4
ラミルは魔闘士の情報を求めてシチラに入った。
8年前、多くのシチラの人たちを助けたラミルは王宮の戦士としてだけでなく勇者として尊敬されていて、すれ違う人たちは皆、深々と頭を下げて通り過ぎていく。
広場に腰をおろして人々の行き交う姿を眺めていると、店を出している女性が声をかけた。
「ラミル様、このような遠い所へいかがなされました」
「こんにちは、この町もすっかり活気を取り戻しましたね」
「ええ、8年前に男どもが全ていなくなってしまいましたが、女子供だけでなんとかやってきました。それに、8年前に看病してもらったのをきっかけに、ウズルやバグロブの男と結婚して、このシチラで生活している者もいるのですよ」
「そうですか、それは良かった」
ラミルは女性から果物を貰うと、それを食べながら今度は町の中をぶらぶらと歩いてみた。
町の奥に建てられていたガルディアの家は跡形も無く取り壊され、そこには8年前に犠牲になった人たちの慰霊塔のようなものが建てられていて、ラミルはその塔に深々と頭を下げて一礼すると広場へ戻ってきた。
(ラミル、僕はアデルやサルアには行ったことはないけど、その町にはジゼルの末裔って住んでいないのかなぁ)
(僕もはっきりとはわからないけど・・・)
(そういえば、ここに来て思い出したんだけど、ウルトに連れていった子は兵士になったの?)
(シールのこと?いや、もう試験を受けられる歳にはなったと思うけど、僕が王宮にいた時はまだ受けに来ていなかったよ)
(そうか・・・そうだ、あのお婆さん元気かな?ウルトで3人を預けた。そう言えばあの人もジゼルの末裔だったよな、もしかしたら何か知っているかも!)
(そうか、もしかしたら何か聞けるかもしれないな、よしウルトに行ってみよう)
ラミルはすぐにシチラを出てウルトへ向かった。
途中シーバに立ち寄ってみたが、8年前に崩壊した村は跡形も無く風化し、崩れた家の石だけが残るだけで、辺りには雑草が生茂っていて手掛かりになりそうなものは何も無い。
(やはりここには何もないな、さぁ、ウルトへ行こう)
シーバを出てウルトへ向かう途中、神の戦士を警戒しながら野宿をしたが、襲ってくることはなく、見張られている気配も感じないままウルトに着いた。




