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アケミおじさん奮闘記  作者: 庚サツキ
第一部 魔術人形と新人冒険者

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38 ホーンラビットの討伐 その1

「話も終わったし、仕事に戻ろうか」


 生い茂る森の道端で話し合っている私たちは、本来の目的であるホーンラビットの討伐を行う事にした。


「アナはホーンラビットの討伐経験はあるの?」

「は、はい……あります。ホーンラビットは……角、毛皮、肉と需要が……あります。て、鉄等級冒険者にとって……その……主な討伐依頼です……はぃ……」


 ホーンラビットは、駆け出し冒険者の飯の種であり、良い経験値稼ぎだそうだ。

 冒険者はホーンラビットを討伐して、初めて冒険者を名乗っても良いと言われるぐらいである。


「それで、どうやって討伐していたの? 何か良い方法はある?」

「と、特に……方法は……ありません。適当に森を歩けば……向こうから来ます。来たら、首と胴を魔法で落としてお終いです。……はぃ……」


 レナもホーンラビットは縄張り意識が強いと言っていたし、私たちも適当に森の中を歩くか?

 いや、今回の依頼は、街道でホーンラビットに襲われる事例が多発している為、その周辺のホーンラビットを討伐するのが目的。

 適当に森の中を歩いて、討伐するのとは少し違う気がする。

 それはそうと、魔法で首ちょんぱか……私、ウサギは好きなんだけどな。

 魔物とはいえ、可愛いウサギを殺すのか……今から凄く嫌な気分に成ってきた。


「ご主人さま、わたしが誘き寄せましょう」

「誘き寄せる?」

「はい、スライムの捕獲依頼の時のようにホーンラビットの声を出して誘き寄せます」

「ああ、あれね。ホーンラビットの声も出せるんだ」

「正式には声ではなく音です。この周辺に生息している下級の魔物なら再現は可能です。中級以上になりますと魔力の反応が複雑になりますので、再現は不可能です」

 

