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近くにいた戦士がナナを助けに行こうとしたが、魔導師はその戦士にもハスを放って動けなくさせると、戦闘士のジョラはその戦士を蹂躙するようになぶり殺しにした。
あまりにも残酷なやり方にアルムの兵士たちは恐怖で動けなくなったしまったが、それを見ていた戦闘士のヘルは顔色1つ変えず、向き直してナナを見下ろした。
「なんだ、こいつ女ではないか、呪術を使うとはお前も我々と同じ末裔か?」
「わ、た、し、は・・・ち、が、う」
サンデルで身動きできなくなっているが、やっとのことで言葉を返す。
「女が戦士の鎧を着て出てくるとはアルムの戦士はたいしたことはないようだな」
嘲笑うようにナナを見下ろしながら言い放つ。
「お前のように呪術を使う奴は、早めに始末しておかないとな」
ヘルは剣を抜くと、動けなくなったナナの腹部の鎧の隙間へ突き立てた。
「きゃあああああ」
血飛沫と共にナナが絶叫を上げる。
ヘルは、ナナが息絶えるのを確認すると、剣を抜いて紅く染まった剣を高々と掲げた。
「この女のようになりたくなかったら、大人しく降参して我々に王宮を明け渡せ!」
ダルガムはその声を聞き、高らかにそして自慢げに声を上げた。
「アルシードよ、聞いたか、この国の戦士など我々の相手ではない。さっさと降伏しろ、さもないと、ここにいる者だけでなく町の者も1人残らず惨殺する」
王宮の高台でその戦いを見ていたアルシードが嘆いた。
「まさか・・・あのナナでさえ何もできないとは・・・ラミルよ、早く戻ってきてくれ。しかし戻ってきたラミルに私は何と言って謝ったらよいのだ」
ナナを失い、兵士だけでなくジクーズやジラルたち戦士も完全に戦意を失いつつあった。
「聖戦士と呼ばれたナナでさえ歯がたたないなんて、我々には無理だ、勝てるわけがない」
怯えて立ち尽くすアルムの戦士たち、それを見て嘲笑うダルガムたち。
「もはやアルムの奴らは相手ではない、町へ攻め込むぞ」
ダルガムの横でクルアが叫んだ瞬間、敵の軍勢の後方に現われたラミルが叫び声を上げた。
「貴様ら!!何をしている!」
神の戦士たちが一斉に振り返った。
「ラミルか、来るのが遅かったな、もはやアルムは壊滅したのも同然、アルムの兵士など相手にならん、はっははは」
カレルでは縛られて為す術もなかったハリスでさえ、自慢げに笑い声を上げている。
「女まで戦士として戦いに出さねばならぬほどの兵力では、我々の相手ではないわ」
(女?まさか・・・)
「ナナ・・・ナナがいるのか?」
ラミルは声を上げたがナナからの返事はなく、ヘルがナナの髪を掴んで体を起こさせる。
「捜しているのはこれか?こいつはお前の恋人か?愚かな奴だな、彼氏が帰って来るのを大人しく待っていれば、こんな目に遭わずにすんだものを」
息絶えたナナの姿を見たロザイルとカーズは言葉を無くし、ラミルは呆然としている。
「ナナ・・・なぜここに・・・」
ラミルは悲しみと怒りで肩が震え、頬を涙が伝うと敵兵を睨みながら小声でつぶやいた。
「貴様ら・・・」




