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序章

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 この俺、小倉三郎おぐらさぶろうの人生を一言で表すと「タイミングが悪い」となるだろう。

 

 …いや、実のところそれは言い訳なのかもしれないが。


 田舎の地主の家に生まれ、地元の小学校では神童扱い。


 無事私立中学に入学するも、父親が事業で失敗して蒸発。

 高額の学費やら何やらも重くのしかかり母子で借金まみれの貧乏生活に。


 高校受験では試験当週にインフルエンザにかかり、滑り止め以外全滅。


 生まれて初めて好きになった女子は告白のタイミングが一日遅れ、その間に別の男に告白され付き合ってしまった。

 10年後の同窓会で「実は当時好きだった」とか言われても……


 大学では学費を稼ぐためにバイトをしまくった結果、身体を壊して結果留年。


 会社では有名なパワハラ上司に当たってメンタルを壊し。


 友人に誘われて共同経営の飲食店を始めるが、オープンして数年、軌道に乗り始めたところで隣に大人気チェーン店ができて客足が遠のき倒産。


 40になって転職先も上手く見つからず、高校で用務員のアルバイトをして食い繋いでいる。


 で、極めつけが今日だ。


__________________________


 ある日の昼下がり。

 俺が用務員室でお茶を楽しんでいると、金髪の女生徒がノックもせずに入ってきた。


 「おっす、モグラのおっさん。元気?」


 「モグラじゃねーよ、小倉だ!…授業中だろ。またサボりかよ、不良少女」


 こいつは木初愛歩きはつあゆみ。いわゆるギャル系で、今時の若者らしい子ではあるのだが、県内有数の進学校でもあるこの高校とは少しウマが合わないようで、たまにサボりに来ては俺のお気に入りの茶菓子を食い荒らしたりしてくる。


 「アハハ。そうしたい所なんだケド、今日は少し違うんだよね〜」


 「というと?…っておい!

 勝手に俺の苺大福を食うな!200円もする高級品なんだぞ!!」


 「モグモグ…ハイ、ご馳走様♪

 これ以上太るとモグラどころかブタになっちまうよ」


 「いいんだよ、別に気にする相手もいねーんだから」


 「そんなんだからミンナ関わりたくないって、アタシがわざわざ呼びに来る羽目になるんだよ」


 愛歩はニヤニヤしながらそんなことを言ってくる。

 確かに俺はこの学校では嫌われ者…というより腫れ物みたいなもんで、用事がなければ誰も話しかけてこない。


 「ほっとけ!

 …それで?何の用だよ」


 「教室の蛍光灯が一斉にチカチカしだして、先生が見てくれってさ」


 「授業中に?どんだけだよ……

 でも電気ならついこの間取り替えたばっかりなんだけどな」


 首を捻りつつ愛歩と一緒に教室に戻り、ドアを開ける。


 その瞬間、一面の光が目に飛び込んできた。


 すぐに意識が遠のいてーーーーーーーーーーーーー




 ………気が付くと、俺たちは異世界に飛ばされてしまっていた。

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