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オフステージ(惣堀高校演劇部)  作者: 大橋むつお
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051・地区総会・3

REオフステージ (惣堀高校演劇部)


051・地区総会・3                     


※ 本作は旧作『オフステージ・空堀高校演劇部』を改題改稿したものです






 ブームは過ぎてると思ってた。


 部室棟がひいお祖父ちゃんのマシュー・オーエンの設計やと分かったときは大騒ぎやった。

 なんせマシュー・オーエンはアメリカ建築史に燦然とその名を輝かす歴史的な建築家や。

 でもって、偶然にも、わたし、ミリー・オーエンがひ孫で、惣堀高校二年に在学中の交換留学生やったもんで、SNSでハジケてマスコミにも取り上げられた。



 しばらくは、サイン攻めとかの大騒ぎ。



 他の三人の演劇部員も騒がれた。


 野球部崩れの啓介は、中学ではエースで、エースに相応しいルックスとボディー。外見的にはラブコメの主役級。


 須磨先輩は、非公開やけど6回目の三年生。もともと美人なんやけど、23歳という完成された女のボディーを制服で包んでいると、なんともクール。これに対抗できるキャラは『冴えない彼女の育て方』の霞ヶ丘詩羽くらいしか思い浮かばへん。


 千歳も『涼宮ハルヒ』シリーズの朝比奈ミクル並の可愛さ。最初に見かけた時は車いすの薄幸の美少女って感じやったけど、そのイメージから脱却しようと、見かけからは及びもつかん闘志を秘めてるし。


 わたしは100%混じりけ無しのアメリカ人。幾分入っているゲルマンの血で絵に描いたような金髪碧眼。ホームステイ先の千代子からは『僕は友だちが少ない』の柏崎 星奈みたいやと言われる(あんな高飛車やないし人相も悪くないけどグラマーでもない)


 4人揃うと、ビジュアル的にはラノベが何冊も書けるくらいに特徴的ではあるんやけど、狭い学校の中やら惣堀界隈では意識せえへん。部室棟ブームのころこそは写真とか撮られまくりやったけど、ブームが過ぎてしまえば、変なクラブの変な4人組。


 その証拠に、演劇部の部員はぜんぜん増えへん。 

 

 それが、この地区総会では様子が違う。


 遅れてる学校があるので開始を遅らせますと言われたとたんに、会場の他校生たちが殺到してきた。「サインしてください」「写真撮っていいですか」には慣れてたけど、飲み終わってテーブルに置いていたペットボトルが消えた時には「え!?」やった。


「ちょ」「え」「あ、痛い!」


 惜しくらまんじゅうみたいになって、北浜高校の女の子がこけた。


「あ、大丈夫!?」


 手を貸すと、その子の膝に血が滲んでる。


「啓介、ペットボトル!」


 まだ略奪されていない啓介からミネラルウォーターを受け取って、その子の傷を洗ってハンカチで縛ってあげる。


「あ、ありがとうございます!」


「ううん、気ぃ付けてねえ……」


 足許に目をやると、再びペットボトルが消えてるし(^_^;)。



「定足数に達しましたので、地区総会を始めまーす!」



 議長の声がして、やっと始まった。


 黒板に書かれた議題は『夏休み地区講習会』と『今年度の状況報告とコンクール役割分担』や。


 あ、これはうちには関係ないなと思った。


 うちは看板だけのナンチャッテ演劇部やからね。




☆彡 主な登場人物とあれこれ


小山内啓介       演劇部部長

沢村千歳        車いすの一年生  留美という姉がいる

ミリー         交換留学生 渡辺家に下宿

松井須磨        停学6年目の留年生

瀬戸内美春       生徒会副会長

生徒たち        セーヤン(情報部) トラヤン 生徒会長 谷口

先生たち        姫ちゃん 八重桜 松平(生徒会顧問) 朝倉(須磨の元同級生)

惣堀商店街       ハイス薬局(ハゲの店主と女房のエリヨ) ケメコ(そうほり屋の娘)

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