 魔物は魔力を持っている。

 下級の魔物であれば、その魔力の流れや構造が単純という事で、再現が可能との事。

 つまり、エーリカが魔物を誘い出す音を発し、その音に誘われたホーンラビットを討伐するという作戦だ。単純で良いね。


「魔物の……音?」


 きょとんとしているアナに簡単に説明すると、「エーリカ先輩、すごい!」と尊敬の眼差しをエーリカに向ける。

 当のエーリカは、「先輩ですから」と意味不明な返事をして無い胸を張った。


「エーリカ、さっそくやってみて」


 エーリカは、私の指示に従い、森の方へ近づく。


「――――」


 草木が生い茂る森の手前でエーリカは立ち止まると、音無き音を森に向けて発した。

 本当に音が出ているのか分からず、アナは首を傾げている。

 エーリカ曰く、人間では感知する事が出来ない音だそうだ。

 しばらく、様子を見ていたエーリカは、場所を変えては同じように音無き音を発していく。

 四回ほど場所を変えた時、森から変化が起きた。


「来ました」


 エーリカの報告と同時に、正面の草木から角の生えたウサギが現れた。

 少し毛の長い茶色のウサギ。私の知っているウサギよりも二回りほど大きい。可愛らしい見た目に反して、額に螺旋状の角が生えていた。


 これがホーンラビットか。


 大きく突き出た双方の耳を、落ち着きなく動かしている。

 鼻をヒクヒクとさせながら、真っ黒な瞳を私たちから逸らさない。

 観察されていると私は瞬時に察した。

 音に誘われて草木から出てみれば人間がいた。

 ホーンラビットにとって、目の前にいる私たちは、有害か無害か分からないので観察し判断しているのだろう。

 残念ながら私たちは有害の人間である。

 魔物とはいえ生き物を殺したくはないが、お金と経験値の為、討伐させてもらう。


 私は買ったばかりのレイピアを握り、鞘から引き抜く。

 周囲を探るように動き続けている耳が止まり、ホーンラビットの瞳が私に向く。

 ズシリと重いレイピアに魔力を流すと羽のように軽くなった。

 私はレイピアの柄を強く握り、ホーンラビットへ近づく。

 ホーンラビットの後ろ脚が地面を叩きだした。

 ダン、ダンと良い音が森の中へ響く。

 ホーンラビットの瞳が黒色から赤色へと変化していく。


「警戒されています」

「な、仲間を……呼んでます」


 ホーンラビットの行動に、エーリカとアナが別々の感想を述べるが、どちらも正解だろう。

 ホーンラビットの足ダンに誘われるように、森の草木がガサガサと揺れ出した。


 あっ!? 私、レイピアの練習をしていない!


 武器屋で購入する際に試し振りをしただけだ。

 森から何羽のホーンラビットが現れるか分からないが、練習もしていない初めて使う武器で魔物討伐は無謀だったかもしれない。

 私は緊張からネガティブな思考へと染まっていく時、草木の茂みから新たに三羽のホーンラビットが現れた。

 合計四羽。

 初の討伐依頼だ。


 まぁ良い、やってやる!


 無理矢理、気持ちの整理をした私は、カラカラに乾いた唇を一舐めすると、ホーンラビットに向けてレイピアを構えた。

 すると……。


「わ、私が、やります!」


 私が緊張をしている事に気がついたアナは、私の前へ飛び出した。


「風を集え、刃へ変われ……『空刃』!」


 呪文を唱えたアナは、手刀のように伸ばした手を横に払うと、手から風の刃が飛び出した。

 風の刃は、空を斬りながら一羽のホーンラビットの首を切断する。

 仲間の首が地面に落ちた驚きで、他のホーンラビットの動きが止まった。


「『空刃』! 『空刃』! 『空刃』!」


 アナは、棒立ちになっている残りのホーンラビットの頭も落としていく。

 ほれぼれするぐらいの見事な手際の良さ。

 これが鋼鉄等級冒険者か……。

 だけど……。


「やりました」


 ホーンラビットの頭がゴロゴロと地面に転がっている様子を見てアナが嬉しそうにするが、すぐさま私たちの様子に気がつき、首を傾げた。


「…………」

「え、えーと……その……わ、わたし……不味い事を……しました?」

「ああ、すまない。私が説明をしていなかっただけで、アナは別に悪くない」


 この討伐依頼は、私の経験値稼ぎをする場でもあった。

 エーリカがホーンラビットの動きを封じて、私が止めをさす。

 当初の作戦方法をアナに伝えていなかったので、改めてアナに説明した。


「……という訳で、すまないが私の経験値稼ぎに手伝ってほしい」

「ああ、そうでしたか。すみません、すみません! ……ごめんなさぃ」


 ここまで謝らなくてもいいのに、首の筋を痛めるんじゃないかと心配するぐらいペコペコと頭を下げてくる。素直で良い子である。


「ち、ちなみに……アケミおじ様は……レ、レベル……いくつですか?」

「レベル? レベルは五だよ」

「五!? レベル五で……大ミミズを……す、すごい……」


(ん? そもそもレベル五って本当? 子供と同じだよね。おじ様の歳で普通に生活すればもっとレベルは上の筈……レベル低下の呪い? それとも、おじ様の冗談?)


