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アケミおじさん奮闘記  作者: 庚サツキ
第五部

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344/347

344 『薬草料理店 スレイプニル』開店 その2

 『薬草料理店 スレイプニル』を開店してから一時間ほど。

 初のお客であるデボラ、リタ、エルマの冒険者三人が来店し、ご満足で帰っていった。

 また暇になるかな? と思っていたら、すぐに新しいお客が来店した。

 農家をしているのだろう、若干土で汚れた衣服を着た初老の夫婦である。


「先程、冒険者さんが美味しかったと教えてくれたので、来てみました。私たちが入っても大丈夫ですか?」

 

 店内を見回した夫婦が心配そうに尋ねると、すぐにフリーデが「問題ありませんよ」と席を勧める。

 お店によっては身分や服装で入店できない所があるが、私たちのお店は問題さえ起こさない限り、お客を差別しない。お金さえ払っていただければ、貧民地区の住人だろうが、亜人だろうが料理を提供する。

 老夫婦はソーセージの詰め合わせとサンドイッチを頼んだ。

 そのすぐ後、冒険者風の男性二人が来店。

 この二人も「お腹を鳴らしたら、この店を紹介された」と言う。どうもデボラたちは出会う人たちに宣伝をしてくれているようだ。

 冒険者二人はディルクが担当し、豚と鶏の香草焼き、さらにエールを注文した。


 二組のお客は、料理を運んできたティアとロックンの姿に驚きつつ、料理を食べ始める。


「これは……とても美味しいですね、じいさま」

「ああ、驚きで声が出ないな。……だが、この料理でこの値段は本当かな? 後で追加でお金を取られたりしないかな?」


 皮袋の中身を確認する旦那さんに「大丈夫ですよ」と教えると、安心した顔で美味しそうに食べ続けた。


「うお、うめー!」

「鶏肉って、こんなにも美味かったなんて……エールが足りん!」 


 二人の冒険者もガツガツと食べ続ける。

 そして、二組のお客は満足そうに帰っていった。


 この後もパラパラとお客は来ては、みんな笑顔で帰っていく。

 そんな中、クルトが来店。

 約束をしていたのもあるのだが、たぶん自分のお店が閑古鳥すら止まらなくて、暇つぶしに来てくれたのだろう。


「エーリカさんはいないのですか?」

「エーリカは配膳係。料理を頼めば運んでくれるよ。前に言わなかった?」

「ああ、そう言われれば……エーリカさんの料理を食べたかったな」


 悲しそうに呟くクルトはしばらくメニュー表を眺めると、ふっとお酒が置かれている場所に視線を向けた。


「あ、あの方は誰ですか?」

「ディルクの事? 元冒険者で今はここの従業員」

「違います! 樽の前にいる華麗な女性です」

「彼女はフィーリン。エーリカの姉で、フードプロセッサーの刃を作った本人」

「ああ、さすがエーリカさんのお姉さん……素敵だ」


 うーん、ただの幼女好きのヤバい人かと思ったが、もう少し年齢に幅があるようで少し安心……はしないかな。


「では、エールをください。フィーリンさん、お願いします」

「うちは料理屋であって、飲み屋ではないです。食べ物を注文してください」

「じゃあ、これで」


 クルトはメニュー表を見ずにホーンラビットの香草焼きを指差す。そして、「エールを下さい」とフィーリンに向けて声を出した。

 ニコリと微笑んだフィーリンは、なみなみとエールを注ぐとディルクに渡した。会話を聞いていたディルクは、「お待ち」と机にエールを置くとニヤリと笑う。クルトは苦々しい顔をしながらエールを飲み「美味い! さすがフィーリンさんが注いだエールだ」と叫んだ。ここに別のお客がいたら、問題客として外にほっぽり出していただろう。

 その後、料理を運んできたエーリカに賛辞を送っては、エーリカに遠ざかれる。そして、「美味い、美味い」と料理を食べ、エールを何度も頼み、ヘロヘロになりながら帰っていった。


