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ラミルは、満月の明かりを頼りに馬を走らせてサザルまでやってきた。
門の見張りをしている兵士が、馬に乗った人影に向かって声をかける。
「何者だ!」
向けられた光にラミルの姿が浮かび上がると驚いた表情を浮かべた。
「ラミル様!大変失礼いたしました、どうぞお入りください」
「いや、このまますぐにウズルへ行く。明日、この村にいる力の強い男を2人、ウズルの村長の家に来させてくれないか」
「かしこまりました、明日の朝には着くように行かせます」
「頼んだぞ」
そう言うと、すぐにまた馬を走らせてウズルまでいっきに駆け抜けた。
村長の家にはまだ明かりが灯っている、村長はまだ起きているようだ。
ラミルがドアをノックすると、中から聞き覚えのない女性の声が聞こえる。
「夜遅くすみません、村長はいらっしゃいますか?私はラミルと申します」
扉が開き、中から初老の女性が現われた。
「ラミル様!?村長はバグロブに行っていますが、そろそろ戻って来ると思いますので、どうぞ中に入ってお待ちになってください」
ラミルは案内されるまま中へ入ると懐かしい広間に通された、女性はラミルを見ている。
「ラミル様、ずいぶんと凛々しいお顔になられましたね」
「えっ?私のことを知っているのですか?」
「はい、8年前、シチラの地下牢で助けていただいた者でサラと申します」
「あの時の・・・そうでしたか」
「私はシチラに身寄りが無かったのでこの村に残りました。この家に1人で暮らしている村長の食事の支度など、身の回りのことをして暮らしています」
「そうですか、サラさんもお元気になられて本当に良かったですね」
「すべてラミル様のおかげです。助けていただいた恩は一生忘れません」
「そんなこと気にしないでください、王宮の戦士として当然のことをしただけですから」
馬車の止まる音がして、村長の懐かしい声が聞こえる。
「これは誰の馬だ、どうやら来客のようだな」
扉が開き、広間にいるラミルの姿を見て村長は歓声をあげた。
「ラミル様ではないですか、お久しぶりです。あの後すぐに学校に戻ったとロザイルから聞いたのですが卒業されて戦士に復帰されたのですね、いや、それにしても懐かしい」
「もう8年も前のことになりますからね、その間1度も顔も見せず、すみませんでした」
村のこと、一緒に住んでいるサラのこと、ロザイルのことなど、昔話やいろいろな話をしていると、サラは食事の片付けなどを済ませて自分の部屋に入っていき、ラミルはそれを確認すると小さな声で剣についての話をはじめた。