 ブツブツと独り言を呟くアナ。相手と会話していない時は、結構、饒舌(じょうぜつ)だったりするのだろう。


「大ミミズに関しては、皆の協力があって、たまたま退治出来ただけ。もう一匹の巨大大ミミズはエーリカが倒したんだよ」

「巨大大ミミズ!? エ、エーリカ先輩、凄いです! ちなみに、レ、レベルは……」

「秘密です。教えて欲しければ、好感度を上げなさい」


 アナの問いに、エーリカがバッサリと断る。


「逆にアナのレベルはいくつ?」

「わ、私は……十三です……はぃ」


 アナのレベルは十三という事は、鋼鉄等級冒険者の目安はレベル十三前後と覚えておこう。

 まぁ、レベル五の私では、まだまだ先は長そうだ。



「わ、私が……魔物の解体を……します」


 アナは懐から細いロープと小さなナイフを取り出して、ホーンラビットの死骸へ向かう。

 頭の無いホーンラビットの足に紐を結び、近くの枝に引っ掛けて、逆さ吊りにした。

 頭の離れた断面から、ポタポタと真っ赤な血が垂れていく。

 残りのホーンラビットも同様にロープで吊るされ、地面の土がホーンラビットの血で汚れていった。


 うわ、急に解体ショーが始まったよ!

 やっぱり、鮮度を保つ為や、持って帰りやすい為に解体するんだね。

 魔物の討伐依頼は、ただ魔物を倒してお終いではなく、解体し持ち帰るまでが依頼なのだ。

 魚なら捌けるが、四足歩行の生き物になると……無理かもしれない。私、冒険者を続けられるかな?


「か、解体せずに、そ、そのまま……持って帰っても良いのですが……ホーンラビットは魔物の中でも美味しい魔物なのです。だ、だから……なるべく、解体をした方が……良いのです」

「美味いのですか」


 エーリカが食らい付いた。


「ま、魔物の肉は基本、く、癖が強くて……貧民の人たちしか食べませんが……ホーンラビットの肉は……鮮度の良い鶏肉の味がして……よく、お父さんと討伐した後に……食べていました」


 ウサギ肉は美味しいと聞く。現代日本では食べる機会はほとんどないが、他の大陸では比較的メジャーな食材だ。もちろん、私は食べた事がない。高たんぱくで低脂肪、さらに美味しいと言われるが……だって、ウサギといえば、食材でなく愛玩動物なんだもん。


 美味しい食材という事で興味を持ったエーリカは、アナの近くに立ち、解体の様子を眺めている。

 ホーンラビットの血抜きをする間、アナは懐から木製のスコップを取り出し、近くの地面に穴を掘っていく。


「こ、この穴の中に、血で汚れた土やいらない内臓を入れて……埋めてしまいます。ほ、他の魔物が集まったりしない為です……はぃ」


 アナは小さなナイフに持ち直し、吊るされたホーンラビットのお腹にナイフを突き刺し、引き裂いていく。そして、何の躊躇いもなく、ピンク色をした内臓を取り出して、地面の穴へ捨てた。


「慣れてるね。他の冒険者もそんな風に解体は出来るの?」

「ひ、人それぞれ……だそうです。鮮度を気にせず、こ、殺したままの状態でギルドへ持ち帰る人もいます。わ、私の場合、お父さんが……食べるのが好きで、色々な魔物を解体しては……食べていました。そ、それの手伝いをしていた私は……し、自然と出来るように……成りました」


 解体をしない冒険者もいるんだね。安心した。私は解体しない派に成ります。


「ご主人さま、解体については安心してください。私の収納魔術は時間に縛られません」

「えっ? どういう事?」

「つまり、私の収納魔術に討伐した魔物を仕舞っておけば、何日、何年経とうが、肉が傷んだり、腐ったりしません」


 エーリカの収納魔術の中は時間が止まっているそうだ。それはありがたい……が、それを今言う?

