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愛しき妹を守れ(Dark 2)  作者: 赤岩実
荒らされた聖域
25/89

 村長の家の前に馬を止めると、家の中からサラが出てきた。

「ラミル様、どうしたのですか?」

「村長はいますか?ちょっと見てもらいたいものがあるのですが」

「先日ラミル様の剣を作り直した後、疲れたと言って今も休んでいるのです」

「大丈夫ですか?」

「疲れただけだと言っていますし、すぐ呼んできますので中に入って待っていてください」

 ラミルは広間で村長を待っていると、サラが村長を支えるようにして奥から出てきた。

「村長、疲れているのにすみません。どうしても村長に見ていただきたい物がありまして」

「大丈夫ですよ。ところで何を?」

 ラミルは袋から石盤を取り出してテーブルの上に置いた。

「こ、これは・・・」

 村長はそのうちの1枚を手に取ってじっくり見ている。

「これをどこで?」

「ハンの村で見つけました。ジゼルの文字のようで私には読めませんが、村長なら読めるかと思って持ってきたのです」

「ええ、読むことができます、どうやら呪文について書かれているようですね。これは『ファイド』という呪文で、え~と・・・なるほど、この呪文はジゼルの国跡にかけられた呪文ですね。ジゼルの血を持つものだけしか通ることができない壁を作るという意味が書かれています」

「書かれているのは全て呪文ですか?」

「そのようですね、その他は・・・クイーク、メル、リバエス、ジゼル」

「ジゼル?」

「ええ、ジゼル以外の呪文は初めて聞く呪文です。もしかして太陽の剣に関係する呪文なのではないでしょうか?」

「確かにジゼルは太陽の剣が無ければ使えない呪文ですから可能性はありますね。すぐにわかりますか?」

「書かれていることは今すぐに読めますが、意味を理解して使えるように説明するには時間がかかるかもしれません」

「そうですか、では疲れているところ本当に申し訳ないのですが書かれている言葉をアルム語で書いてもらえませんか?意味を理解して、呪文を使いこなすようになるのは私の役目です。しかし読めないことには何もできないので」

「わかりました、それだけならすぐに出来ますから、少しだけ待ってください」

 村長はサラに紙と書くものを持ってこさせ、すぐさま呪文の翻訳にとりかかった。

 ラミルは邪魔をしないように家の外へ出てサラが用意してくれた餌を馬に与えていると、村の入口から1人の見張りの男が逃げるように走ってきた。

「ラ、ラミル様・・・助けてください」

 その男の後ろには、得体の知れない兵士が3人、馬にまたがったまま剣を構えていた。

「お前たち、何をしている」

「ラミル様、探していたのですよ、ハンから持ち出したものを渡していただきましょう」

「お前たち、まさか」

「私たちは神の戦士、貴方様に手荒なことをするつもりはありませんが、持ち出したものは我々ジゼルの物です、今すぐ渡してください」

「そうか、我々ジゼルの物か、それなら王である私が持ち出しても問題あるまい」

「我々はまだ貴方を、王と正式に認めたわけではありません」

「そうか、ならばあのクルアとかいう男の手紙はなんだ?それに妹を強引に連れ去るようなことをして、私こそお前たちをジゼルの血を継ぐ者と認めたくないな」

 3人はムッとして、ラミルを睨み付けた。

「大人しくしていれば若造が調子に乗りおって、貴様など我らの王ではない。ダルガム様こそ王に相応しい、こうなったら力ずくでも持ち出した物を返してもらう」

 よほどラミルを侮っているのか、それとも馬鹿にしているのか3人は馬から降りようともせず剣を構えた、手に持っているのはただの鋼の剣だ。

(ラミル、どうする?奴らの力量を知るためにも戦っておいた方が良いと思うけど)

(そうだな、ちょっと相手をしてやるか)

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