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ラミルが外へ出ると、家の周りは20人以上の兵士に囲まれていた。
(しまった・・・)
中ほどにいる1人だけ異なる鎧を着けた男が言葉を発した。
「ラミル様、持っている物を渡していただきましょう」
「貴様がダルガムか?」
「私の名はクルア、ダルガム様はレイラ様と王家の城で貴方様をお待ちです」
「ここを荒らしたのはお前たちか?」
クルアの横に兵士の格好をしていない男が立っている。
「この者たちは魔導師の末裔、あの祭壇のある部屋には入ることはできたのですが、肝心な物が見つからないので、少し手荒なまねをして探しました」
「お前たちの探しているのはこの石盤か?」
ラミルは石盤の入った袋を掲げた。
「石盤?いいえ、我々が探し求めているのは王の証である太陽の剣です。あなたが8年前にどこに隠したのか知りませんが、我々はそれを探しています。貴方がここへ来たということは、やはりこの地にあるようですね」
「お前たちにあの剣を渡すわけないだろう。あの剣は歴代の王様に認められた、王の血族だけが使うことができる剣だしな」
「それは承知しています。ですから貴方に協力してもらうためにレイラ様をお連れしたのです」
「お連れした・・・物は言いようだな。レイラは人質と言うことか?」
「いいえ、レイラ様はいずれ我々の王の母となる御方、手荒なことはしておりません。カレルの王族が贅をつくした城で貴方様をお待ちになっています」
「そうか、でもここへ来て、あの家の中を見て気が変わった。最初はダルガムとか言う男と会って話し合おうと思っていたが、この神聖な場所を侵した罪、そしてカレルやアルムで罪も無い人を殺した罪を許すわけにいかなくなった」
「貴方は我々に勝てると思っているのですか、いくらセラムで作られた剣を使おうとも、ジゼルの精鋭を集めた、この私の部隊に」
「やってみないとわからないな、でも良く見ると昨日俺に避ける間もなく殴られた奴もいるようだから、精鋭部隊が聞いて呆れる」
「いいでしょう、手加減はしません。レイラ様さえいれば、いずれは王の血族を我らのものにできるのですから・・・皆の者かかれ!」
兵士たちが一斉に剣を抜いた。
ラミルは石盤の入った袋を家の中に放り込むと、セラムの剣を抜いた。
(健人、まずは任せてくれないか?)
(いいよ、でも昨日の奴らがいるからといって油断するな、数は多いからな)
(わかっている、でも同時に全員が攻撃は出来ないさ、やつらの力量を見極める)
(よし、わかった)
「この神聖な場所を血で汚すのは嫌だが、しかたないな」
数人の兵士が一斉に襲いかかってきた、さすがに昨日のようにラミルを侮ってはいないようで、最初から本気でラミルを殺す気のようだ。
ラミルは王家の家を背にしたまま、その攻撃を剣と盾で巧みにかわしていく。
(ラミル、相手は鋼の剣だ、もう1本の剣も抜けよ、忘れてはいないだろ)
ラミルは鋼の剣も抜いて左手に持った、2本の剣を構えて睨みつける。




