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オフステージ(惣堀高校演劇部)  作者: 大橋むつお
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064・夏休み編 思い出のサンフランシスコ・2 

REオフステージ (惣堀高校演劇部)


064・夏休み編 思い出のサンフランシスコ・2                     


※ 本作は旧作『オフステージ・空堀高校演劇部』を改題改稿したものです





 見かけで判断したらあかん。



 とはいうものの、身長190は有ろうかというような黒人のニイチャン二人。こっちは一番背高い俺でも、やっと170。生物的にビビッてしまう。


 以前、散歩途中のチワワが大型犬に出くわして、恐怖のあまり腰を抜かしてオシッコちびってるとこに出くわした。


 あの時のチワワの心境。


 え あ う……


 母音が三つほどの返事とも言えん声を上げていると、ニイチャンらは荷物をふんだくり、千歳の車いすを押し出した。



 あ(;'∀')!  えと(;'〇')!  ちょ(;'△')!  ヘイ(;'▽')! 


 四人が四つの単音節を発して後を追う。


 最悪の展開がアレコレ頭をよぎるが、情けないことに走って後に続くことしかでけへん。千歳はアワアワするばっかりで、咄嗟に声も出えへん様子。これはエマージェンシーやと、ミリーはスマホを出して警察に電話しようとするんやけど、走りながらで手間取ってる。


 で、結局は無事にジェファソンホテルの前まで連れて行ってくれた。


 ホテルは次の角を曲がってすぐのとこで、ほんの20秒ほどで着いてしもた。これはお礼を言わならあかんと思たけど、とっさには言葉が出てけえへん。ニイチャンらの言葉は訛があって、ミリーもとっさには分からんみたいやった。



「ああ、それは高校生のボランティアでしょう」



 ジェファソンホテルのフロントのおばちゃんが言う。


 アメリカの学校も夏休みやけど、日本と違って二か月もあって、ボランティアに勤しんでる者も多いとのこと。


「こういう恰好していませんでしたか?」


 おばちゃんは壁に幾つもかかってるパンフの一つを指さした。


 緑色のTシャツの胸に英語でなんや書いてある。


「あーグリーンエンジェルス」


 ミリーが思い当たったように安堵のため息をもらす。で、おばちゃんと意気投合して英語でやりとり。

 どうやら、観光客や困ってる人らを助ける高校生のボランティアであるらしい。


 やっぱりキチンとお礼言うべきやった。


「わたし、お礼渡しといたよ」


 表情を読んだのか千歳がドヤ顔。


「え、いつの間に?」


「何を渡したの?」


「キャリーに付けてたビリケンさんのストラップ」


「いつのまに、そんなコミニケーションを」


「うん、車いすを押してる感触に悪意が無かった」


「でも、場所によっては……」


 おばちゃんはハザードマップのようなものをくれた。


「なるほど、用心に越したことはないわけね」


 須磨先輩が真面目な顔で、もう三枚もらってみんなに分けてくれる。



「それから……」



 キーをもらって部屋に行こうとすると、おばちゃんが声をかけてきた。


「時間が遅いので、夕飯が用意できません……」


「「「「えーーー( ゜Д゜)!?」」」」


 四人揃って声をあげる。


 驚いたというよりも、おばちゃんの一言でお腹が空きまくってたことに気が付いてしまった。


 とたんに体中の力が抜ける。



 サンフランシスコの初日はレストラン探しから始まった。

 



☆彡 主な登場人物とあれこれ


小山内啓介       演劇部部長

沢村千歳        車いすの一年生  留美という姉がいる

ミリー         交換留学生 渡辺家に下宿

松井須磨        停学6年目の留年生

瀬戸内美春       生徒会副会長

生徒たち        セーヤン(情報部) トラヤン 生徒会長 谷口

先生たち        姫ちゃん 八重桜(敷島) 松平(生徒会顧問) 朝倉(須磨の元同級生)

惣堀商店街       ハイス薬局(ハゲの店主と女房のエリヨ) ケメコ(そうほり屋の娘)



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