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アケミおじさん奮闘記  作者: 庚サツキ
第二部 かしまし妖精と料理人冒険者

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120 女神の日 その5

 ドワーフ師弟に別れを告げてから、ズタ袋に入れたティアを回収する。

 いつの間にか、静かになっている袋を開けると、凄い勢いでティアが飛び出してきた。

 わーわーと騒ぐが、三メートルも歩けば普段のティアへと落ち着いた。鶏みたいな妖精である。

 その後、東地区では、アナがフライパンや鍋をいくつか購入して終わった。


 冒険者ギルドのある中央広場へ戻ったら、十字路の手前に人だかりが出来ているのに気が付いた。

 興味を引かれたので、人だかりに近づくと歌が聞こえる。

 鍔の広い帽子を被った三人の男性が、リュートとホーンパイプの音色に合わせて歌を歌っていた。


「吟遊詩人です。前の方へ行きましょう、ご主人さま」


 珍しく興味を持ったエーリカが、前へ前へと進む。私たちもエーリカに合わせて、聴きやすい場所まで移動した。

 吟遊詩人とは、街や村を周り、物語や伝説、または英雄譚を歌で広めていく流浪のストリートミュージシャンである。

 ただ、ゲームや小説に出てくる吟遊詩人は、細身のイケメンが定番であるが、今、私たちの目の前にいる吟遊詩人は、ビール腹の太ったおっさん三人組であった。

 リュートやホーンパイプの演奏は、特別、惹かれるものはない。歌を歌っている男性は、濁声で何を言っているのか分からない。

 音楽に詳しくない私であるが、決して上手いとは言えない吟遊詩人三人組である。

 だが、その上手くない歌を住民は熱心に聞いている。それだけ娯楽に乏しい世界なのだろう。


「これって歌なんだよね?」


 私は隣にいるアナに尋ねた。

 日本で聞かれる音楽とは少し違い、リュートとホーンパイプのメロディーの上から、詩を語っているだけに聞こえる。もしかした、ただの詩の朗読会だったかもしれない。


「はい、子供たちでも知っている英雄譚です。定番の一つですね」


 よく見ると、一番先頭で数人の子供たちが目を輝かしながら熱心に吟遊詩人の歌を聞いていた。

 おっさんの濁声では何を言っているのか理解できない私は、アナから簡単な歌の内容を聞いてみた。

 

 ある国のある姫が、悪しき竜に誘拐される。

 姫を助ける為、一人の騎士が単身で悪しき竜の住処へ向かう。

 騎士は、悪しき竜の部下を次々と倒し、ボスである悪しき竜も三日三晩の闘いの末、勝利を掴むのであった。

 無事に姫を助けだした騎士は、褒美に姫と結婚し、最後は国の王へと成った。


 という、勧善懲悪、成り上がり系物語である。

 竜って人を誘拐するの? どうして騎士は一人だけで向かったの? 一国の姫を助けたからって、騎士と姫が結婚できるの? と色々とツッコミどころの多い物語であるが、一応、この世界の定番物語との事である。

