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愛しき妹を守れ(Dark 2)  作者: 赤岩実
最終決戦、そして最後の使命
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「ラミルだ!ラミルがいるぞ・・・」

 シールと2人だけのラミルを見て、クルアが大声を上げた。

「ラミル、よく逃げずに来たな、愛しい女が死んで恐れをなして逃げたかと思ったぞ」

 その言葉に健人は鋭い目つきでダルガムたちを睨みつけた。

「俺がてめえらを恐れるだと?笑わせんなよ、やばくなるといつも逃げんのはてめえらだろ」

 健人は太陽の剣を抜いた、シールも風の剣を構える。

「たった2人で何ができる、歴代の王たちとともに、ここにお前たちの墓を作ってやる」

「数が多いから勝てると思っているのか?何をしても無理だ、俺は卑怯者には絶対に負けない!」

 ラミルは左手で王の剣も抜くと、逆手に持ち替えてシールに小声で話しかける。

「まずは雑魚どもを片付ける、時間をかけている余裕は無いから最初から全開でいくぞ!」

「はい」

 シールは昨日ラミルに言われたように剣に集中した、竜巻は現われていないが、まるで全身の神経が研ぎ澄まされたように力が漲ってくる。

 健人も全ての腕輪に集中したが、剣は何も反応せず、緑色のまま輝くこともない。

(やっぱりだめか、しかたない、やはり剣の力はあてにできないな)

 健人は兵士たちに向かって駆け出した。

 同時にシールも異なる方向に駆け出して兵士たちとの交戦がはじまる。

 昨日、大半の兵士を片付けたと言っても、まだ多く残っている兵士を前にしてシールの集中が高まると、それと同時に剣が反応して大きな竜巻が現われた、今まで見たことのないほどの大きな竜巻にシールは驚いたが、それと同時に頭の中には発する呪文が浮かんできて、剣を大きく振り上げ、呪文を唱えながらいっきに振り下ろす。

「ハリスシオン!」

 目の前にいた十人以上いる兵士たちがその大きな竜巻によって身動きができなくなり、ハルスのようにその竜巻の中にもう1度呪文を唱えなくてもそのまま砕け散っていくのを見てシールは威力の強大さに驚いている。

「す、凄い、この剣にはこんな力があるのか」

 健人は剣の力が使えないため、左手に王の剣を逆手に握り、右手の大地の剣で兵士の攻撃をかわしながら左手の剣で兵士を倒していく、呪文を使ったときのように1度に多くを倒すことはできないが、敵の首を狙って一撃で致命傷を与えることで、治癒呪文では傷を癒すことができないようにして倒していく。

 シールがハリスシオンを使ったため多くの兵士を瞬く間に倒すことができた。

「く、くそっ!貴様ら、よくも・・・」

 2人の前にようやく戦闘士が出てきて立ちはだかった、魔導師や魔法師はダルガムを囲むように立ち、いつでも呪文を唱えられるように身構えている。

「シール、敵が放つ呪文など気にするな、俺たちの鎧に呪文は通じない!」

 シールは頷くと、目の前に立っているハリスを睨みつけた。

「いくらこの中では弱い私でも、戦闘士の末裔であるこの私が、こんな小僧に負けるわけが無い」

「戦闘士・・・魔闘士とはどっちが上だ?俺は魔闘士だ」

「な、なにっ?魔闘士だと・・・こ、小癪な」

 ハリスは睨み返してシールに襲いかかった、城ではあれほど怯えていたと言っても、戦闘士の末裔だけあってさっきまで戦っていた兵士より動きは良いが、ラミルと健人に鍛えられたシールにはその攻撃は止まっているに等しく、ハリスの剣を一撃で弾き飛ばすと風の剣を横に素早く振り抜いてその首を落とした。

「やはりお前より、俺の方が強かったな」

 今度はジョラがシールの前に立ちはだかる。

「お前は魔闘士の末裔か、相手にとって不足は無い、今度は俺が相手だ」

 ジョラはいきなりブラズを唱えた。

 シールがいる周囲の空気中の水分が凍りだしてシールを動けなくしようとするが、シールの体を凍りつかせることはできず、シールは簡単に剣で氷を打ち砕いていく。

「呪文が効かないだと・・・」

「お前、さっきラミル様が言っていたのが聞こえなかったのか、この鎧に呪文は効かないよ」

 シールはニヤリと笑って剣を振り下ろした。

 ジョラは下がってなんとかその攻撃をかわしたが、その瞬間シールの頭の中に呪文が現われ、振り下ろした剣をジョラに向かって今度は右上に振り上げながら呪文を唱えた。

「メル!」

 ジョラにはその呪文によって自分に何が起こったのかすぐには解らなかったが、徐々にジョラの周囲だけ空気が薄くなってきていた、少しずつ呼吸が苦しくなっていくのを感じたジョラは剣を放り投げると両手で首を押さえて大きく口を開けてもがき始める。

 シールは、もがき苦しんでいるジョラの背後に回ると、その首筋めがけて剣を振りおろし、ジョラは絶叫をあげることもできぬまま地面に崩れ落ちた。

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