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オフステージ(惣堀高校演劇部)  作者: 大橋むつお
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087・美晴のブレイクファースト 

REオフステージ (惣堀高校演劇部)


087・美晴のブレイクファースト 






 美晴の家で朝ごはんを頂くことになった。



 電話をすると「これから朝ごはん、ミリーもおいでよ!」と誘ってきよったたから。


 どっちかていうと――よかった、ぜひ来てちょうだい!――という響きがあった。


 これは『まずは胃袋から、男を虜にするレシピ百選』でこさえた料理の数々が居候の誤解をいっそう進めてしまったんやなあと思う。


 せやからミッキーと二人きりの朝食は気ぃが重い、わたしの電話は渡りに船やったんや。


「いやー、ごめんごめん、近所まで走ってきたらパンクしてしもてさー(^▽^)/」


「あ、パンクなら任せてよ。幸いミハルんちにリペアキットがあるから直してあげるよ。自転車屋で直したら5ドルするって言うじゃないか」


「最寄りの自転車屋さん駅の向こうだしね」


「朝ごはんは先に食べててよ、待ってたら冷めてしまうからね」


 そう言うとリペアキットを持って外に出るミッキー。


 基本的には気のいいやつなんや、ミッキーは。



「なるほど、ベーコンエッグはイッチョマエや!」



 食卓に着くと直ぐにブレイクファースト二人前が出てきた。電話した時には、もう取り掛かってたみたい。


 お皿は湯せんしたあるし、載ってるベーコンエッグはちょうど頃合い。アメリカ人向けに黄身までしっかり火ぃ通してあるけど硬すぎるということは無いし、ベーコンはあらかじめ切ってあってフォーク一つで食べられるようになってる。わたしの分は、わたしが着いてから作るつもりやったんで、食べてるのはミッキーの分。ミッキーのは改めて作ってる。


「おお、これは( ゜Д゜)」


 一口食べるとフワっとしてる。水の量と蒸らしている時間がちょうどええ……だけとちゃう、ベーコンと玉子の間にチーズが挟んである。これがフワフワの種なんやろね。


 トーストは、食卓に着く直前にトースターに入れ、コーンスープを少し頂いたころに焼き上がる。


 バターはあらかじめ湯せんして溶かしバターになっていて、トーストに塗る時のストレスが無い。


 サラダも『レタスとクルトンのバルサミコ酢合え』になってて、シンプルでさっぱりしたしつらえ。


「わたし、朝食しかできないから……」


 ガラにもなく恥ずかしそうにしてる美春やけど、これは立派なもんや。料理慣れした人間が――いつものブレイクファーストを作りました!――という感じや。この調子でランチやディナーを作ったら結構ナイスなのを作るやろうと思わしめるものがある。


「もう正直に言っちゃえば?」


「これしか出来ないわよって?」


「うん、ずっとホームステイさせるんやったら、その方がええと思うわよ」


「二つの理由でダメ」


「二つ?」


「ここへきて料理ベタと思われるのはシャクよ。それに、料理ベタっていうのは……案外……逆効果にならないかなって……」


「逆効果?」


 どうも分かりにくい女や。


「えと……わたしって、いろいろできちゃうから。玉に瑕の料理ベタっていうのはギャップ萌えで……ラノベとかであるでしょ」


「ああ、なーる……(^_^;)」


 ラノベとかアニメは、いまや世界的なスタンダードになりつつあり、美晴の心配はうなずける。


「で、美晴がお料理名人やと思われてしもた原因ていうのはどんなん?」


「それはだね……」


 それは、美晴の見栄とちょっとした単語の間違いが原因みたい。


 せやけど、あたしが近所でパンクしたのは運命のように思われて、修理を終えて戻って来た居候にこう言ってやった。


「ちゃんと直ったか確認したいから、朝食食べたら試運転につきあってよ」




☆彡 主な登場人物とあれこれ


小山内啓介       演劇部部長

沢村千歳        車いすの一年生  留美という姉がいる

ミリー         交換留学生 渡辺家に下宿

松井須磨        停学6年目の留年生

瀬戸内美春       生徒会副会長

ミッキー・ドナルド   サンフランシスコの高校生

シンディ―       サンフランシスコの高校生

生徒たち        セーヤン(情報部) トラヤン 生徒会長 谷口

先生たち        姫ちゃん 八重桜(敷島) 松平(生徒会顧問) 朝倉(須磨の元同級生)

惣堀商店街       ハイス薬局(ハゲの店主と女房のエリヨ) ケメコ(そうほり屋の娘)

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