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ラミルはすぐにお婆さんとシールたちの住む家へ向かった。
家の外には大きくなった2人の娘が母親の仕事を手伝っていて、ラミルは2人に声をかけた。
「アミ、ルル、元気にしていたか?」
3人が振り返ってラミルに気付くと、アミとルルはラミルに元気よく駆け寄って抱きついた。
「ラミル様だ・・・」
母親もすぐに近づいてきてラミルに頭をさげた。
「ラミル様、お久しぶりです・・・こんな遠くまで、何かあったのですか」
「シチラまで用があって来たので、3人が元気でいるかと思って寄ってみたんですよ」
「そうですか」
「ところで、隣のお婆さんは?」
3人は少し悲しそうに顔を見合わせた。
「サキさんは2年前に亡くなりました」
(あのお婆さん、サキさんって言うのか・・・はじめて知ったな)
「病気ですか?」
「詳しくはわかりませんが、あの日の朝、この子たちがいつものように手伝いに行って、寝ているサキさんを起こそうとしたところ、もう亡くなっていて・・・でも、とても安らかな顔をしていましたよ」
「そうだったんですか」
(たぶん老衰ってやつだな、苦しまなかったなら良かった)
(老衰って?)
(寿命だよ、こればっかりは仕方ない。でもまた手掛かりが無くなったな)
(しかたないさ・・・)
「ところでシールは?」
「兵士試験を受けると言って、ザハールに向かいました」
「そうですか、試験を受けに」
「ラミル様と会えると言って喜んでいたのに、すれ違いになってしまいましたね」
「そうですね、でも試験に合格すれば会えますし、私もこれからザハールへ戻ろうと思っていますから、会えるかもしれませんね」
「すみません立ったままで、散らかっていますけどお入りください、すぐにザハールへお戻りになるのではありませんよね」
ラミルは、雰囲気は変わっているが懐かしい家の中に案内され、アミとルルと話をしていた。
「お兄ちゃんね、兵士になったらラミル様と一緒に国を守るんだって言っていたんだよ」
「そうか、お兄ちゃんは強くなったのかな?」
「うん、学校では1番強いんだって、誰にも負けたことが無いって」
「そうか、それは頼もしいな、会うのが楽しみだ」
母親が食事を持ってやって来た。
「食事はなさってないのでしょう、口に合うかわかりませんが食べてください」
ラミルは出された食事をたいらげると、しばらくアミたちと話しをしていたが、突然母親が思い出したように奥の部屋へと走っていき、手紙のような物を持って戻ってきた。
「大事なことを忘れるところでした、サキさんが亡くなる数日前、ラミル様に渡してほしいと手紙を預かっていたんです。王宮に行くシールに渡してもらおうと思っていたのに、すっかり忘れていました、直接手渡すことができて良かった」
「そうですか・・・」
ラミルはサキからの手紙を開いた。




