06. 名付け親
ページを開いてくれてありがとうございます!
最後まで見てくれるととっても嬉しいです。
※ストーリーを進めたいので、情景描写など最低限にしております。時間に余裕がある時に追加を考えていますのでご了承ください。
ここは重なり合わない外宇宙の一つ、天聖界。
神や悪魔、天使や神使が住まう聖域である。
時間や生死の理も違い、彼ら概念が生滅する事はなく、永遠の縛りが象を変えながら在り続けている。
そして女神とは、生物が多く住まう星に配備され、時間の経過により分岐する平行世界を形成・破棄を促し、星単位で管理している管理者である。
管理方法は各女神に一任されている為、アイリスの場合、生物を転生という形で時間の重要分岐点を創り、平行世界を管理しているのだ。
時間の流れを木に例えるなら、剪定する庭師をイメージしてもらうと分かりやすいだろう。
アイリスは普段地球の外壁に張り付いて仕事をしている。
何か用事のない限り、この天聖界には戻らないのだ。
今回、各星の女神が集まる会議があるため、会場のホテルに前日入りしたのだが・・・。
「アイリスさんどういう事なの?」
「お久しぶりにございます、ベイリー様。」
出会い頭にホテルの廊下で罵声を浴びせて来るのは、1200光年先の星を担当している先輩女神ベイリー。
その女神は長く紅い髪、両側にスリットが入ったチャイナ服に似た聖装だ。取り巻き二人も同様の聖装をしている。
「どうかされたのですか?」
「どうもこうもありません!貴女の担当から、魔王と名乗るモノ達が荒らしに来たのです!駆除はしましたが大損害よ!何とかなさい!」
宇宙は繋がっているので、星間侵略は希に発生する。
星単位の管理ゆえに起こる弊害である。
沢山ある平行世界を管理してると、ヒイキしたくなるお気に入りの世界が自ずと出来上がって、それを愛でる気持ちは良く分かる。
むしろ、基礎となる世界に横槍を入れられれば誰でも怒りたくなる。
星間侵略が不自然に少ないのはこういった理由からだ。
「章造しくじったな…。」
アイリスはボソッと呟いた。
思いあたる節が大いにあるのですぐ頭を下げた。
「戻り次第確認し、そちらに行く前に対処します。ご迷惑おかけして申し訳ございませんでした。」
「そうして下さいませ!」
この件はこちらの管理確認不足。
深々と頭を下げ場を取り繕う。
言うと取り巻きを引き連れて女神ベイリーは去って行った。
神と言っても何でも出来るものじゃない。
むしろ出来ない事の方が多いと思っている。
無数に近い時間の先端を絶えず監視するのは難しい。
帰る迄に魔王が宇宙に出ないよう考えないと。
ってか、章造仕事しろッ!
――――
会議も終わり帰路につく頃、あることを思い付く。
「章造くんの名前は私が付けてあげよう!別に嫌味言われた腹いせじゃ無いけど、腹の虫が治まらないからね~」
「大賢者~、魔法使い~、アニメ~、う~ん何にしようかな~。」
何かちょっと嫌がる名前で、前世でないかな~
「サ○ーとかアッ○とか、う~ん。そうだな~」
「あ!?ミンキー○モ とか。生い立ち設定とかも似てるし~」
「じゃあ、ジジね!決定~!」
「どうせなら女の子に転生させれば良かった。」
こうしてアイリスは、父ムリエの枕元に夜な夜な子供の名前を囁き続けるのであった。
読んで頂きありがとうございます!
はじめての作品なので不安はありますが、よろしければブックマーク、応援お願いいたします☆