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ダルガムは近づいてくるシールの迫力に怯え、魔導師や魔法師を盾にして後退している。
「シール、そこまでだ!」
シールがラミルを見て立ち止まる。
「ここからは王としての私の戦いだ、ダルガム、王を名乗るならば私と正々堂々戦え!」
ラミルは王の剣を鞘におさめながらダルガムの方へと近づいていき、ダルガムたちを威嚇し続けているシールの側へ来ると、その肩に手をおいた。
「ここからは俺に与えられた使命だ、お前は手を出すな」
そう言ってシールの肩を叩くと、シールは頷いて剣を構えたまま後ろへ下がり、ラミルは魔法師たちに囲まれたダルガムを見る。
「ダルガム、もうお前を守る戦闘士たちはいない、魔法師たちのいかなる呪文もこの鎧には通用しない、ここからは剣の実力だけで戦え!」
魔法師たちは恐怖に錯乱しているのか、一斉にハスやサンデルといった防御呪文をラミルに浴びせるが、王の鎧が全ての呪文を吸い込むようにハスの竜巻は消え、サンデルの雷は地面へと吸い込まれていく。
「言った意味がわからないのか?呪文は無駄だと言ったはずだ」
もはや成す術も無いと悟った魔法師たちはダルガムと共にジリジリと後ずさりしていき、ラミルの隙を見てデルガを唱えようとした瞬間、健人が叫んだ。
「カース!」
魔法師たちがデルガを唱える寸前にラミルの呪文が響き、魔法師たちがデルガを唱える声だけが響いたが何も起こらない。
「くそっ、何をした、呪文が効かない・・・」
「もう逃がさない、お前たちの呪文も俺の呪文も、全ての呪文を封じた」
魔法師たちがラミルから逃れようと背を向けて駆け出すと、後ろにいたシールは魔法師たちの前へと素早く回りこみ、1人の魔法師の鼻先に剣を突きつける。
「逃がさない、貴様たちの罪を許すわけにはいかない」
「わ、我々は何もしていない、全てダルガムの命令でやっただけだ」
それを聞いた健人が声を上げる。
「いまさら・・・全てダルガムの命令か、だがな、アーシャ様を氷の棺から出して死の谷へ落として汚した事、そして儀式の間やこの町を汚した罪は許さねえ、シール、そいつらはお前に任せる、呪文が使えなければ魔法師も魔導師もただの人だ、だが武器を持っていないからと言って、手加減はするなよ」
シールはラミルの言葉に頷くと、再び魔法師たちと向き合った。
「お前たちの相手は僕だ」
魔法師たちは呪文を封じられ、逃げ道さえも閉ざされ、もはやどうすることもできない。
武器を持たない魔法師たちは一斉にシールに飛び掛かるしかなかったが、素手でシールに勝てるはずなど無く、次々と一撃で致命傷を与えられて倒されていった。