 嫌がらせじゃないのは分かるが、血で汚れた手を見て、アナが泣きそうな顔をしているよ。


「後輩、安心しなさい。後輩が倒した魔物は、お昼ご飯の材料にします。良いですか、ご主人さま?」


 うわ、食べる気だよ、この子。……別に良いけどさ。


「そ、それなら、皮まで剥いじゃいます。し、しばらく……お待ちください」


 アナは、「ラビット肉は久しぶりです」と嬉しそうにナイフを握り直す。

 後ろ脚の先を切り落とし、股関節からナイフを当てて、肉と皮を綺麗に剥いていく。

 皮が綺麗に剥がされ、ピンク色の肉が(あら)わになったホーンラビットの胴体が完成した。


「こ、これが……ホーンラビットの……ま、魔石……です」


 アナは引き裂いた中身のない胴体から小石サイズの魔石を取り出した。そして、水の魔法で綺麗にしてから私に渡してくれた。

 ホーンラビットの魔石は、淡い緑色をしている。

 他のホーンラビットも同様に剥いで、頭と皮と胴体と魔石をエーリカの収納魔術に収めた。

 内臓を捨てた穴を埋めたアナは、水魔法で汚れた手を洗っている

 そんな彼女の姿をのんびりと眺めていると……。



 ―――― 後方確認 ――――



 頭の中に、無機質な声が響いた。


 ん? 後方確認? 後ろって事?


 私は言われた通り、反対側の森へ体を向ける。

 青々と生い茂る木々や草花。

 その隙間から真っ赤な瞳と目が合う。

 いつの間にか、ホーンラビットが現れて、草木の影からジッとこちらを伺っていた。


「エーリカ、アナ、魔物だよ!」


 ホーンラビットの後始末をしていた二人に声を掛けると、私は腰に差しているレイピアを抜いた。

 剣先をホーンラビットに向けると同時に、私と目を合わせていたホーンラビットが突進してきた。


 速い!?


 私の予想以上の速度で草木を分け、一直線に街道を横断してくる。

 どうやって攻撃するか、まったく考えていなかった私は、レイピアを構えただけで棒立ちになっていた。

 やばい! と思いつつも、心と体が動かない。

 ホーンラビットの禍々しい角が迫っているのを茫然と眺めていると、電撃を帯びた弾が私の横を通り過ぎた。

 エーリカの放った雷属性の魔力弾は、数メートル先に迫っていたホーンラビットにぶつかる。

 バチッと音と共に青白い光をまき散らしながら、ホーンラビットは後方へと吹き飛んでいった。

 ゴロゴロと転がったホーンラビットは、地面に倒れ、体がビクビクと痙攣している。


「ま、まだ、います!」


 アナの指摘通り、草木の影から四羽のホーンラビットが飛び出してくる。


「わたしは左の二羽、後輩は右の二羽を! 殺さないように!」


 棒立ちしている私を守るように前に出たエーリカは、素早くアナに指示を出す。


「はっ、はっ!」


 人差し指をホーンラビットに向けたエーリカは、二つの魔力弾を連続で放つ。

 電撃の帯びた魔力弾は、直進してくるだけの二羽のホーンラビットに直撃させ、動きを止めた。


「風よ集まれ、壁と成せ――『風壁』!」


 右側から直進してくる二羽のホーンラビットに向けて、アナは右手を突き出して呪文を唱える。

 二羽のホーンラビットの目の前に透明な風の壁が現れ、動きを封じる。そして、風の壁は左右上下と範囲を広げ、二羽のホーンラビットが逃げ出さないように箱状の壁へと変化していった。

 風の箱から出ようとホーンラビットが暴れる。後ろ脚をダンダンと叩いたり、禍々しい角や鋭利な前歯で透明な風の膜を壊そうと躍起(やっき)になるが、アナの作った風の箱はビクともしない。


「ご主人さま、今の内です。止めを刺してください」


 エーリカの指示に従い、私はレイピアを強く握り、足を進める。

 先に向かったのは、風の箱の中で今も暴れ回っているホーンラビット。

 風の箱は壊れる気配を感じないが、念のため、先に始末をしよう。

 レイピアは刺突専用の武器。

 刃先は研いであるので斬ったりする事も可能だが、基本は突き刺す事がメインである。

 ただ、適当にブスブスと突き刺してダメージを与えていては、刺突武器が泣いてしまう。

 一撃必殺。

 相手の急所を狙って、一撃で仕留める。

 これこそ刺突武器、レイピアである。


 私、武器の選択間違ってない?


