 その事に責任を感じてしまい「俺は俺なりに、クラリッサを幸せにする。そう思ったから、クラリッサの手を汚さない様に俺が強盗を殺したんだけど」と言ったのだけど。


 「ヨシマサさんは優し過ぎます」と、強い口調で断言されてしまう。


 でも「優し過ぎる事は無いと思うよ。それに、優しくしているつもりでも、それが間違っていないか、不安でしょうがないし」と俺の心情を言うとクラリッサが今日もキスをしてくれた。


 俺を求める様に。


 俺の思いが多少でも通じてくれたのなら良いんだけど。


 俺と共に居る事を選んでくれた彼女達。


 それを守れる強さを身に付けなければならない。


 それが勇者候補である事実を踏まえると、実現できそうにない。


 だけど、足掻き続けるしかない。


 そう心に刻みながら、クラリッサを愛させてもらう事にした。

 主人公は、やはり強くなるしかない様なのですが。

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