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翌朝、村長の家にサザルから2人の男がやって来た、2人とも確かに力の強そうな男だ。
「ラミル様、サザルの兵士から、こちらへ来るように言われたのですが」
「そうですか、では早速手伝ってもらいたいことがあるのです。申し訳ありませんが、近くの小川から水を汲んでほしいのです、できるだけたくさんの水を」
「はい、わかりました。そんなことでしたら簡単なことです、他にも力仕事があれば手伝いますから遠慮なく言ってください」
「ありがとうございます。まずは水を汲んでください、その後は村長が指示してくれると思いますので、その指示に従ってください」
村長は近くの空き家になっている小屋の窯を使い、セラムを溶かすために火をおこし始めた。
サザルの男たちが小川から汲んできた水が1つの大きな瓶を満たすと、いよいよ剣を作り直す作業が始まった。
「まずは盾を作り直します。削ることはできませんので、溶かして作り直します」
村長はラミルの左腕のおおよその長さや太さを鎧の上から測ると、赤々と燃える炎の中に盾を入れた、窯の炎に赤く溶けて柔らかくなっていく盾を取り出して叩く、その作業を何度も繰り返しながら余分な部分を落として小型の盾の形に成形していく。
小屋の中にあった大きな3つの瓶を小川の水で満たしたサザルの男たちも薪割りや火力の調整を手伝い、日暮れ前にようやく盾の原型が出来上がると、その原型が冷めるのを待ってラミルに差し出した。
「このような形でいかがでしょうか?」
新しい盾は肘から手首までが隠れる程度の大きさの楕円形だが、裏面には鎧の腕の部分に嵌めて固定できるようになっている。
「鎧の上から付けてください、大きさを調整します」
ラミルは鎧をはずさずにそのまま付けてみると、固定するための金具の太さもちょうど良く、腕にしっかりと固定される。しかも手首から先が出せる大きさのため、盾を着けたままでも左手で剣を持つことができるようになっている。
「素晴らしい、これなら剣だけでなく拳を使うこともできます。大きさもちょうど良いです」
「では仕上げは明日にしましょう」
村長はサザルから来た2人に火を落とすように指示した。
「2人ともありがとう、せっかくだから私の家で食事をして帰りなさい」
「明日はもう良いのですか?力仕事があるのなら明日も手伝いますよ。ラミル様のお役に立てることであれば何でも喜んでお手伝いさせてもらいます」
「ありがとうございます。村長、彼らもこう言ってくれるのですから、お願いしましょう」
「そうですね、では今夜は2人とも私の家に泊まっていきなさい。それなら火を落とさずに、ここへ食事を運び、食後にもうひと仕事しましょう」
1人の男が村長の家へ行ってサラが用意しておいてくれた食事を運んでくると、4人は雑談をしながら早々に夕食を済ませ、盾から削り落した鉱石を使って剣を作り直す作業に入った。




