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Science Fiction

色即是空・空即是色

作者: 海堂直也

この世に不変の物あらず。

時々刻々・千変万化・森羅万象・盛者必衰


「石作の皇子には仏の御石の鉢を、車持の皇子には蓬莱の木の枝を、右大臣阿倍御主人には火鼠の皮衣を、大納言大伴御行には竜の頸の五色の珠を、中納言石上麻呂足には燕の子安貝を、お願い致します。」


この世の者とは思えぬ程の美しさと評判の “なよたけのかぐや” 5人の男からの求婚に難題を課します。


男達は各々に課せられた難題に挑みますが……



「麗香ちゃん、何個目?」

「まだ5個。」

「えー!20は軽いと思ったけどねぇ。」


Club Moon バックヤードには甘く白い靄がかかる。


「あー安いの貰ってもしょーがないからぁ、結構ハードル上げたんだよね。」

「え?ヴィトンかクロエじゃないの?」


アクセサリーやバッグは普段の同伴で揃う。年度末はビジネス誕生日、予算内の経費は搾り取る。


「いやいや、バースデーだからね。タワマン・クルーザー・スポーツカー・デザイナー・私名義のブランド」

「ハードル上げるとかの前に、物じゃないの入ってるし……え?で、5個?」

「車の鍵が3つ、クルーザーとタワマンが1つづつ……はぁ」

「え?なんで溜息?めちゃいいじゃん!」

「いやいや、それよりコレが多いのよ。」

「ダイヤの指輪!えー凄ーい……??」

「全部プロポーズ付、しんどいわー。香久矢ちゃんにあげるよぉ〜」


麗香の魅力と演技に狂って勘違い甚だしい輩はいて当然。


「おもいおもい、むりむり、呪われそう。私そういうの懲りてるから。」


時代を幾つ巡っても結局男は変わらない。

女に色めき立ち、己を誇示するために他を虐げ、争いを好む。


貢ぎ物だけに収まらず、帝は国を投げ出す始末。


妲己 サロメ 今の世も。


猿の欲が棒を振り石を投げ、人の稚が剣を振り矢を射る、そして世の愚が権力を振り火を放つ。


私は又、月に帰り、次の時代に降り、彼の人を待つ。


ひとつになり新たな螺旋を始める為に。



楠木結衣様の活動報告にて企画を知りましたので

参加させて頂きました。


アンサーストーリー 

受けたいと思っています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] クラブのバックヤードに漂う甘く白い靄――現代のかぐや姫もまた、虚栄と幻想の交錯する中に身を置いているのですね。タイトルの意味を調べてもう一度御作を読んで、深い物語だなと思いました(←語彙)…
[気になる点] あれ、香久矢さんは、今世では、課題を出さないんですか? [一言] 今世でも、月の姫様のお眼鏡にかなう相手は見つかりませんでしたか? 大変ですね。
[良い点] リズミカルな語り口 [気になる点] あの人罪人なんですよね [一言] 欲望渦巻く螺旋の世界をありがとうございました。 (@_@)
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