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ラミル以外の戦士と共に、新たに兵士となった10人が王の間の玉座の前に跪いている。
王は1人1人の兵士に言葉をかけ、シールの番になった。
「そなた、名は?」
「シールと申します」
「シールか、ラミルはそなたを知っているようだが」
「はい、8年前に妹と3人でシチラから逃げ出し、シチラの兵に見つからないようにシーバで隠れているところを助けていただき、母親も悪魔城で助けていただきました」
「そうか!そなたか、ラミルが昨日申していた少年は、試験の際の落ち着いた身のこなし、そしてあの男を咄嗟に後ろから倒した判断力、若いようだがたいしたものだ」
「ありがとうございます」
男を倒してわずかに返り血を浴びたラミルが、その血を洗い流して王の間へとやってきた。
「ラミルよ、シールの働きは見事だったと思わぬか?」
「はい。しかし、シールはこれからもっと強くなると思っています」
戦士や、他の合格者たちもシールの顔を見ている。
「ほう、ラミルが言うなら心強い兵士が現われたと言うことだな、シールよ、さらに腕を磨き、いずれはラミルをも凌ぐ戦士となって、国のため、民のために戦ってくれ」
「はい」
ラミルはそのとき首にさげた指輪の異変を感じていた。
王の間を出るとすぐに指輪を再度確認したが、近くにシールがいないせいか変化は無い。
(ラミル、どうやらシールが魔闘士のようだな。もちろん、もう1度確かめる必要はあるけど)
(そうだね、早速確かめに行こう)
ラミルは自分の部屋に戻らず、シールたちが連れていかれた兵士たちの部屋を訪れた。
「ラミル様、このような所へ・・・どうかなさったのですか?」
「さきほど兵士になったシールはいるか?」
「新入りたちは町へ鎧を合わせに行きました。夕方には戻ると思いますので、戻ってきましたらお部屋へ連れていきますが」
「わかった、そうしてくれ」
ラミルは、部屋に戻って剣の手入れを済ませるとベッドに横になった。
(ラミル、とうとうここにも奴らが現われたな)
(うん、しかも何の警告もなく王様の命を狙うなんて、本当に卑怯な奴らだ)
(ところで、もしシールが魔闘士なら、王様に事情を話してすぐにでもジゼルへ連れていく?)
(そうだな・・・)