「あまりにも露店に客が来なくて、自棄(やけ)を通り越してテンションが上がってしまったようだね」

「お酒が入ると、みんなあんな感じになるよぉー。エールを沢山飲んでくれて、良い客だったねぇー」

「いえ、問題行動を起こす予兆が見えます。出禁にしましょう」

「顔は覚えた。今度来たら追い返す」

「こらこら、早計に判断しない」


 クルトについて話し合っていると、また顔見知りが来店してきた。


「お久しぶりです、クズノハさん。冒険者ギルドの掲示板を見て、来ました」


 来たのは五人組の冒険者。

 五人の内四人は知らないのだが、残り一人は私が大火傷を負った時、回復魔法を掛けてくれたルカである。

 五人という事で二つの席に案内をしてから、水とメニュー表を置く。


「クズノハさん、ちょっと聞きたいのですが……」


 ルカは立ち上がると私のすぐ横に来て小声で話し始める。


「そ、その……このお店はアナさんのお店ですよね」

「ええ、そうなります」

「この場にアナさんがいないって事は、厨房ですか?」

「ええ、そうなります」

「アナさんが料理を作っているんですか?」

「ええ、そうなります」

「そうですか。それは楽しみです」


 何が聞きたいのか、さっぱり分からない。


 席に戻ったルカは豚の香草焼きを注文。残りの人たちも肉料理とエールを注文した。

 その後、ルカは「美味い、さすがアナさん」と食べ続け、「また来ます」と帰っていった。

 どうやらルカはアナに気があるようだ。ここにきて、ようやく納得した。


 昼食を摂る習慣がないのに、昼を過ぎてもパラパラとお客は来てくれた。これも『女神の日』効果で、財布の紐と一緒にお腹も緩んでいるのだろう。

 とはいえ、未だに席が満席になる事はなく、良くも悪くものんびりと営業が出来た。

 

「レナちゃんが来たよー」


 約束通りレナは同僚と一緒に来店してくれた。

 

「素敵なお店ですね」

「ありがとー。みんなで頑張ったんだよー。特にあたしがねー。十人分ぐらい働いた気がするわー」


 林から案内をしてきたティアがそのまま接客をする。


「この小物、面白いね」

「これは西地区の辺鄙な場所にある変なおばあさんがやっているお店で買ったんだよー」

「ティアちゃん、この乾燥した花はわざと干からびさせているの?」

「そうだよー。長く楽しめる為にこうしているのー。おっちゃんとエーちゃんが作ったんだー」


 ティアは毎日足げなく冒険者ギルドに通っているので、レナ以外の職員にも親しくなっている。

 わいわいと楽しんでいる所に水を差すようで申し訳ないが、おっさんの私が水とメニュー表を持っていった。

 レナたちは「これ、美味しそう」「こっちがいい」と楽しそうにメニューを見る。そして、ソーセージの詰め合わせとサンドイッチを頼んだ。さすがに肉料理は頼まないね。


「それとワインをください」

「えーと……昼休憩ですよね。この後もお仕事があるのに、飲んで大丈夫ですか?」


 余計なお世話かもしれないが、勤務中にアルコールを摂るのはどうかと思う。


「ワインの一杯程度、飲んだ内に入りませんよ」

「そうそう、飲まなきゃやってられないって」

「『女神の日』ですからね。女神さまも少しだけ目を瞑ってくれます」

「そういう事で、みんなにワインをお願いします」


 女性陣の言い訳が飛び交う。

 まぁ、ここは異世界だし、車の運転をする訳ではないので、ワインの注文を受け取った。

 

