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その時、レイラは呆然と窓の外を見ていた。
「いつになったら助けに来てくれるのだろう・・・まさか助けに来ないなんてことは無いよね。最近のダルガムたちの慌てようは、きっと私を助けようとしてくれているからだよね」
扉の鍵が解かれる音が響き、扉が開いてサイヤが入ってきた。
「レイラ様、ご機嫌はいかがですか?」
「あまり良くないわ、部屋に閉じ込められているだけで、外の空気を吸っていないもの」
「ダルガム様にお願いをしているのですが、それは聞き入れていただけないのです」
「サイヤさんに言っても無理でしょうね、あんな強引な男・・・」
「やはりレイラ様はダルガム様がお嫌いですか?」
「大嫌いよ、私を強引に連れ去ってきて、いくら綺麗な部屋だと言っても閉じ込められたまま、挙句の果てに結婚だなんて、そんなの無理に決まっているわ」
レイラを説得するように言われているサイヤだったが、その言葉に返す言葉が無かった。
無言のサイヤに背を向けて再び窓の外を見つめると4人の男たちが馬をひいて王宮に向かって来ているのが見えた、王宮の手前で兵士に止められている。
「また他の国から商人が来たみたいね・・・あの方角からするとアルムかしら、懐かしいな」
1人の男が兵士と何やら言葉を交わすと、王宮へと入って来た。
4人は王宮に潜入すると、ラミルはカーズに小声で話しかけた。
「カーズ、レイラがどこにいるかわかるか?」
「いや、俺も王の間にしか行ったことがないからな、でもここに居るのは間違いないと思う」
「そうか、でもあまりウロウロしていると怪しまれるし、なんとか探す手立ては無いかな」
王の間へ向かう廊下を歩いていると、兵士に呼び止められた。
「おい、お前たちどこへ行く」
カーズは頭の布をとって兵士に挨拶する。
「なんだ、お前か、王様は居ないぞ、商売のことで用があるならハリス様のところへ行け」
「そうですか、ところでハリス様はどちらに?」
「王の間の手前にある部屋だ、勝手に城の中を動き回るんじゃないぞ」
「はい、それはわかっております。では・・・」
奥へ進もうとしたとき、再び兵士に呼び止められた。
「おい」
(しまった!ばれたか?)
「お前たち、ハリス様に会うときは頭の布を取れよ、失礼だからな」
「はい、それはわかっております、お前たちも良いな」
3人は頷き、カーズは兵士に向かって深々と頭をさげて王の間の方へ歩き出した。
(おいラミル、ダルガムの奴すっかり王様気取りらしいぞ)
(そうだな、あの兵士も王様と呼んでいたな、とんでもない奴だ)
「カーズ、どうする?」
「俺に考えがあるんだ、ちょっと良いか?」
兵士から見えないところで4人は顔を寄せて小声で話した。
「運が向いているぞ、ハリスって奴は一番弱くてほとんど剣を持ち歩かないんだ、だからハリスをちょっといたぶって、レイラの居場所を聞き出そう、奴ならすぐに白状するはずだ」
「わかった」




