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オフステージ(惣堀高校演劇部)  作者: 大橋むつお
35/156

035・ミリーの下宿

REオフステージ (惣堀高校演劇部)


035・ミリーの下宿                      


※ 本作は旧作『オフステージ・空堀高校演劇部』を改題改稿したものです





 パキパキ ペシペシ グシャグシャ パキンポキン


 ママさんは今日がプラゴミの回収日だと気づき、慌ててプラゴミをまとめている。


 バサバサ パラ


 パパさんは新聞を広げ仕事仲間やお客さんとの会話のネタを仕入れている。


 千代子と雄太(千代子の弟)はスマホをスクロール。時どきため息をついたり気合いが入ったり。千代子はSNS、雄太は新しいステージに入ったスマホゲームに夢中。


 お婆ちゃんは自分専用のスピーカーをテーブルに置いて、お茶を飲みながらテレビのワイドショーを見ている。こないだは唐十郎が亡くなって落ち込んでいたけど、今朝は選挙妨害やった男たちが捕まって喜んでる。


 てんでバラバラなことをやってるんだけど、この家は朝食は必ず家族そろってテーブルにつく。


 ミリーは、こういう渡辺家が好きだ。バラバラでいながら衣食住の大事なところではみんないっしょ。中学で終わるはずだった留学を延長しているのは、自分の家があるシカゴがムチャクチャなことと、この渡辺家の居心地の良さがあるからだ。


「今朝のスマホは長かったなあ(´¬_¬) 」


 地下鉄の駅に向かいながらカマをかけるミリー。


「え(;'∀')!?」


 ワタワタした笑顔を向けて「アハハハ」と顔を赤くする千代子。


 千代子は彼が出来たようで、スマホでチェックしているのは彼からのメールばかり。もともと朝食でのメールチェックは千代子の日課だけど、メールの相手が彼だと気づいているのは下宿人のミリーとテレビ見たふりしてるお婆ちゃん。


「ミリー、気ぃついてたん(^_^;)」


「うん、隣に座ってるし、微妙にパパさんママさんから見えへんように画面傾けてるやろ、あたしからは丸見えやねんでえ」


「あ、えと、内緒、内緒ね」


「分かってるてぇ」


 ちょっぴりシャクな千代子。どこかで仕返しと思ったら、すぐに目に飛び込んできた。


「あれえ?」


 コンビニの前で立ち止まる千代子。


「なに?」


「昨日までは、ミリーのこと見てる男の子らがおったんやけど」


「え、そんなんおったん!?」


「うん、惣堀の部室棟のことでネットとかに載ったやんか、先週は新聞にも載ったし、あれから密かに注目されてたんやで、ミリー」


「え、そんなん、言うてくれやなら!」


「ハハ、そんなガッツかんでも、ミリーはモテモテやろ~し」


「いやあ、そんなことあれへんし!」


 演劇部の三人が頭に浮かんだ。まあ、員数合わせの点では喜んでくれた。


 千代子と別れた電車の中でスマホをチェックしてみた。


――アクセス頭打ちにになってきたなあ――

 

 部室棟のことで先週までは、ちょっとしたアイドルという感じだったが、世間は急速に感心を失ってきているようだ。


――まあ、こんなもんやねんやろけど、ちょっと早すぎひん?――


 改札を出て商店街、佃煮屋の植え込みのアジサイが目についた。


 昨日まで青っぽかったアジサイは赤っぽく色を変えはじめている。


 季節の移ろいは早いもんだ。


 さて、こんどはどんな面白いことがあるんだろうと思う在留5年目のミリーであった。




☆彡 主な登場人物とあれこれ


小山内啓介       演劇部部長

沢村千歳        車いすの一年生  留美という姉がいる

ミリー         交換留学生 渡辺家に下宿

松井須磨        停学6年目の留年生

瀬戸内美春       生徒会副会長

生徒たち        セーヤン(情報部) トラヤン 生徒会長

先生たち        姫ちゃん 八重桜 松平(生徒会顧問)

惣堀商店街       ハイス薬局     


 


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