表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛しき妹を守れ(Dark 2)  作者: 赤岩実
荒らされた聖域
24/89

(前に来たときもそうだけど、やっぱりここは気味の悪いところだな)

(そうだね、まだ薄暗いし・・・)

(いまのところ人の気配は感じないけど、たぶん見張られているだろう、突然襲ってくるかもしれないから油断はするなよ)

(うん、わかった)

 ラミルはゆっくりと馬を進めた。

 ハンの村があった辺りに着いたが、あれから8年の歳月が経ち、村に残されたままの建物は風化し廃墟と化している。

(懐かしいな、サーさん、ロムさん・・・)

 馬から降りて懐かしむように村の中をゆっくり歩いた。

 鎧や剣を作った作業場所は、今にも崩れ落ちそうだが建物の形を残している、ラミルは馬を繋ぎとめた。

(ラミル、どうした?)

(この場所で、この鎧や剣が作られたんだよな、ちょっと入ってみないか?)

(崩れそうだけど大丈夫か?)

(中を覗いてみるだけだよ、崩れそうなら入らないから)

 ラミルは入口の扉に手をかけてゆっくりと開いた、大きな軋み音を響かせて扉が開くと、小屋の中には作業をした台、居眠りしてしまった椅子がそのまま置かれている。

 すぐには崩れそうもないため中へ入ってみると、埃臭いが外の光が差し込んでいて明るい。

(ラミル、あまりゆっくりはしていられないぞ、先を急がないと)

(うん、そうだな、でもなんか懐かしいな)

 外に出ようと扉のところまできたとき、健人が何かに気付いた。

(ラミル、ちょっと待って、この作業場、何かある気がする)

(えっ?)

 ラミルは振り返って部屋の中を見渡す、朽ち果てた家具と窯、そして割れた水瓶。

(何も無いと思うけど)

(さっき、何か光ったような気がしたんだけど・・・)

 部屋の中には何かを隠せそうな場所はない、水瓶も空で隠し部屋があるような壁では無い、家具には埃が積もっていて、光るような物は見当たらない。

(外の光が何かに反射しただけかな、気のせいだったかな?)

(うん、そうじゃないか)

 ラミルは念のため、唯一見た目だけではわからない窯に近づき、近くにあった木の棒で灰の中を探ってみた、すると棒の先が何か硬い物にあたり、棒に力を入れて掘り起こしてみると文字らしきものが彫られた板が現われ、さらに掘ってみると全部で5枚の石盤が出てきた。

(なんだ、これ?この文字はアルム語じゃないよな?もしかしてジゼルの文字か?)

(ジゼルの末裔が暮らしていた場所だからな、でも何て書かれているんだろう)

(わからないな、でも村長なら読めるかもしれない、昔、ロムさんとジゼルの書を読んだって言っていたし)

(そうだな、どうする?隠しておいて後で取りにくるか?)

(太陽の剣が気なるけど、これは貴重な物かもしれないから、先に村長に見てもらおうよ)

(でも・・・)

(もちろん僕だってレイラのことは心配だ、だけどすぐに殺したりすることはありえない。それに、もし奴らが僕たちを監視しているとしたら、ここに長居したことを怪しんでここを探り、奴らにこれが渡ってしまったら、とても貴重な物だとしたら凄く危険な気がするんだ)

(そうか、わかった。急いでウズルに戻って村長に見てもらおう)

 ラミルは馬に戻り、付けておいた空の袋を取ると灰にまみれたままの5枚の板を袋に入れた。

(これだけ厚い板なのに重く感じないのは、これもセラム鉱石で出来ているということだな)

 袋を持ち上げて小屋から出ると急いで戻った、出発したばかりのラミルが戻ってきたのを見てロザイルは大声を上げたが、ラミルはロザイルに近づくと小声で話しかけた。

「もう一度ウズルに行ってくる。村長に聞かなければならないことがあるのを忘れていた」

 そう言ってウズルへ向かい、村へ行く途中の小川で板に付いている灰を洗い流してみると、灰の下からはセラム鉱石の美しい青色が現われて文字がはっきり見えるようになる。

(よしこれで良い、村長の家へ行こう)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