「レナさん、ギルドの方はどうですか? やはり『女神の日』は忙しいですか?」

「ええ、もう目が回りそうですよ」

「冒険者とは関係ない仕事ばかり来るの」

「落とし物をしたとか、迷子になったとか、食い逃げされたとか」

「私たちは冒険者ギルドであって、衛兵じゃないってーの」


 美味しそうにワインを飲みながら、愚痴が始まった。


「約束した手前、忙しいのに無理に来てくれたのでは? と思ったので……」

「ふふふっ、心配してくださり、ありがとうございます」

「レナがずっと行きたい行きたいと言っていたんですよ。無理に来た訳ではないので、安心してください」

「それに仕事は男連中が引き受けていますから、私たちはのんびりと休憩します。と言う事でワインをお代わり」


 まだ料理が来ていないのに、すでに全員のグラスは空になっていた。完全にオフモードである。


「おや、レナちゃんじゃないかい」

「レナお姉ちゃん、お久しぶりです」


 『かぼちゃの馬車亭』の家族……ブルーノ、カルラ、カリーナが来店。

 レナとは親戚の間柄なので、隣の席を勧めた。


「カルラおばさんたちも休憩ですか?」

「午前の販売が終わって、夕方の仕込みを済ませたばかりだよ」

「今日も沢山のお客さんが来て、凄かったんだよ」


 レナ、カルラ、カリーナが楽しく会話をする。ブルーノはいつも通り一言も話さない。

 カルラたちにメニュー表を渡すと会話は止み、真剣に悩みだす。そして、カルラはソーセージの詰め合わせ、ブルーノとカリーナは豚と鶏の香草焼きを注文。さらにサンドイッチを単品で頼んだ。午前中の販売で疲れたのだろう、ガッツリと食べるつもりのようだ。


 しばらくして料理が運ばれる。

 ゴーレムのロックンを見て驚き、料理を食べて驚いてくれた。


 冒険者ギルドの女性陣は、「美味しい」としか言わなくなり、お互いの料理を分け合いながらワインを飲み続ける。

 ブルーノとカリーナは無言でガツガツと食べ続けるが、カルラだけは一口一口しっかりと味わって食べていた。


「クズノハさん、このソーセージは私が教えた方法で作ったのかい?」

「ええ、そうですよ。ただ色々と薬草を混ぜていますから、街で売っているソーセージとはちょっと違っています。一応、薬草料理店ですから」

「本当、クズノハさんたちには驚かされる。ちょっとした工夫でこうも味が変わるなんて……。このジャガイモもどうやって作ったのか分からないよ」


 ソーセージにマッシュポテトを乗せて食べたカルラは「うん、美味い」と食べ続ける。プロのパン屋さんも味に納得してくれたみたいで、ほっと胸を撫で下す。


「この柔らかいパン、カルラおばさんたちが作ったんですよね」

「良く分かったね、レナちゃん。まぁ、作り方はクズノハさんに教えてもらったんだけどね」

「パンの味が『カボチャの馬車亭』のパンの味ですから」

「今、この柔らかいパンでピザを作っている所さ。完成したら食べに来ておくれ」

「その時は泊まりで伺います」


 同僚の女性陣から「私も」と言うので、「その時は、無理矢理、部屋を空けておくよ」とカルラは笑った。

 いいな、私も泊まりでピザを食べたいな。


 若干、足元が危うい冒険者ギルドの職員とお腹が一杯で歩くのが辛そうな『カボチャの馬車亭』の家族が帰って行く。

 そのすぐ後、今度はチビで髭面のおっさん二人組が現れた。


「姫、来ましたぞ」

「酒を飲みに来ましたぞ」


 同じ顔で判断付かないが、たぶん武器屋を営んでいるガーリンとムーギのドワーフ師弟だろう。

 そんなドワーフ師弟にフィーリンは「いらっしゃーい、良く来たぁー」と酒器を持って近づく。

 

