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愛しき妹を守れ(Dark 2)  作者: 赤岩実
神の戦士
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 ラミルが戦士に復帰して7年後のある日、兵士の乗る馬が大急ぎでザハールの町を駆け抜けて王宮へと入っていき、王宮の間に1人の兵士が息を切らして駆け込んできた。

「王様、北方の国、カレルが滅亡したとの知らせが届きました」

「何っ?あのカレルが滅亡しただと、敵はどこの国だ、まさかデルダではないだろうな」

「わかりません。しかし、わずか百数十人の兵士に襲われたとの噂です」

「なんだと、わずか百数十人の兵で、あのカレルを滅ぼしただと」

 北方、ジゼルの国跡から北に位置するカレルは、アルムよりも広大な土地と多くの資源を持つ大国で、兵力はアルムの10倍以上と言われており、カレルよりも戦力的に劣るアルムは先代の王様がカレル王家との友好関係を築き、不可侵の取決めを結んだため両国間の争いは起こらない。

 しかし、その強大なカレルがわずか百数十人の兵に滅ぼされたと聞いて、今度はカレルで魔王が復活したのではと王様だけでなく戦士たちの多くが想像した。

 そして翌日、同じくアンからの兵が再び慌しく駆け込んできた。

 その兵士はカレルを滅ぼしたと思われる者からの書簡を携えてきたため、緊急で王宮にいる戦士が全て王の間に集められ、侍従によって書簡が読み上げられた。


  アルム国王アルシードに告ぐ

  我々は神の戦士である

  我らが王と、王女、そして我らの同志を迎えに参る

  また、我らの王に忠誠を誓うのであれば、国の存亡と民の命は保証する

  反するのであれば、カレルやデルダと同じ命運を辿ることとなるであろう


 デルダはアルムの西北に位置し、アルムからはカレルよりも遠く離れた場所にある国で領土の広さはアルムと変わらない小国だが、兵士の戦闘力はカレルに匹敵すると言われていた強国だ。

「カレルを滅ぼしたのはデルダではなく、デルダまでもが滅ぼされていたというのか」

 戦士たちにもどよめきが起こる。

「それにしても神の戦士とはいったい何者なのだ、この書簡はどうしたのだ?」

「昨日早朝、城壁の外を見回りに出た者が発見しました。ハスバル様にお見せしたところ、ただちに王様のもとへ届けよとの命令で来たのであります」

「敵の姿を見た者はいないのか?」

「はい。城壁の外ですし、前夜の見回りの際には何も無かったので恐らく夜中に貼られたものと思われます」

「せめて正体だけでもわかれば・・・それにしても我らの王、そして王女、同志を迎えに来るとはいったいどういう意味だ、その者たちがこのアルムにいると言うことか?」

 そう言った王様の脳裏に1つの考えが浮かんだ。

「皆の者、直ちに戦いの準備に取りかかれ、アンとバグロブの兵士は、北からの唯一の道であるセラムとバイスの谷を監視し、怪しい者の往来を取り締まるように通達を出せ」

 その号令に一斉に戦士たちが王の間を出ようとしたとき、ラミルは王様に呼び止められた。

 他の戦士たちは不思議そうな顔をして王の間から出て行くと、王様は侍従や王子たちにも部屋から出て行くように言い、ラミルを近くに呼び寄せて小声で話しかけた。

「ラミル、今の書簡の内容を聞いて何か思わなかったか?」

「何かと申しますと?」

「そなたはジゼル王家レミル様の血を継ぐと申していたな、まさかとは思うが、この者たちに心当たりは無いか?」

「私は確かにジゼル王家の末裔ですが、神の戦士などと言う者たちは知りませんし、ジゼルの末裔たちの仕業とは思えません。もしジゼルの末裔ならば、恐らくジゼルの末裔だと名乗ると思うのです」

「そなたを疑うつもりは全く無いが、王と王女、そなたには妹、そして娘がいる」

「確かに妹も娘も、レミル様の血を継いでいますから王女ということになりますが」

「わかっておる。決してそなたを疑っているわけではないが少し気にとめておいてくれぬか、どうも嫌な予感がするのだ」

「わかりました、では支度にとりかかります」

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