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翌朝、ラミルは城壁の上で外庭に集められた兵士試験志願者の顔を見ていた。
(これだけいるとわからないな)
(でも見ておいた方がいいだろ、健人はいつも言っていたじゃないか、油断するな!って、念には念を入れて・・・何もなければそれで良い)
注意深く志願者たちの顔を見ていると、後ろから兵士に声をかけられた。
「ラミル様、そろそろ始まりますのでよろしければ席にお着きください」
「わかった、ところで王様の席はどこだ」
「すでに御席についていらっしゃいます、ラミル様の席は・・・」
「王様の近くにしてくれ、できるだけ近い席だ。それから他の戦士たちの席も王様の周りに集めておいてくれ」
「かしこまりました」
兵士は走っていくと、王様と王子を囲むように戦士たちの席が変更された。
ラミルは、席につく前に王様と王子に神の戦士の兵士が紛れ込んで、王様を狙う可能性があるかもしれないと説明すると、みんな納得して戦士や衛兵はそれぞれの配置に付いた。
そして、いよいよ兵士試験が始まるため、王様が立ち上がり号令をかける。
「これより兵士試験を行う、兵士は前へ」
20人の兵士が中庭に並んで王に向かって敬礼すると、外庭から中庭へ続く門が開かれ、最初の受験者20人が入ってくる。
(さすがに分けていれるんだな、全部入ったら戦う場所が無くなるもんな)
(うん、でも今回も多いな、何度も受けている者もいるだろう、まだシールの番じゃないようだ)
(あれ?兵士試験って真剣でやるんじゃなかったっけ?いつから木の剣になったんだ?)
(そういえばそうだね、この中庭には剣を持って入ることは出来ないんだ、僕が戦士に復帰してすぐに進言してやめさせたんだ。危ないし、いずれ仲間になるんだから傷つけ合ってもしかたないだろ)
(そうだね、本来はそうあるべきだよな)
試験が開始されて、次々と兵士と受験者の1対1の攻防が行われ、合格して残る者、敗れて帰って行く者に別れていく。
(かなり強い奴もいるな、それとも兵士が弱いのか?)
(ここで相手をする兵士は、まだ戦士試験は受けられないけど、それなりの力を持っている者が選ばれるんだ。その兵士に勝たなければならないんだから、かなり鍛えて来ているのが多いよ)
(なるほど、ところで戦士試験はいつやるんだ?)
(兵士試験が終わった後に、事前に王様から受けることを許された者と戦士が戦うことになっているんだ、確か今回の相手はジクーズ様だったかな)
(それじゃあ勝てないだろう、相手がジクーズ様じゃ・・・)
(いや、試験を受ける者はかなり力のある者、功績をあげた者しか受けられないからな、毎回1人か2人ぐらいしか受けられないけど強いよ、もちろん毎回合格者が出るわけじゃないけど)
(ラミルも戦うことがあるのか?)
(あったけど・・・その時はみんな辞退した)
(だろうな・・・ラミルと戦って勝てると思っている奴はいないだろうと思う)




