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2人は数回のデルガを使って、ジゼルに姿を現わした。
「シール、待ち伏せしているかもしれないから油断するな!」
王家の家のある広場に向かってゆっくりと歩いていくが、敵がいる気配は感じられない。
「奴らはまだ体勢を整えることができていないのでしょうか?」
「シール、油断するな、奴らも治癒呪文を使うんだ。昨日ほとんどの兵は倒したが、何が起こるかわからない」
しかし、待ち伏せされているようすもなく、王家の家までやってきた。
「どうやらまだ来ていないようだな、試練の間にいるレイラの様子を見てくるか」
2人が儀式の間へ入ろうとした時、健人にはレミルの声が聞こえた。
健人よ、お前たちを試練の間へ入れるわけにはいかぬ。
(なぜですか?シールがいるからですか?)
違う・・・もう1人の我が子孫、ラミルの心・・・ラミルよ、聞こえているであろう
(はい・・・)
お前はなぜ戦おうとしない?
(・・・)
ナナを失った悲しみはわかる。
しかし、お前はジゼルの王だ。
同じ末裔たちが、過ちを犯していることを正そうとしないのか?
(レミル様が言っていることはわかりますが・・・)
敵が迫っている、まもなくここへやってくる。
(やつらが・・・すでにジゼルの領域内に入っているのですか?)
そうだ、前にも話したが、あの者たちを倒すのは、お前たちの使命だ。
わかったな、ラミル、あの愚かな者たちを倒すのだ。
レミルの声は聞こえなくなった。
(ラミル・・・戦えるか?)
(健人・・・僕はまだそんな気になれない・・・)
(そうか、わかったよ、もう少し時間が必要なようだな・・・)
健人はシールを振り返った、精悍な目つきでシールを見る。
「シール、奴らはすぐそこまで来ているようだ、覚悟は良いか?」
「はい」
シールも覚悟を決めた目でラミルを見てから自分の右拳を見つめた。
2人は儀式の間から離れて、王家の家の前に立った。
健人とシールが待つ目の前に、ダルガムが多くの兵士を伴ってゆっくりと近づいてきた。