 釈然としない物語であるが、私と違いエーリカは、子供たちに交じって熱心に歌を聞き入っていた。

 私の事と食い物以外に興味が引かれるものがあるとは思わなかった。


「エーリカ、吟遊詩人に興味があるの?」

「いえ、吟遊詩人や歌に興味はありません。内容を聞きたかったのです。とても参考になります」


 参考っていうのがよく分からないが、夢中で歌を聞いているので、そっとしておこう。


 歌と言えばティアである。アナの肩の上で歌を聞いているティアを見る。


「ティア、一応言っておくけど、演奏がいまいちだからって急に参加しちゃ駄目だからね」


 騒ぐのが好きなティアが、三人の吟遊詩人を押しのけて、自分の演奏会を始めないように釘を刺しておく。


「そんな事しないわよー。あたしは高いんだからー」


 どんな基準か分からないが、簡単に人前で演奏をしないと言い張るティアに胸を撫でおろす。


 吟遊詩人の歌が終わると、観客は各々小銭を握って、吟遊詩人が突き出した帽子の中に入れていく。

 私たちも小銅貨数枚を入れて、その場を後にした。



「なんか北門の方へ人が流れているわねー」


 私たちの目の前をヒラヒラと飛んでいるティアが北の方を向いて指摘する。

 確かに子連れの家族を中心に、北へと人の流れが出来ていた。


「私は行った事がないのですが、遊具や見世物などの催し物をしている場所がありますよ」


 アナの説明を聞くと、映画とかである移動遊園地みたいな場所があるそうだ。

 興味が出た私たちは、その場所まで向かうと懐かしさと不安が胸を襲った。

 そこはエーリカと出会った奴隷商会であった。

 奴隷商会は、大きなテントを畳み、広くなった敷地に色々な催し物をしていた。

 至る所で音楽を奏でる係員がいたり、魔術か魔法か分からないが、花火のようなものを打ち鳴らして、祭を盛り上げている。

 沢山の大人や子供が集まり、街のどこよりも賑やかであった。


 催し物は、食べ物を扱っている屋台から始まり、射的、輪投げ、ハンマー打ち、迷路と色々な娯楽施設もある。

 それを見て喜々と飛んで行ったティアを追いかけるように私たちも娯楽会場へ向かう。


 まずは、射的屋。

 射的は、銃ではなく弓矢を使って的に当てた点数で景品が貰えるゲームだ。

 玩具のような弓矢な為、三メートルしか的が離れていないにも関わらず、矢がそこまで届かない。点数以前の問題であり、客からブーイングが飛んでいる。だが、店員であるホビットが試し撃ちすると、パスパスとど真ん中に当てて、客の苦情を黙らせていた。

 私たちの中で唯一的に当てる事が出来たのは、エーリカだけであった。ただ、的には当てたが、高得点にはいかず、景品は貰えなかった。

 ちなみに妖精用の弓矢がなく、不参加を余儀なくしたティアはぶーたれていた。

 

 次は輪投げをした。

 使われる輪は、馬の蹄につける蹄鉄(ていてつ)だ。

 的は生首ではなく、普通の杭である。うむ、狂人の村じゃなくて良かった。

 蹄鉄は、思いのほか重く、そして上手く投げる事が出来ず、私は惨憺(さんたん)たる結果で終わった。

 私たちの中で高得点を取ったアナは、景品として歪な形をした木彫りの熊を貰っていた。


 蹄鉄投げの次は、ハンマー打ちをしてみた。

 ハンマー打ちは、地面に置かれた的に向かってハンマーで打つと、衝撃で重りが飛び出し、一番上にある鐘を鳴らす事が出来れば景品が貰えるゲームである。

 ここは私の出番だ! と自慢の筋肉を膨らませながら挑んだが、ハンマーを持ち上げる事すら出来ずリタイアしてしまった。

 「情けないわねー。あたしが代わりにやってやるわー」とティアが鼻息を荒くしていると、二メートル近い筋骨隆々の係員が「妖精の嬢ちゃんが束になっても無理だ」と苦笑していた。

 その言葉に闘志を燃やしたティアは、二人に分身すると軽々とハンマーを持ち上げて、見事、鐘を鳴らし係員を驚かせたのであった。

 鐘を鳴らした景品は、石を削った腕輪である。魔石も魔法陣もない、ただの石の腕輪。

 これで筋肉トレーニングでもしろと言うのだろうか?


 お次は、迷路を試してみた。

 ベニヤ板で作った安価な迷路である。

 私とアナの二人で挑んだら、出口に辿りつけずに迷子になってしまった。

 二人で涙目になりながら、空を飛べるティアに助けを求めて、無事に出口へ到着。

 まったく出口らしき場所に辿りつけなかったので、妖精に化かされた気分である。まぁ、その妖精に助けられたのだが……。


 あっ、メリーゴーランドがある!