 うーん、フィーリンはどこにいってもドワーフから「姫」と呼ばれるんだね。


「お客さん、ここは食事処であって飲み屋じゃない。酒が飲みたかったら料理を注文してくれ」


 一緒に酒を飲もうとするフィーリンを押し退けたディルクは、睨むようにドワーフ師弟に言う。


 「面倒臭ーな。酒に合うのを適当に作ってくれ」


 それなら一番高い肉料理にしよう、と注文を通そうとすると、突如ティアがディルクの前に飛んできた。


「仕方ないわねー。今日はめでたい日だから特別にお酒だけでも良いわよー」


 そう言うなりティアは、歪な形をした瓶をフィーリンに渡した。


「フィーちゃん、相手をしてあげてー」

「分かったぁー」


 三分後、ドワーフ師弟が床に倒れ、大きな鼾をかく。そして、ティアに引き摺られ、外へと捨てられた。


 時刻は夕方手前。

 そろそろ閉店だな、と思っていた矢先、問題が発生した。

 店に入ってきたのは、冒険者ギルドのギルドマスターと数人の男性職員。


「まったく、お前たちの店のせいで、女連中が使い物にならなくなったぞ。もっと早く来るはずが、ギリギリになっちまった」


 女連中と言うのは、ワインをがぶ飲みしていったレナたちの事だろう。一応、忠告はしたし、レナたちは自分で判断できる大人なので、私たちには一切責任はない。


「席に案内します」

「ちょっと待ってくれ。連れがまだいる……ああ、来た来た」


 遅れて現れたのは、皺一つない質の良い服を着た神経質そうな男性と同じように綺麗な身なりをした男性数人。

 少し前に知り合った商業ギルドのギルドマスターと職員である。

 この場に冒険者ギルドと商業ギルドが集まるなんて、会合でも開くつもりかな?


「特別の日に、そんな事しません。普通に視察に来ただけです」

「何言ってんだ。早く仕事を終わらせろ、腹減った、早く行くぞ、って言っていたじゃねーか」

「私がそんな事を言う訳ない。仕事の一環でこのお店に来ただけで、食事を楽しむ為に来たのではないです」

「それならもう帰りな。店の様子は確認できただろ」

「ここは食事処ですよ。提供される料理を確認しなければ、意味がないでしょう」


 ギルマス同士言い合いが始まる。お供の人たちから「いつもの事です」と言って、メニュー表を見ながら、注文をしていった。

 

 料理が来る間、冒険者ギルドの人たちはエールを飲みながら、バカ笑いをしている。

 一方、商業ギルドの人たちは、リディーの掘った扉や椅子を見ながら「良い出来ですね」と店内を見て歩いていた。他にお客がいないので、好きにさせておく。

 ちなみに問題とは、彼らの事ではない。

 

 しばらくすると、別のお客が訪れた。

 身なりの良い中年の男性。ただ、どことなく陰湿な顔をしていて、あまり関わりたくない人物である。

 その男性には二人の付き添いがおり、こちらは平民服を着ていた。さらに腰には剣を下げており、目つきが悪かった。

 すぐさまディルクが接客に行き、注文を取ってくる。

 新しいお客が来た事でギルド連中は声のトーンを落とし、「うめー、うめー」と大人しく食事をする。

 そんな時……


「おい、この料理は何だ!」


 新しく入ってきた客から怒声が飛んだ。


 うわー、問題発生だよ。髪の毛でも入っていたのかな? 私じゃないからね。


 すぐさまディルクが向かい、事情を聞く。


「どうされました?」

「どうもこうもあるか! 私が扱っている料理が何でここにあるんだ!」

「……意味が分かりませんが?」

「ふん、何も知らんのか? 私はドントルフ商会の代表だぞ」


 ……知らん。


「我が商会は柔らかいパンを研究し、完成させた。まだ表に出ていないにも関わらず、この店に柔らかいパンが出ている。それがどういう事だと言っているんだ!」

「どうもこうも、あなたのお店とは関係なく独自に作ったからですが」

「そんな訳あるか! お前たちが盗んだに違いない!」

「言いがかりです」

「それなら作り方を言え! 作り方が違っていたら非を認めてやる! 我が商会の後ろには貴族様がいるからな!」


 そう言うなり付き添いの二人が立ち上がり、剣の鞘を触りながらニヤリとほくそ笑んだ。


「んっ、お前たち、どこかで見たな。……ああ、冒険者か」


 怒鳴られても落ち着いて対処していたディルクが、付き添いの二人を見て、呟いた。

 

