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ラミルはジゼルの石門に着いた。
待ち伏せをしている気配はなく、馬を降りて荷物を肩に背負って門をくぐるとラミルも健人も辺りに細心の注意を払いながらゆっくりと中央の広場へ歩いて行く。
(できれば剣を手に入れるまでは敵と遭遇したくないな)
(そうだな、戦闘士とか言う奴の強さがどの程度なのかわからないし、でも今のところ人影もないし、やはり拠点はカレルなのかな?)
(そうだと良いな、石盤も持っているし、大勢を相手に戦うことになったら厄介だ)
(レミルに石盤のこと、呪文のことも聞かないとな)
(おい、家が見えてきたぞ・・・急ごう)
ラミルは小走りに儀式の間のある裏手に回ってみると、儀式の間の入口が開いている、と言うより扉が破壊されている。
(おい、扉が壊されているぞ、奴らの仕業なのかな?)
(戦闘士も儀式の間に入ることができるのか?)
(それはわからないけど、とりあえず入ってみよう)
儀式の間に入ってみると中は荒らされ、8年前に祭壇に祀った宝玉が無くなっている。
(酷いことをするな、これがジゼルの末裔のすることか?まさか試練の間も?)
祭壇の下の扉は壊されていないが、ラミルが開けようとしても開けることができない。
「レミル様、歴代の王様、私です、ラミルです。どうか試練の間の扉をお開けください」
何の答えもなく、扉はびくともしない。
(いったい何があったんだ、ここで奴らは何をしたと言うんだ)
ラミルは、儀式の間を簡単に片付けて出ると家の正面に回った。
家の扉も同様に粉々に破壊され、家の中には何者かが入った形跡があり、全ての部屋が物色されたように荒らされている。
(ここもか・・・奴らはいったい何を探していたんだ)
(たぶん太陽の剣だろうな、あれを手に入れれば王になれるとでも思ったんだろう)
壁に掛けられていたアーシャの絵も引き裂かれ、家の壁はいたるところに穴を開けようとした跡がある。
(めちゃくちゃだな、ここまでするなんて、何があっても末裔と認めるわけにはいかない)
(そうだな・・・ということは、もしかするとアーシャ様もすでに・・・)
(行ってみよう)