 乗るつもりはないのに、つい懐かしくて近くまで見に行く。

 メリーゴーランドは、円形の舞台に木製の馬を設置してある手作り感満載のお粗末な代物であった。その日曜大工で作ったような舞台は、係員が人力でグルグルと回して動かしている。

 笑っちゃうような回転遊具であるが、木馬に跨っている子供たちは楽しそうである。

 「お金を出してあげるから乗ってみる?」と親切心でティアに言ってみたが、「毎日、クロちゃんたちに乗っているのよ。わざわざ乗らないわよー」と断られた。

 「エーリカは?」と尋ねると、「ご主人さまと一緒なら」と返ってきた。

 何の罰ゲームだ!?



 一通り、娯楽施設を堪能した私たちは、中央の広場まで進んだ。

 広場には、色々な大道芸人がいて、色々な芸を披露している。

 足に竹馬を付けた芸人が、バランスを取りながらナイフでジャグリングしている。

 太い鎖でグルグル巻きにされたボディービルダーのような男が、筋肉だけで鎖を引きちぎっている。

 丸太に向かって四本のショートソードを高速で動かす多腕の獣人族は、猫の像を作っていた。ただ、華麗な剣技に対して、猫の像の完成度は非常に低いのが泣けてくる。

 芸人の中にはガマの油売りみたいに、自分の腕を剣で傷を付けてから自家製の傷薬を塗っている薬草売りまでいた。


「冒険者みたいな芸人ばかりだね」

「彼らは全員、奴隷商の奴隷です。自分たちの能力を客に見せているのでしょう」


 エーリカに指摘されて改めて見ると、どの奴隷も金額が書かれた名札を首に下げていた。

 その姿に遣る瀬無い気持ちになってしまい、これがこの世界の常識なのだと思い知らされる。

 ただ、彼ら全員、客の前で楽しそうに芸をして、盛大な拍手を貰うと嬉しそうに笑っている。奴隷とはいえ、決してどん底の人生ではなく、自分の価値を高め、より良い主人に買われる為の就職活動中なのだと理解した。

 ただ、色々な芸を見せている奴隷の中で、これ実用性あるの? と疑問に思う奴隷もいる。

 硬い岩を歯で齧って粉々にする芸を見せている奴隷である。これを見て、買う人はいるのだろうか?



