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 ラミルは王宮に入るとすぐに王の間へと急ぎ、玉座に前に進むと剣を前に置いて跪いた。

 王の間には王様はもちろん、王子や衛兵、侍従、そして王宮にいる全ての戦士が集められ、ラミルの到着を待ちわびていたが、他の誰よりもラミルが王宮に戻って来ることを待っているはずのナナの姿が無い。

「ラミル、よくぞ戻って来てくれた。そなたの復帰をここにいる皆が待っておった」

「王様、そして皆様、ありがとうございます。私の我儘をお聞きくださり1年間の時間をいただき無事に学校を卒業してまいりました」

「うむ、聞くところによると、剣術はもとより勉学でも優れた成績を残したらしいな」

 拍手が起こり、ラミルは深々と頭を下げる。

 侍従が、かつてラミルが着けていたマントを携えて王様の側に近寄る。

「戦士の称号を返す、こちらへ参れ」

 ラミルが立ち上がって玉座へ近づくと、マントを着けようとした侍従を制し王様が自らラミルにマントを着けると、再び大きな拍手が起こりラミルは王様に最敬礼して下がる。

「本当にそなたの復帰を待っていた。この私だけでなく戦士や兵士はもちろんだが、誰よりもナナが待ちかねていたぞ、さぁ、ナナ、入りなさい、そしてラミルの側に来なさい」

 王の間の扉が侍従によって開かれると、眩いドレスを着たナナが姿を現わした。

 ゆっくりと、ややぎこちなく歩いてラミルの横に来ると、頬を赤く染めて下を向いている。

「王様、このドレスは?」

「このドレスは私からナナへのプレゼントだ、先の功績の褒美と思ってくれれば良い。それにナナが1年間兵士たちに体術を教えてくれたおかげで兵士たちの戦闘力も増した。その功績も称えてドレスを贈ることに決めたのだ、どうだ、気に入ってもらえたかな?」

「王様、このような素敵なドレスを、本当にありがとうございます」

 ラミルがナナの姿に見とれていると、王子がラミルに声をかけた。

「ラミル、すっかり見とれているな、私もナナのように美しい女性を王妃にしたいものだ、そなたが羨ましいぞ」

 王様は大声を上げて笑い、周りにいた多くの者たちがラミルを冷やかすように笑った。

「ようやくナナとの約束を果たす日が来たのう、それではこれより2人の婚礼の儀式を行う、証人は我々全員だ、良いな」

 王様は嬉しそうに、声高らかに言った。

 2人を祝福する拍手が起こり、2人は玉座の前に並んで王様からの言葉を受けた。

「ラミル、これからもアルムの国、そして多くの民のために力を尽くしてくれ。そしてナナはラミルの妻として支えてくれ、2人とも良いな」

 2人が頷くと再び大きな拍手が2人に贈られた。

「今宵はラミルの戦士復帰と、婚礼祝いの宴を催すぞ」

 こうして2人は夫婦として多くの人に祝福され、王宮の近くに2人の家が用意されて2人の生活が始まった、そしてその2年半後、ムーラが話していたとおり男の子ではなく、娘リリアが産まれた。


 ロザイルは、先の戦いが終わってすぐに兵士試験を受けた。

 魔王との戦いに向けてムーラから直接槍術を教わり、魔物や悪魔兵との多くの実戦経験を積んだロザイルが対戦相手の兵士になど負けるはずはなく、相手に全く攻撃する隙を与えずに一撃で急所に寸止めしてみせて勝ちをおさめた。

 同日、王様からすぐに戦士の試験を受けることも勧められると、見事にジラルに勝って戦士として認められ、すぐに祖母の待つ生まれ故郷のバグロブへの異動を命ぜられた。

 多くの戦士や兵士の前で見事にナナに振られてしまったロザイルは、バグロブに戻るとすぐに祖父でもあるウズルの村長の紹介で村に住む女性と結婚し、2人の男の子と1人の女の子の父親となった。


 カーズは両親たちと同じ商人となり、カイルに食料を扱う店と住む家を褒美としてもらった。

 悪魔と戦った英雄、新たな聖戦士の店として人気となり、カイルだけでなくザハールやエストからも客が来るようになって大繁盛すると、親譲りの商売人としての素質が開花したのか武具を扱う店や酒場など次々と店を出し、やがて近隣の他国とも取引をするようになり、多くの人々を雇う大商人となった。


 エスト村の謎の老人ハサン。

 ラミルたちが魔王を倒してすぐにムーラの魂から解放されたようで、まったく記憶のない状態で目覚めた場所は、本人がまったく見知らぬ町だったようで、そのままエストに戻ることなく暮らしたらしい・・・

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