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 2人が剣を構えた、健人はシールに出来る限り攻めさせて動きを見ようかと考えていたが、そんなことお構いなしにシールは積極的に攻撃を仕掛けてきた、むやみやたらに剣を振り回すのではなく、シール自身の間合いを考えながら健人に向かって打ち込んでくる。

(うん、良い動きだな、実力差がわかっているから、先手必勝ってことだな)

(健人、任せていい?僕は少しシールの動きを見たい)

 健人はシールの動きを巧みにかわしているが、シールがわずかでも隙を見せると、健人は容赦なく反撃する。

 健人はシールにあえて盾を使わない動きを教えたつもりでいたが、両手で健人と同じように剣を持ち、健人が攻撃をしようとすると防御の姿勢を見せながら間合いからわずかに下がる。

 ラミルの7割程度の剣速ならすでに見極められるようになってきているのか、健人の攻撃をかわしても、すぐに体制を整えて攻撃に転じようと隙を伺い打ち返そうとする動きを見せる。

(よし、良いだろう、ここまでやれれば奴らの兵士程度なら十分に戦って勝てるだろう、幸いにも奴らが現われたという情報も無いし、シールを連れてジゼルへ行こうぜ)

(ありがとう健人、確かにシールの動きが格段に良くなったよ。あとは実戦経験だな)

(実戦経験なんて、僕たちだって最初は無かっただろ、そんなものはすぐ身に付くさ。それよりもシールは僕が思っていたよりも上達が早い、もちろん素質もあるだろうけど、毎朝早くから1人で稽古している成果だと思う、そこは他の兵士も見習った方がいいな)

(そうだな・・・)

(よし、早速王様へ報告して、明日にでもジゼルへ向けて出発しようぜ)

 健人は、最後にシールの木剣を叩き落して勝負を決めた。

「シール、私がお前に教えるのはここまでだ」

「えっ、もう終わりなのですか?」

「お前をジゼルに連れていく、もしかするともっと厳しい試練や、神の兵士との実戦が待っているかもしれないが、覚悟はできているか」

 シールはすぐに返答はしなかったが、ラミルの目だけはしっかりと見ていた。

「はい、どんな試練なのかわかりませんが、ラミル様の教えに従います」

「そうか、わかった、では明日出発するから、今日のうちに準備をしておけ」

 ラミルはすぐに王の間に行って事情を説明すると、シールを連れてジゼルに行く許可を得て、部屋に戻って準備をはじめた。

(ラミル、シールにもセラムの鎧が用意できれば良いんだけど・・・)

(そうだな、でもセラム鉱石を加工はできるけど、仕上げは村長か、それ以外の魔導師がいないと駄目だから難しいよ、それにセラム鉱石も無い)

(鉱石ならあるよ、石盤が・・・)

(あ、あれは・・・)

(村長に紙に書いてもらったし、あんな石盤を残しておくのは危険だと思うよ、それにいつまでも僕たちが持っているのも邪魔だ。いっそ剣とか鎧にしてしまえば、無駄な争いもなくなるかもしれないし、邪悪な心を持った者から破壊呪文を守ることもできる)

(でも、やはり呪文が・・・)

(ラミル、思い出してみろよ、ジゼルに伝わる全ての呪文を王は使うことができる。つまりラミルにも使えるはずだぞ、呪文の書に書いてなかったものは覚えられないだろうけど)

(そうだよ、書かれていないから知らないのに覚えられるのか?)

(レミルに会えれば何か教えてくれるかもしれないし、そもそも呪文を使って戦う敵なんて、少ないと思わないか)

(確かにそうだけど・・・)

(だから、敵に渡らないように石盤は溶かしてしまおう。もしかしたらサーさんたちもそう思っていたのかもしれない・・・だから、これを使ってシールのために剣を作ろうよ、シールだって魔闘士の力が目覚めれば魔力を使うことのできる剣が必要だろ、剣だったらロムさんとも、村長とも協力して形を作ったから、なんとなく作ることができる。あとは仕上げの呪文さえわかれば)

(その仕上げの呪文が・・・)

(歴代の王が太陽の剣を作ったのなら、儀式の間で聞けるんじゃないか?)

(そうか、なるほど・・・)

(それに、ラミルの父さんの作業場を借りれば窯もあるから加工できる)

(わかった、それじゃあまずはワルムへ行こう)

 翌朝、2人はまずワルムへ向かうことに決めた。

「なぜワルムへ向かうのですか?」

「まずはお前の剣を作る、そのために私の父の作業場所を借りるんだ」

「剣ですか?僕は今まで使っていた剣で十分です・・・」

「お前はジゼルの魔闘士だ、セラム鉱石で作った剣の軽さや扱いやすさを手に入れることで、お前の攻撃する力も防御する力も上がる。そのかわり剣を作る手伝いをしてもらう」

「剣など作ったことはありません」

「私も手伝ったことがあるだけだ、だから剣に詳しい父の力を借りるんだ」

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