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 数回のデルガを使ってカレルへ戻った戦闘士たちは、ラミルの圧倒的な強さに驚いていた。

「王の力とはあれほど偉大なものなのか・・・太陽の剣を持っていないのにもかかわらず、兵士たちの首を落とした動きは全く見えなかった」

 戦闘士たちが話しをしているところへ3人の魔法師がやってきた。

「ダルガム様、やはり先にレイラ様を連れ去ったのは間違いだったのではありませんか?」

「何だと、貴様、この私に意見するつもりか」

「いいえ、そのようなことは・・・しかし、今や完全にラミルを敵に回してしまいました。しかもあれほど強いとは、はっきり言って誤算です」

「そんなことはわかっている。だがレイラを、あの美しい姫を早く私の妻にしたかったのだ!」

 周りの戦闘士たちは黙ったまま下を向いている。

「こうなっては強引にでもレイラ様を妻にし、王の血を継ぐ子を産ませるしかありませんな」

「だが王の血が成長するにはあまりにも時間がかかる、それまでにラミルが太陽の剣を手に入れてしまったら我々に勝ち目はない」

「ダルガム様、もはや考えている猶予はありません。私は再び太陽の剣を探しに参りますので、ダルガム様はレイラ様を妻に・・・」

 ダルガムはしばらく考えていたが、クルアの言葉に頷いて立ち上がると、サイヤを呼んだ。

「サイヤ、いよいよレイラを妻にするぞ、今宵契りを交わす故、用意をしろ」

 サイヤはダルガムの元に駆け寄ってきて即答した。

「なりません。いくらダルガム様のご命令とは言え、王女様がダルガム様を恐れている以上、強引なことをしてはなりません」

「貴様、私に意見すると言うのか!」

「もし強引なことをして、レイラ様が命を絶ってしまわれたらどうするのですか?美しいレイラ様を一刻も早く妻にしたいダルガム様の気持ちはわかりますが、レイラ様の気持ちも大切にしてあげてください」

 ダルガムは歯がゆく思ったが、サイヤの言うように自ら命を絶たれてしまい、それがラミルに知れたら、もはや自分たちに残された道は滅びしか無いと思った。

「そうか・・・わかった、一日も早くレイラの気持ちが変わるようにしてくれ、頼むぞ」

「はい、かしこまりました」

 サイヤは王の間を出ると、レイラの部屋へ向かった。

「レイラ様、ご機嫌はいかがですか?」

「サイヤさん、そのような言葉遣いは、いい加減やめてください」

「いいえ、あなたは王女様なのですから・・・ところで、レイラ様、よろしければお兄様のことを聞かせていただけませんか?」

 サイヤは、なんとかレイラの機嫌が良くなるようにと思ったのと、さっきまでダルガムたちが噂をしていたレイラの兄がどんな男なのかが気になり、話を聞いてみたくなった。

「兄は、昔から私のことをとても可愛がってくれました」

 レイラは瞳を輝かせて兄のことを話し始めた。

「勉強嫌いで、いつも寝坊してばかり・・・でも剣術だけは学校で一番強くて、私はいじめられたことは1度も無いんですよ」

 サイヤもにこやかな表情でレイラの話を聞いている。

「8年前、私の住んでいた村が魔物たちに襲われ、村の人や私の母も連れ去られてしまいました。兄はまだ学校も卒業していないのに実力でアルムの戦士となって魔王を倒し、母たちだけでなく多くの人々を助けてアルムの英雄になったのです」

 レイラは嬉そうにラミルのことを話したが、ナナやリリアのことは話さなかった。

 サイヤを少しは信用できるようになっていたが、強欲で自分勝手なダルガムを尊敬しているというサイヤに、ナナやリリアのことを知られてしまったら、2人も自分と同じような目に遭うかもしれないと思い、それだけは絶対に避けなければいけないと思っていた。

「ところでレイラ様、ダルガム様がレイラ様と1日も早く契りを交わしたいと申しています。レイラ様はダルガム様のことをまだ怖いと思ってらっしゃるのですか?」

「はい・・・怖いというよりも、私を強引にここへ連れて来たダルガムは嫌いです。そう伝えてもらって結構です」

「そうですか・・・残念です、お似合いだと思うのですが」

 レイラは、下を向いたままサイヤの言葉を聞き流した。

(何がお似合いなもんですか!冗談じゃないわ、あんな男・・・絶対にお兄ちゃんが助けに来てくれる、それまでは絶対に耐えてみせるわ)

 サイヤが部屋を出て行くと、鍵がかけられた窓の外を見つめ、兄の顔を思い出した。

「お兄ちゃん、あの時みんなを助けたように、必ず私のことも助けてくれるよね、待っているからね・・・」

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