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異世界じぃじクエスト  作者: ☆さくら
_第二章_
35/36

35. アストラス王国を目指して

久しぶりの更新!

私生活が慌ただしく、更新不足でスミマセン!

 先を歩く二人にカピが近づいて声をかけた。


「シーナっち~!例の聖水持ってるッスか?」

「え!?」

「聖水?それならさっきシーナさんが、のッ!?」

「の??」

「何でもない何でもない!ジジさんは!先に!行きましょうっ!」

「わかった、わかったから押さないで。」


 慌ててジジの背中を押し出すシーナ。

 空のビンを隠すようにカピに見せ、小声で耳打ちした。


「の、残りの一本は、蓋が取れてこぼしちゃって!服に付いたとこジジさんに見られてたんですよ~。リリー様に知られるの恥ずかしくって!後で洗わないと」

「そぉ~~、だったんスか~。」

「そうなんですよ~!だからナイショでお願いしますね☆」

「「あは、あはははは!」」

「(のって言われたから一瞬飲んだかと思ったッス。流石にリリー好きでもそんな事するわけないッスよね~?自分のものかも知れないし。)」

「(あっぶな~!。自分のに目印入れといて正解だった。思わぬご褒美、ごちそうさまです☆)」


 二人が笑っているところに、リリーが近づいて来た。


「シーナっちがこぼしたって~。」

「そっか、なら仕方ないね。」


 リリーは空のビンを受け取りカバンにしまう。


「ミラナさんの屋敷ってどっちでしたっけ?」

「あっちだよジジ君。」


 ジジの問いに指差してリリーは答えた。


 大きな屋敷だったのは覚えてるけど、流石に道までは覚えきれないよね~。

 もし、はぐれたら迷子になるんじゃ?

 っと今更ながら思ってみたり。



 しばらく歩くとミラナさんの屋敷に到着した。


 見た目が変わったので、最初はすごーく怪しまれたがリリーさんも居たので信じてくれたようだ。


「いやいや、まったく驚きですね!世界の七不思議を超える事案ですぞ~!それはそうと、積もる話しも聞きたいのでゆっくりしていって下さい。」

「ありがとうございます。お子さんも無事でしたしほんと良かったです。ところでイリーナさんは?」

「あぁ、せっかく来てもらってすまないが、まだ後処理で・・・。」

「そう、でしたか。」


 余計な詮索はすまい。


 ジジ達はツルギザキで起こった内容をかいつまんで伝えた。

 そして、船に乗る為の身分保証の後ろ盾になってもらえるよう頼んだ。


「なるほど。ご実家に帰る為に船旅を。」

「お力添え頂けると助かるのですが__。」 

「もちろんです!明日には用意できるよう早速手配しましょう!」

「ありがとうございます!」

「ところで~、もう一人のお連れの方は?」


 いつの間にかシーナさんは髪をボサボサにしてクッキーをつまんでいた。


「あ、こんにちは!私見習い魔法使いのシーナって言います!クッキー頂いてます☆」

「シーナ様。ですね。以前どこかでお見かけしたような?」

「やだな~。ツルギザキでもお会いしましたよ?挨拶はできませんでしたけど。」

「そうでしたか、シーナ様にも大変ご迷惑おかけしました。」

「いえいえ。乗りかかった船ですから。」

「船旅だけに。ふふ。」


 カピが一言付け足す。


「ささ、今日はゆっくりしていって下さい!」

「(流されたっス!!)」


 今夜はミラナさんの所で厄介になることに___。

 



――――アストラス王国行き船上

 


 翌朝、ミラナさんはアストラス王国、王都オルアレン行きの乗船券を用意してくれた。

 話によるとノーザンバーグ領は王都に近いらしい。

 王都経由で行けば最短らしいが、1週間は船の上との事だ。


 別れを惜しみつつ、いつかの再会を約束をしたジジたち。

 今は思っていたより豪華な船の上。

 なのだが、危機的状況に!


「う゛ぉぅ~。」

「んぐぅ~ん。。。」 


 リリーとシーナの二人は船酔いでダウン寸前だった。

 船は初めてらしい。

 海に向かって放たれた撒き餌が、風に乗ってキラキラと輝いている。

 

「二人とも~、だらしがないっスね~。」

「「・・・・・。」」


 言い返す気力も無い二人。

 上半身を海に投げ出し、お尻だけがこちらをむいていた。


 何とかしてあげたいのだが。。。

 色んな薬はあれど、酔い止めの薬はこの世界にはないそうだ。

 傷がすぐ治る薬(ポーション)や毒消し草はあるのに。

 万能薬(エリクサー)は効くかもしれないが、そんな高価なものをたかが酔い止めに使ったバカはいないらしい。


「カピさん、このタオルをシーナさんに。とりあえずリリーさんから船室まで運びますので!」


 そう言うとジジはカピの頭にタオルを乗せ、リリーに肩を貸し船室まで連れて行く。

 続いてシーナさん。


「ジジぐん、ありが。・・・とう。」

「横になって休んでて下さい。」

「カピさん、ちょっと考えがあるのですがちょっといいですか?」

「いいっスよ?」

「_____な感じでなんですけど出来ますか?」

「出来るっスけど、ほんとにそれで良くなるんっスか?」

「ものは試しでやってもらえませんか?もしお二人が無理そうならすぐ止めて下さい。」

「らじゃ~っス!」


 早速カピは二人に浮遊魔法をかけた。

 

「リリーさん、どうですか?気持ち悪くないですか?」

「・・・揺れが、落ち着いた、感じ。・・・だ、大丈夫。」


 良かった、予想通り。


 この世界の魔法には特徴があると、以前魔法の特訓中に教えてもらった事がある。

 どの魔法もそうだが、発動時に術者を守る為の魔法障壁が術者を包むらしい。

 その障壁は物理衝撃や使用術式以下の魔法は弾くそうだ。

 なので、船の揺れも軽減してくれるのではないかと考えたのだが、どうやら正解だったようだ。


「こんな使い方があるなんて!さっすがジジ君っスね!」

「いえいえ。カピさんがいてくれるからこそですよ!それより~、二人が良くなるまで浮遊魔法。お願いしますね☆」

「えッ!?えーーー!!」

「ちょっとこの船の厨房に行ってきますので、しばらく席を外します。」

「ちょっとまだ魔力が・・・。」


 そう言うとカピの苦情を受け付ける間も無く、船室を後にした。


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