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翌朝、部屋に差し込んだ朝日がラミルの顔を照らし、目を覚ました。
ベッドの側でうたた寝をしているナナを抱き上げ、自分の寝ていたベッドに横たえようとすると、ナナは目を覚ました。
「あなた・・・もう体は大丈夫なの?」
「ああ、もうすっかり平気だよ、ところでレイラは?」
「隣の部屋で寝ているわ、すぐに王宮に行くの?」
「王様に報告しないとな。でもその前にレイラに聞いておかなければならないことがある」
「そう、今から食事の支度をするから、レイラちゃんを起こして少し外の空気でも吸って話しをしてきたら?」
ラミルはレイラを起こし、外へと誘い出した。
「レイラ、レミル様からジゼルのことは色々聞けたか?」
「うん、私とお兄ちゃんがレミル様の子孫だってこと、それと健人と言う人も?」
(えっ?俺のことも?)
(健人、少し代わろうよ、レイラと話せよ)
「レミル様は、健人のことを何て?」
「あなた、お兄ちゃんじゃなくて健人ね、私にはわかるわ」
「・・・」
「不思議ね、千数百年後の私の子孫と、こうして話しができるのだから」
「そうですね、レイラ様・・・」
「レイラでいいわ、それにしても、本当にありがとう。今回も、そして8年前も兄を助けてくれて、アルムの国、そして多くの人を救ってくれた・・・本当にありがとう」
健人はしばらくレイラと会話すると、ラミルと代わった。
「お兄ちゃんに戻ったみたいね・・・」
「レイラ、その他にレミル様は何か言っていなかったか?」
「別に・・・」
「そうか・・・」
「どうかしたの?」
「健人がまだ僕の中にいると言うことは、まだ何かやり残したことがあるってことだ、やはりすぐにでもレミル様に会いにいかないとまずいな」
ラミルはナナが用意した食事を済ませるとすぐに王宮へ向かい、王様に全てを報告し終えると兵士の部屋に行ってシールを探した。
「シールでしたら中庭にいると思いますが」
中庭に行ってみると亡骸が片付けられた中庭でシールは剣を振っている。
「シール、ずいぶんと熱心だな」
「はい、実は昨日ラミル様がダルガムと戦っているのを見て、まだまだ鍛錬が必要だと」
「良い心がけだと思うぞ」
「ラミル様、1つ聞いてよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「ダルガムと戦っている時、ラミル様には余裕が感じられたのですが・・・」
「余裕か・・・ダルガムは他の戦闘士よりは強かったから楽勝と言うわけではなかったが、確かに全力は出していなかったな」
「私に剣を教えてくれたときも本気ではなかった訳ですよね?」
「本気?全力を出した俺に勝てると思っていたのか?」
「・・・」
「それはまだ無理だろう、経験が違うからな」
笑いながらシールの頭を撫でた。
「お前が戦士になれるように、これからも鍛えてやるよ・・・ところで、今からジゼルへ行く、急いでいるからデルガで移動したいんだ、お前も来てくれ」




