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舞『ことば』

作者: 雨音れいん

あなたの言葉は舞

手を広げ

苦悩を浮かべ

天を仰ぐ

 

わたしはその「ことば」に

胸を打たれる

 

暗闇のなか

あなたは駆け出す

別れを告げるように落ちる葉を

惜しむように掌で追いかけ


跳躍し

廻る

まわる

まわる


止まることのない時の流れに乗って


かける

かける

駆け抜ける


立ち止まり次の瞬間


なにかを抱きしめる


わたしはその後ろ姿に

胸がざわめき


「哀」と「愛」が

頭のなかで交錯した



あなたはまた動き出す

止まることのない時のなかを


廻る

まわる

まわる


進路を塞がれ

地面に転がっても

また立ち上がり


かける

かける

駆け抜ける


光と影のカーテンを潜り抜け

両手を広げ

はばたき

跳躍し

項垂れ

嘆き

崩折れたあと

渾身の力で片手を軸に水平に浮かぶ身体

圧倒的「美」と「努力」の結晶


あなたにしか成せない舞



わたしはその「ことば」に

恍惚とする  



少しでもバランスを崩せば倒れてしまう危うさ

あえて難しいことに挑戦する逞しさに




あなたはまた駆け出した


かける

かける

駆け抜ける


廻る

まわる

まわる


止まることのない時のなかを

光と影が交錯する空間を


儚げに舞い 


理不尽な風にあおられても

竹のようにしなやかに受け止めて

弱音ははかない強さ


手を広げ

天を仰ぎ

廻る

まわる

まわる


伸ばした指先になにかを掴む

止まることのない時のなか

あなたは進み続ける


このひとつの限りある枠のなか

命を燃やして

跳躍し

廻る

まわる

まわる


汗を流し

たとえその指を

血が濡らしても

 

わたしはその「ことば」に

感涙する

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