 敷地の奥の方に、簡易のテントが張られた見世物小屋らしき場所があった。

 ウサギの姿をした二足歩行のワーラビットが受付をしており、「怖いですよー」と(あお)っている。

 怖い物見たさで、数人の客がテントに入って行くのが見えるが、私はどうも気が進まない。

 見世物小屋とは、奇妙で、怖くて、猥褻な物を見世物にして、お客の常識を塗りつぶす場所である。

 時代によっては、最先端科学を見せたり、タネのあるマジックで客を驚かせたりしたのだが、見世物小屋のメインとなるのは、奇形の人間を見世物にしていた事だろう。

 色々なフリークス映画を見てきた私ではあるが、実際に客として見に行くとなると、心に葛藤が起きる。

 世界も時代も文化も違うのだが、どうしてもデリケートな問題であると認識しているので、みんなには入るのを止めようと伝えた。


「たぶん、おじ様が思っているような場所ではないと思いますよ」

「そうそう、嫌ならすぐに出れば良いんだし、試しに入ってみよー」


 一通り見て回りたいティアは、私の気持ちも考えず、受付で入場料を払って、さっさとテントの中へ入っていった。

 仕方なくティアの後を追う。私の気持ちを悟ったエーリカが手を握ってくれるのが少し嬉しい。

 テントに入ると、私が不愉快になる場所ではないと、すぐに分かった。

 テントに入ってすぐに、色取り取りのスライムがお出迎えしてくれたのだ。

 通路の左右に柵が作られ、多数のスライムがうねうねプルプルと動いている。それはさながらスライム畑であった。

 その奥には、檻に入れられているホーンラビットやスモールウルフ、牙の長いトラと色々な種類の魔物が展示されていた。

 そして、どの檻にも魔物の名前と金額が書かれた木札が立て掛けてある。

 そう言えば、初めて奴隷商会に行った時、魔物の販売もしていると話を聞いたな。

 これは所謂、魔物の見世物小屋兼ペットショップなのだろう。

 まぁ、よくよく考えてみれば、二足歩行のウサギがいたり、腕が四本もある獣人族がいたり、石を歯で砕く大男が見世物小屋の外にいたのだ。余程珍しい物を展示しない限り、客からブーイングがくるだろう。例えば、目の前を飛んでいる妖精を見世物にするぐらいしないとね。


「特に怖くはないね。ウサギの受付さんは、ホラを吹いて、客引きをしたのかな?」


 何種類もの鳥の魔物を見ながら、疑問に思った事を呟いた。

 普通の人間からしたら、魔物というだけで恐ろしいのかもしれない。ただ、ここに展示されている魔物は、どれも大人しく、檻の中で悠々自適に過ごしているのだ。

 決して、怖い見世物ではない。


「この先に何かありますよ」


 アナが示す場所は、出口手前にある別の部屋へと通じる扉であった。

 扉の前まで行くと、『この先、勇気のある方のみ、入場するように』と注意事項が書かれた札が掲げられている。

 怖いものがあるのは、この部屋らしい。

 

「何があるか、楽しみねー」


 恐怖心ゼロで好奇心百パーセントのティアが、躊躇(ためら)う事もなく扉を開けて、中へ入ってしまった。

 注意書きを見て怖気づいている私は、仕方なく恐る恐る中へ入る。

 そして……。



 ………………

 …………

 ……

 


「うぎゃゃーー!?」

「いやぁぁーー!?」


 私とアナは、叫び声を上げながら出口へと走った。

 とても恐ろしい場所だった。

 思い出しただけで全身が総毛だつ。

 

「おっちゃんもアナちゃんも大袈裟ねー」

「見るだけなら、特に害はありません」


 余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)のティアとエーリカは、ゆっくりと恐怖部屋を堪能してから、私たちのいる外へと出てきた。

 私たちが入った恐怖の部屋は、虫やゲテモノの魔物を展示してある場所だった。

 入ってすぐは、大型のカナブンやカマキリなどの昆虫でまだ興味深く見れた。

 次第に、蜘蛛や蛾、羽の生えたムカデと難易度が上がり、巨体なゴキブリやナメクジ、芋虫などが展示されている所で、私とアナはギブアップしたのである。

 さすが魔物と言うべきか、普通の昆虫に比べ、気味の悪い色をしていたり、変な形をしていたり、とても大きかったりと、想像を絶する生き物であった。

 今日ほど異世界が怖いと思った事はない。


「あれを考えた人、絶対に性格が悪いわ!」

「ま、まったくです……はぃ……」

「お褒めの言葉と受け取っておきます」


 アナと一緒に地面に丸まって鳥肌を擦っていると、背後から男性の声が聞こえる。

 声の方を見ると、カイゼル髭を生やした、質の良いスーツと中折れハットを被った小太りの中年男性が、ニコニコしながら立っていた。


 この人、どこかで見たな?

 