「冒険者だと?」


 今まで黙って成り行きを見守っていた冒険者ギルドのギルドマスターが立ち上がり、ゆっくりと付き添いの二人に近づく。


「えっ、な、なんで、ギルマスがここに!?」

「何って、ここは飯屋だぞ。飯を食いに来ただけだ。それよりもお前たち、面白い仕事をしているじゃないか。少し話を聞かせてくれや」


 二人の間に入ったギルマスは、二人の肩に腕を回すと逃げられないように抱き寄せた。


「お前たち、何をしている! さっさとパンの作り方を吐かせろ!」

「ドントルフ商会と言えば……」


 ゆっくりとワインを嗜んでいた商業ギルドのギルドマスターが口を開いた。


「一年前に先代が亡くなりましたね。今は息子さんが継がれていると聞いています。あなたの事ですか?」

「何だ、貴様は?」

「おや、私の顔を知りませんか? 商会の代表なのに、私を知りませんか?」

「知るわけないだろ!」

「そうですか、私もまだまだですね。改めて紹介させてもらいます。商業ギルドを取り仕切っているマクシミリアンと申します」

「……はぁ? 商業ギルドの……ギルマス? 何でここに?」


 ポカーンと口を開く中年のおっさん。


「ただの視察です。それよりも、先代が亡くなったドントルフ商会は、今では下火。確か果実を扱っていたと記憶しているのですが、経営を立て直す為にいつからパン作りを始めたのですか?」

「そ、それは……」


 口ごもる中年のおっさんの左右に商業ギルドの職員が腕を掴む。


「ここでは何ですので、ギルドに行きましょう。貴族様の名前も出てきましたし、ゆっくりと聞きますよ」


 そう言うなりマクシミリアンは、「彼らの事は我々が引き受けます」と帰っていった。

 同じように冒険者ギルドの職員たちも「美味かった。また来るぜ」と付き添いの冒険者を引き摺りながら帰っていった。


「えーと……結局、何だったの?」

「いちゃもん付けて、料理の作り方を盗もうとしたんだろ」


 入口近くで様子を見ていたフリーデが教えてくれた。

 ああ、そう言う事。

 「不味い!」と言って、代金を返金させようとしたり、酔っぱらって喧嘩したりする問題は想定していたのだが、まさかレシピを聞き出そうとする悪質な客が来るとは……。色んなクレーム対応も考えていかなければいけないな。


 ちょっとした問題はあったが、この後は平和なものだった。

 再度ルカが一人で食事に来たり、青銅等級冒険者のヴェンデル、サシャ、マリアンネが閉店間際に訪れ、北門が閉まる前に急いで食べていったぐらいである。


 無事に閉店。

 沢山のお客が訪れる事はなかったが、ぽつりぽつりと休みなく来てくれて、みんな満足そうに帰ってくれた。

 色々と反省点や改善点はあるが、プレオープンは成功と言っていいだろう。

 これからは本格的に開店する為に準備をしていかなければいけない。

 とはいえ、それは明日以降の話。

 今日はこれから慰労を兼ねて、豪勢に食事会である。

 北門が閉まった事で、ディルクとフリーデもアナの家に泊まっていく。

 食べて、飲んで、騒ぐ。

 長く楽しい夜がゆっくりと更けていった。


 ちなみにデスフラワーの蜂蜜酒で酔い潰れたドワーフ師弟は、朝まで外で眠っていた。アルコールでなく睡眠薬でも入っているのだろうか?


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