 そもそも、私の技量で、一撃必殺なんてできるのか?

 不安を覚えつつ、未だ暴れているホーンラビットに向けて、剣先を向けた。

 急所といえば、頭と心臓。

 ホーンラビットの頭は貴重な角が生えている。角を傷付けず、暴れている頭を狙うのは今の私では無理だ。

 それならと、心臓を目掛けて胴体に狙いを定めた。

 暴れるホーンラビットの赤い目と私の目が交差する。

 唾を飲み込み、震える手に力を込めて、レイピアを握る。

 様々な感情を心の奥へと押し込み、ホーンラビットの胴体にレイピアの剣先を突き刺した。

 ズブズブと肉を切り裂く感触が剣先から伝わる。


「――――ッ!?」


 ホーンラビットの口から声無き声が漏れる。


「ア、アケミおじ様……もう少し、上の方を刺してください」


 解体に慣れているだけあり、アナが心臓の位置を教えてくれた。

 大分滑舌が良くなったアナの助言を聞いて、剣先を一旦引き抜く。


 苦しませてごめん。今度は上手くやるから、私の糧に成って。


 自分勝手な事を心の中で呟き、再度、剣先をホーンラビットの体に突き刺す。

 途中で硬い部分に当たり、剣先の進行を阻害するが、魔力と力を込めて押し込むとすんなりと入っていった。


「ヒゥッ……」


 ホーンラビットの口から息が漏れ、体が伸びた。


「そ、そのまま、剣を捻ってから引き抜いてください」


 アナの言葉に従い、少し力を入れて剣先を捻ると、徐々にホーンラビットの力が抜けていくのを感じる。そして、剣先を引き抜くと、今まで暴れていたホーンラビットは、力無く地面に倒れた。


「ふぅー……」


 心の中にある様々な感情を溜め息と共に吐き出す。

 ようやく、一羽に止めを刺した。

 化けネズミを殺した時もきつかったが、今回は特にきつい。

 だが、ここで止める訳にはいかない。

 私は冒険者になったのだ。

 冒険者は魔物を討伐する。

 私はその魔物討伐の依頼を受けたのだ。

 怖いから、気持ち悪いから、道徳心に反するからと言って逃げ出す訳にはいかない。

 私は、何も考えず、もう一羽のホーンラビットに狙いを定め、同じように止めを刺す。

 今度は一撃で心臓に達し、難なく殺せた。

 残り三羽のホーンラビットは、気絶して動かないので、ゆっくりと機械のように殺して回った。


「エーリカ、アナ……助かったよ。ありがとう」


 喧嘩すらした事のない私は、ホーンラビットが襲ってきた時、何も出来ず、ただ突っ立ていただけ。

 経験不足なのか、心構えが無いのか分からないが、そんな不甲斐ない私を瞬時に守ってくれた二人に素直に感謝した。


「ご主人さまを守るのは、わたしの役目です」

「お、おじ様……顔色が悪いです。け、怪我でも……していませんか?」


 アナに顔色が悪いと言われ、私は両手で顔を擦る。


「あ、ああ……大丈夫。うん、怪我とかじゃないから」


 正直、宿に戻って休みたかったが、まだ依頼を始めたばかりなので、「大丈夫」と空元気に答えた。


「ご主人さまはお腹を空かしているのでしょう。少し早いですが、お昼ご飯にする事を提案します」


 エーリカは、地面の上で死んでいるホーンラビットを見ながら、提案してきた。


 エーリカ……君はただウサギを食べたいだけじゃないのかな?

 

 「ねぇ、本当に食べるの? 私、ウサギ、好きなんだけど……」と言うと、アナが「わ、私も好きです……お、美味しいですから」と恥ずかしそうに言ってきた。


 いや、そういう好きじゃないから。


初の討伐依頼です。

生き物を殺す事に抵抗のあるアケミおじさん。

次回、食事パート。

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