 私が首を傾けて考えていると、「奴隷商会の代表です」とエーリカが教えてくれた。


「覚えていてくれて嬉しく思います。ブルクハルト奴隷商会二代目のベネディクト・ブルクハルトです。ベディと呼んでくれて構いません」


 懐かしそうにエーリカを見つめる奴隷商。

 魔力切れで本当の人形になっていたエーリカを所有していた人物だ。私が成り行きでエーリカと契約した事で、このおっさんから借金をしているのを思い出した。


「わたくしたちの催し物をご堪能しているようで、とても嬉しく思います」

「え、ええ……とても楽しませてもらっています」


 青褪めている私の顔を見ながら、嬉しそうに微笑むカイゼル髭の奴隷商。ゲテモノ展示会を主催した人物でなければ、良い人そうに見えるのだが……。


「わたくしの家族は、自分の価値を沢山のお客様に見定めてもらえるように、今日に備えて切磋琢磨しておりました。その成果を実感する次第であります」


 ニコニコと嬉しそうに語る奴隷商の瞳がキラリと光り、続きを話し始める。


「お客様も冒険者として、日々努力をしている事は、わたくしの耳にも入っております。明後日の返済日が楽しみであります」


 奴隷商が、借金返済の催促を突っ込んできた。忘れてくれても私は構わないのだが……。


「ええ、すでに目途が立っていますので、二日後の最終日には返せると思います」

「それは重畳(ちょうじょう)


 明日は貴族の誕生日だ。上手く誕生日会を終わらせれば依頼料が入る。貴族からの正式な依頼だ。依頼料は教えてもらっていないが、期待しても良いだろう。

 

「わたくしは商人で、口約束とはいえ、契約はしっかりと守らせてもらいます。故にお客様もそれ相応の覚悟でお願いします」


 ニコニコ顔から真面目な顔になった奴隷商を見て、私はゴクリと喉を鳴らす。


「ただ、お客様の場合、少し特殊な案件でしたので、もし返済に間に合わなくても、奴隷堕ちは回避できるでしょう」

「も、もし、返せなかったら、延期も可能でしょうか?」

「いえ、返済期間はお客様が定めたものです。もし、延期をご希望なら返せる見込みがないと判断し、利息を含めた金額分、わたくしの奴隷商会で働いてもらう事になります」


 奴隷商があくどい顔をしている。これは働いても利息分しか払えず、一生、元本が減らないパターンだ。

 

「非常に優秀な方が働いてくれますと、こちらも嬉しく思います」


 奴隷商は、チラリとエーリカを見る。

 エーリカは、奴隷商の目から隠れるように私の背後へ移動した。


「そうそう、あちらの方で闘技場を設けております。賭け事もしておりますので、お時間がありましたら、そちらもご覧になってはいかがですか?」


 そう言うなり、奴隷商は、嬉しそうに立ち去っていった。

 あれか? 賭け事をして借金分を稼げという事か? それとも賭け事で散財し、奴隷商会の社畜になれという事だろうか?

 まぁ、未成年なのでギャンブルはしないけどね。



 奴隷商に言われたからという訳ではないが、私たちは闘技場へと足を運んだ。

 魔物同士で戦わせて賭けを行うのかと思ったが、純粋に人間同士が円形のリングで殴りあっていた。

 両手に麻布を巻いただけの殴り合い。蹴りも寝技もありのフリースタイル。ただ、武器の使用は禁止らしい。リアルファイトクラブである。

 奴隷を相手に腕っぷしに自信のある素人や冒険者が挑むルールらしい。

 現在、細マッチョの奴隷が、鍛冶屋をしていそうな大男を易々と殴り倒していた。

 リングを囲んで賭け事をしていた大人たちは、それを見て、大興奮している。

 ギャンブルに興味はないし、あまりにも痛々しいので、私たちはすぐにその場を離れた。

 


 その後、屋台で少し腹ごしらえをしたり、細々とした催し物を見て回ると良い時間になっていた。

 この世界に来て、初めて遊んだ気分である。

 みんなと一緒に街を練り歩き、色々なものを買って、色々なゲームや催し物を体験した。

 とても有意義な時間を過ごし、心は晴れ晴れしている。

 二十日に一度の『女神の日』。また、次もみんなで回りたい。

 こうして、私たちは『女神の日』のお祭りを満喫し、夕方の販売に向けて『カボチャの馬車亭』へ戻っていった。


娯楽の少ない異世界でも、親しき仲間といれば、それなりに楽しめたようです。

良かったね。

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