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「それからジゼルですが、これは太陽という意味も持つ言葉で、太陽の光というのは空気と同じように人には欠かせないものです。しかし、その力は時に破壊をもたらし、人を殺してしまう力を持っているそうです。その力を利用して悪を倒す力、それがジゼルのようです」
「そうですか、なんか良くわかりませんが、やはり恐ろしい力のようですね」
(健人、何かわかる?)
(確かに太陽光線って言うのは大地に力を与えて作物の成長を助けるけど、一方ではその中に殺人光線と言われるものも含まれていて、人に害を与えることをあることが僕のいる時代では言われているんだ、もしかしたらそれなのかなぁ、これは良くわからないや)
(そうなのか・・・でも、健人は良く知っているよな)
(と言うより、僕はジゼルの人たちが持っていた科学の知識の方がすごいと思う。そうだ、あとは奴らがいきなり消えた呪文のこと聞いてみよう)
「村長、ジゼルで奴らと遭遇しました。戦う上では何も問題はなかったのですが、突然目の前から消えてしまったのです、そのような呪文をご存知ないですか?」
「突然消えた?ちょっと待ってください、確か昔調べたことがある覚えがあります」
村長は奥の部屋へ行って古いメモのような紙の束を持ってきた。
「昔、ロムと宝玉を作る前に調べていたときに、そんな記述を見たような気がするのです」
村長は必死になってメモが書かれている紙の束を見ている。
「あった、これだ、その呪文は『デルガ』という特殊呪文です」
「デルガ?」
「はい、一度にそれほど長い距離を移動できるわけではありませんが、一度行ったことのある場所、記憶にある場所なら、馬なら半時ほどかかる距離を一瞬にして移動できる呪文です」
「馬で半時・・・それでもかなりの距離を移動できるのですね、それは便利だ」
(そうか!わかったぞ)
(どうした健人?)
(奴らはデルガを使って移動していたんだ、だから谷の検問所を通ることなく移動していた。だけどサントやウズルには来たことが無いから、そこからは馬とか自分の足で移動する時間が掛かったんだよ)
(そうか・・・なるほど、それなら納得できるな)
「村長、デルガは魔導師が使うことができる呪文なのですか?」
「いいえ、ここには魔法師と魔闘士が使うことができるとあります。魔法師が使うことができるとあったので書き留めたのを思い出しました」
(そうか、アーシャ様は3人の魔法師によって、氷の棺から出されて死の谷へ葬られたと言っていた。魔導師しかいないと思っていたけど、魔法師もいるとなると、我々の知らない呪文も作り出されている可能性もあるな)




