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ロザイルとラミルが駆け寄ってラミルは剣を構えてクルアと向き合い、ロザイルがカーズを抱きあげる。
「カーズ、しっかりしろ、カーズ」
すでに反応が無い。
「ロザイル、急いでカーズを連れて町へ入れ、ここは僕とシールが・・・」
ロザイルはカーズを抱き上げたが、残っている敵兵に囲まれて町には近づけない。
「ラミル、だめだ、カーズを連れて行くには敵が多すぎる」
「シール!ロザイルを援護しろ」
シールは目の前の兵を倒してロザイルの側へ駆け寄ると、ロザイルを援護するように敵兵を倒しながら町へと近づいていく。
ラミルは、呪文を使わずに戦っているシールに向かって叫んだ。
「シール、剣に気持ちを集中しろ、呪文だ、そんな雑魚にいつまでも構っているな!」
シールは言われたように剣に集中した。剣先に小さな竜巻が巻き起こり、その剣先を相手に向けて頭に浮かんできた呪文を大声で叫ぶ。
「ハルス!」
数人の兵士が竜巻に巻き込まれて身動きができなくなった、それを見たラミルが再び叫ぶ。
「もう一度だ、その竜巻にもう一度ハルスを叩き込め!」
シールは竜巻に接近すると、再び大声で呪文を叫んで剣を振りおろした。
「ハルス!」
竜巻に包まれていた敵兵が二度目のハルスによって跡形も無く吹き飛ぶと、近くにいた敵兵だけでなくシール自身も剣を見て驚いている。
「何をしている、急げ、急いでカーズを町の中へ・・・」
ロザイルとシールはカーズを抱え上げてザハールの城壁の中へと走り込んでいった。
クルアはラミル相手に1人では分が悪いと感じたのか、ラミルの動きを慎重に見ながらジリジリと下がっていく。
「なんだ、てめえ、怖気づいたのか、そうだよな、おまえらは自分より強い相手が現れると逃げるんだよな」
「うるさい、私はダルガム様を補佐しなければならない身、他の兵士たちと一緒にするな」
「雑魚でもなんでも構わねえよ、ナナだけじゃなくカーズまで・・・お前らは絶対に許さねえ」
クルアは通用しないとわかっていながらも、呪文を連発して距離を開けていく。
クルアとラミルを見ていたダルガムは、体勢を整えるために一時退却を考えていて、近くにいた魔法師を呼ぶと、デルガを使ってジゼルへ逃げ込むことを指示する。
魔法師が妙な格好をして手を上げた、何かの合図なのか兵士や生き残った戦闘士たちが一斉にダルガムの周りを囲んだ。
「ラミルよ、ここは一時引いてやる、お前との決着はジゼルでつけてやる、待っているぞ」
ダルガムが言い捨てると、周りの魔法師たちが一斉に呪文を唱えた。
「デルガ!・・・」
呪文が木霊し、神の戦士たちはラミルの前から姿を消した。
(また逃げやがったか・・・)
(ラミル、急いで町に戻ってカーズにケールを施すんだ!)
ラミルは急いでザハールの町の中に駆けていく。




